到達目標
評論,小説,詩歌などの様々な日本語の文章を学習することにより,日本語への理解力・表現力を高めるとともに,文学のもつ素晴らしさや,文学を学ぶ意義について理解することができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 評論・小説・詩歌などの現代の応用的な文章について理解することができる. | 評論・小説・詩歌などの現代の基本的な文章について理解することができる. | 評論・小説・詩歌などの現代の基本的な文章について理解することができない. |
評価項目2 | 語彙・文章などの応用的な表現能力を身につけることができる. | 語彙・文章などの基本的な表現能力を身につけることができる. | 語彙・文章などの基本的な表現能力を身につけることができない. |
評価項目3 | 文学の持つ素晴らしさや学ぶ意義について十分に理解することができる. | 文学の持つ素晴らしさや学ぶ意義について理解することができる. | 文学の持つ素晴らしさや学ぶ意義について理解することができない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
本科目は,高等専門学校の国語の基礎能力を「現代文・表現」の分野を中心に身につけさせる.具体的には,第1学年の学生として中学校までの学習の復習を含めながら,高専生,そして現代に生きる日本人として必要な近代,現代文学の基礎知識の獲得と,読解力の向上,及び的確な表現能力を養うことを目標にする.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は学習・教育到達目標(A)の〈視野〉および(C)の〈発表〉に対応する.
・授業は講義・演習形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を,2回の中間試験・2回の定期試験と小テスト・提出課題・口頭発表等で出題し,目標の達成度を評価する.各到達目標に関する重みは概ね均等とする.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期中間・前期末・後期中間・学年末の4回の試験の平均点を60%,小テストの結果と漢字検定への取り組みを20%,課題・ノート提出を20%として評価する.ただし,前期中間・前期末・後期中間・学年末試験ともに再試験を行わない.
<単位修得要件>与えられた課題レポート等をすべて提出し,前期中間・前期末・後期中間・学年末の4回の試験,課題,小テストにより,学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
中学校卒業程度の国語の知識および能力を身につけていることが必要である.
<レポート等>
理解を助けるために,随時演習課題を与え,提出させる.また夏期休業中の宿題として,外部コンクールに応募する.
<備考>授業中は学習に集中し,内容に対して積極的に取り組むこと.疑問が生じたら直ちに質問すること.また,課題は期限厳守で提出すること.なお,本教科は後に学習する国語Ⅱ,日本文学,言語表現学Ⅰ・Ⅱ,文学概論Ⅰ・Ⅱの基礎になる科目である.
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
本授業の概容および学習内容の説明
|
1.本授業の概要と学習内容を理解している.
|
2週 |
随想 挑戦(茂木健一郎)① |
2.作者の人物背景や作風について理解している. 3.作者の表現意図を理解し論理の展開を把握することができる. 4.自分の考えや意見をまとめることができる.
|
3週 |
随想 挑戦(茂木健一郎)② |
上記2~4に同じ.
|
4週 |
小説 鏡(村上春樹)① |
5.あらすじを把握し,登場人物の心情・行動を理解している. 6.作品・作者に関する文学史的知識を身につけ,それぞれの作品が書かれた時代背景について理解している. 7.日本文学を学ぶ意義を理解している. 8.読解後自分なりの感想を文章にまとめることができる.
|
5週 |
小説 鏡(村上春樹)② |
上記5~8に同じ.
|
6週 |
小説 鏡(村上春樹)③ |
上記5~8に同じ.
|
7週 |
小説 鏡(村上春樹)④ |
上記5~8に同じ.
|
8週 |
前期中間試験 |
上記1~8の内容を理解している.
|
2ndQ |
9週 |
前期中間試験の反省 詩 一つのメルヘン(中原中也)① |
9.前期中間試験の内容を理解している. 10.詩歌の作者の意図を理解し,表現技巧を把握することができる. 11.文学史的知識を身につけ,詩歌作品が書かれた時代背景を理解している. 12. 詩歌の鑑賞能力を養い,自分の感想を文章にまとめることができる.
|
10週 |
詩 一つのメルヘン(中原中也)② |
上記10~12に同じ.
|
11週 |
評論 まずは形から(池谷裕二)① |
上記3,4に同じ. 13.各段落,および全体の要旨をまとめることができる.
|
12週 |
評論 まずは形から(池谷裕二)② |
上記3,4,13に同じ.
|
13週 |
評論 まずは形から(池谷裕二)③ |
上記3,4,13に同じ.
|
14週 |
評論 まずは形から(池谷裕二)④ |
上記3,4,13に同じ.
|
15週 |
表現 エッセイを書く |
14.課題によるエッセイを完成させることができる.
|
16週 |
|
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
前期末試験の反省 俳句 十二句① |
15.前期末試験の内容を理解している. 上記10~12に同じ.
|
2週 |
俳句 十二句② |
上記10~12に同じ.
|
3週 |
俳句 十二句③ 俳句の創作 |
上記10~12に同じ. 16.俳句を創作することにより,自らの心情を作品として表現することができる.
|
4週 |
評論 「方言コスプレ」現象(田中ゆかり)① |
上記3,4,13に同じ.
|
5週 |
評論 「方言コスプレ」現象(田中ゆかり② |
上記3,4,13に同じ.
|
6週 |
評論 「方言コスプレ」現象(田中ゆかり③ |
上記3,4,13に同じ.
|
7週 |
評論 「方言コスプレ」現象(田中ゆかり④ |
上記3,4,13に同じ.
|
8週 |
後期中間試験 |
上記3,4,10~13の内容を理解している.
|
4thQ |
9週 |
後期中間試験の反省 表現 通信文を書こう |
17.後期中間試験の内容を理解している. 18.通信文の形式を踏まえて,自らの心情を表現することができる.
|
10週 |
小説 羅生門(芥川龍之介)① |
上記5~8に同じ.
|
11週 |
小説 羅生門(芥川龍之介)② |
上記5~8に同じ.
|
12週 |
小説 羅生門(芥川龍之介)③ |
上記5~8に同じ.
|
13週 |
小説 羅生門(芥川龍之介)④ |
上記5~8に同じ.
|
14週 |
小説 羅生門(芥川龍之介)⑤ |
上記5~8に同じ.
|
15週 |
小説 羅生門(芥川龍之介)⑥ 年間授業のまとめ |
上記5~8に同じ. 19.年間授業内容の意義について説明できる.
|
16週 |
|
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 国語 | 国語 | 論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。 | 3 | |
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。 | 3 | |
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。 | 3 | |
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。 | 3 | |
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。 | 3 | |
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。 | 3 | |
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。 | 3 | |
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。 | 3 | |
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。 | 3 | |
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。 | 3 | |
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。 | 3 | |
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。 | 3 | |
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。 | 3 | |
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。 | 3 | |
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 課題・ノート提出 | 小テスト・漢検 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 20 | 20 | 100 |
配点 | 60 | 20 | 20 | 100 |