到達目標
古典学習を通じて,当代の人間の考え方や生き方を知ることから始まり,加えて現代に生きる日本人として必要な「古典文学」の基礎知識の獲得と読解力の向上を果たすことができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 古文・漢文について,音読・朗読もしくは暗唱することにより,特有のリズムや韻などを味わい理解することができる. | 古文・漢文について,音読・朗読もしくは暗唱することにより,特有のリズムや韻などを味わうことができる. | 古文・漢文について,音読・朗読もしくは暗唱しても,特有のリズムや韻などを味わうことができない. |
評価項目2 | 代表的な古文・漢文を読み,言葉や表現方法の特徴をふまえて人物・情景などを理解し,人物・社会・自然などについて考えを深めたり広げたりすることができる. | 代表的な古文・漢文を読み,言葉や表現方法の特徴をふまえて人物・情景などを理解し,人物・社会・自然などについて考えることができる. | 代表的な古文・漢文を読み,言葉や表現方法の特徴をふまえて人物・情景などを理解したり,人物・社会・自然などについて考えることができない. |
評価項目3 | 教材として取り上げた作品について,用いられている言葉の現代の言葉とのつながりや,時代背景などに関する古文・漢文の基礎的知識を習得できる. | 教材として取り上げた作品について,用いられている言葉の現代の言葉とのつながりや,時代背景などに関する古文・漢文の基礎的知識を理解できる. | 教材として取り上げた作品について,用いられている言葉の現代の言葉とのつながりや,時代背景などに関する古文・漢文の基礎的知識を理解・習得することができない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
本科目は,高等専門学校の国語の基礎能力を「古文・漢文」の分野を中心にして身につけさせる.まず,「古典」学習の意義((1)当時の人々の考え方,生き方を知る.(2)古典を通じて現代の自分たちの生活,考え方,生き方を捉えなおす.)を再確認する.具体的には,中学校までの古典学習の総復習を含めながら,高専生としてそして現代に生きる日本人として,必要な古典文学の基礎知識の獲得と,読解力の向上をねらいとする.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は学習・教育目標(A)の<視野><意欲>,及び(C)の<発表>に対応する.
・授業は講義・演習形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
下記授業計画の「到達目標」のすべてを網羅した問題を定期考査とレポート等で出題し,目標の達成度を評価する.各「到達目標」の重みは概ね均等する.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>
前期末の試験結果から60%, 課題提出, 小テスト,授業中の黒板での問題演習への取り組み等の結果を40%として評価する.ただし,前期末については再試験を行わない.
<単位修得要件>
与えられた演習課題を提出し,学業成績で60点以上を修得すること.
[達成目標の評価方法と基準]
下記授業計画の「到達目標」のすべてを網羅した問題を2回の中間考査,2回の定期考査とレポート等で出題し,目標の達成度を評価する.各「到達目標」の重みは概ね均等する.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
[学業成績の評価方法および評価基準]
前期中間・前期末・後期中間・学年末の4回の試験の平均点を60%, 課題提出, 小テスト,授業中の黒板での問題演習への取り組み等の結果を40%として評価する.ただし,前期中間・前期末・後期中間・学年末試験の4回の試験ともに原則として再試験は行わない.
[単位修得要件]
与えられた演習課題を提出し,学業成績で60点以上を修得すること.
[あらかじめ要求される基礎知識の範囲]
中学校卒業程度の国語能力,特に「古文・漢文」についての基礎学力を身につけていることを前提とする.
[レポート等]
理解を深めるため,すべての教材に演習課題を与える.また,古典文法小テスト,古典名文の暗唱テスト,ノート提出等を課する.
[注意事項]授業中は学習に集中し,内容に対して積極的に取り組むこと.また,ノート,課題は期限厳守して提出すること.なお,
本教科は後に学習する国語Ⅱ,日本文学.言語表現学Ⅰ・Ⅱ,文学概論Ⅰ・Ⅱの基礎になる科目である.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス 古文入門および学習方法について (「古典の言葉」) |
1.「古典」の学習の目当ての意義を理解し,学習する意義を確認する.
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2週 |
古文入門および学習方法について (「現代語訳の仕方」「古語の品詞、動詞の活用」) 「老僧の水練」①(『古今著聞集』) |
2.音読を通して現代文との違いに注意しながら,古文を読むための基礎(歴史的仮名遣い等)を理解している. 3.登場人物の心理に注目して,古文の世界を理解し,古文を読むための基礎(品詞等)を理解している.
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3週 |
「老僧の水練」②(『古今著聞集』) |
上記2.3に同じ
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4週 |
古文の文法(動詞・形容詞・形容動詞) |
4.古典文法の基礎学習(動詞・形容詞・形容動詞)の学習内容を理解している.
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5週 |
随筆 「つれづれなるままに」(「徒然草」) |
5.三大随筆のそれぞれの文学的価値を理解している.
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6週 |
随筆 「静かに思へば」①(「徒然草」) |
6.兼好法師の人生観および「徒然草」の世界観を理解し,古典文法の基礎学習の学習内容を理解している.
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7週 |
随筆 「静かに思へば」②(「徒然草」) 後期中間までの復習 |
7.古文を読むための基礎(係り結び等)を理解し,後期中間までの学習内容を理解している.
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8週 |
後期中間試験 |
後期中間試験
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4thQ |
9週 |
前期中間試験の解説と総括 漢文入門 訓読・返り点 |
8.漢文の特色を学んで,漢文訓読の基礎(訓点・書き下し文等)を理解している.
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10週 |
漢文入門 再読文字・助字 |
9.漢文の特色を学び,漢文訓読の基礎(再読文字等)を理解している.
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11週 |
故事 朝三暮四①(「戦国策」) 否定・疑問の句法 |
10.故事成語の学習を通して,戦国時代の諸国と遊説家の言行を理解し,漢文の句法(否定・疑問)を理解している. 11.故事成語の学習を通して,文学史的価値を理解し,漢文の句法(反語・感嘆)を理解している.
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12週 |
故事 朝三暮四②(「戦国策」) 反語・感嘆の句法 |
上記10.11に同じ
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13週 |
歌物語 「東下り」①(「伊勢物語」) |
12.音読を通して現代文との違いに注意しながら,和歌の修辞法の学習を通して,歌物語の特徴を理解する. 13.歌物語の展開をおさえながら,古典の内容を理解している. 14.登場人物の心理に注目して,古文の世界を理解し,文法(付属語)の応用学習内容を理解している.
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14週 |
歌物語 「東下り」②(「伊勢物語」) 和歌の修辞① |
上記12.13.14に同じ
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15週 |
歌物語 「東下り」③(「伊勢物語」) 学年末までの復習 授業のまとめ(アンケート) |
上記12.13.14に同じ
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 国語 | 国語 | 論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。 | 3 | |
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。 | 3 | |
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。 | 3 | |
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。 | 3 | |
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。 | 3 | |
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。 | 3 | |
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。 | 3 | |
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。 | 3 | |
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。 | 3 | |
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。 | 3 | |
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。 | 3 | |
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。 | 3 | |
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。 | 3 | |
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。 | 3 | |
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 課題・提出物 | 小テスト・発表 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 20 | 20 | 100 |
配点 | 60 | 20 | 20 | 100 |