総合実習

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 総合実習
科目番号 0034 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 1,2学年「機械工作法」の教科書,「楽しい競技ロボットの作り方」(弓納持,日刊工業新聞社),「ロボコン・ベーシック・スタディ」(清水,オーム社)など.
担当教員 白井 達也,佐脇 豊,鬼頭 みずき

到達目標

アイデアの創出と討論,加工法を考慮した設計図の作図,工作機械の正しい使用方法の習得,計画立案および実行力と報告書の作成及びプレゼンテーションといった一連の「ものづくり」のプロセスに必要な知識と経験を身に付け,実際にオリジナルのロボットをチーム一丸となって製作できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1さまざまな家庭電化製品を一つ一つの部品に分解し,その役割を大まかに推測して説明できる.さまざまな家庭電化製品を一つ一つの部品に分解できる.さまざまな家庭電化製品を一つ一つの部品に分解できない.
評価項目2与えられたルールに基づいて競技ロボットのアイデアを考え,設計を主導的に行うことができる.与えられたルールに基づいて競技ロボットの設計を分担して行うことができる.与えられたルールに基づいて競技ロボットの設計を分担して行うことができない.
評価項目3設計図面だけではなく,その部品がどのような役割を担うのかを理解した上で部品加工を行い,組み立て・調整作業を行える.設計図面に基づいて部品加工を行い,組み立て・調整作業を行える.設計図面に基づいて部員加工を行い,組み立て・調整作業を行えない.
評価項目4各授業の作業内容を簡潔に日報にまとめると同時に,現時点で予測される問題点について考察することができる.各授業の作業内容を簡潔に日報にまとめることができる.各授業の作業内容を簡潔に日報にまとめることができない.
評価項目5三次元CAD,各種工作機械(NC含む)の基礎的な使い方を理解し,その知識を機械設計製図に反映できる.三次元CAD,各種工作機械(NC含む)の基礎的な使い方を理解している.三次元CAD,各種工作機械(NC含む)の基礎的な使い方を理解していない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
より良い製品作りは製品の機能や性能だけではなく,仕様決定から製品の廃棄までの全過程を意識して行う必要がある.総合実習では機械技術者にとって基本である“構想,設計/製図,加工/組立/調整,改善”の一連の「ものづくり」のプロセスを全て体験することで,機械工学の専門科目,実社会での設計/生産技術,研究活動に活用できる技術とセンスを磨き,計画立案・実行力を養成する.
授業の進め方・方法:
・第1週から第4週は,学習・教育到達目標(A)<視野>,学習・教育到達目標(A)<技術者倫理>,学習・教育到達目標(A)<意欲>,学習・教育到達目標(B)<専門>に対応する.
・第5週から26週は,学習・教育到達目標(B)<基礎> ,学習・教育到達目標(B)<展開> に対応する.
・第27週と第28週は,学習・教育到達目標(C)<発表> に対応する.
・授業は実習形式で行う.安全に気を付け,教職員および班員と連絡を密に取り,集中して取り組む.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
「到達目標」1~15の習得の度合いを毎週提出する工作実習報告書および学年末に提出する最終報告書,中間報告と最終的に完成した成果物(ロボット)で評価する.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認する.
<学業成績の評価方法および評価基準>
授業毎に提出する工作実習報告書の記述内容を提出毎にA~Eの5段階で評価し,その平均点を工作実習報告書の評価(100点満点)の60%,学年末に提出する最終報告書の評価点 (100点満点)の25%,中間報告,製作したロボットの評価(競技結果・プレゼンテーション)および各学生の貢献度合に応じた評価点 (最大15点)を加えて最終成績とする.ただし,工作実習報告書の提出遅れは1日あたり1点を減点(1提出あたり3点を上限,通年で15点を上限),授業を休んだ場合は1日あたり5点,遅刻・早退は1点を減点する(通年で15点を上限).定期試験は実施しない.
<単位修得要件>
学業成績の評価方法にうよって,学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
本教科は1,2学年の「機械工作実習」,「設計製図」,「機械工作法」の学習が基礎となる教科である.これらの授業を十分理解していること.歯車の種類,ギア比とトルク/回転速度の関係を理解していること.
<レポート等>
毎週,実習内容および製作中のロボットの問題点やその解決法,参考書などで調べた内容を工作実習報告書にまとめ,提出する.製作したロボットに関する最終報告書を一人一部ずつ作成し,学年末に提出する.
<備考>
総合実習は1,2学年で学んだ工作実習の応用である.ロボット製作は創意,工夫,チームワークが重要となるため,授業の欠席や遅刻はチームワークを乱し,他の班員へ負担を強いることとなるため厳に慎むこと.工作実習報告書の提出期限は厳守,授業を欠席した場合であっても必ず提出期限までに提出すること.授業内で講義する安全管理を守ること.出図日は厳守すること.なお,本教科は後に学習する「創造工学」,「工学実験」,「卒業研究」,「特別研究(専攻科)」の基礎となる教科である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス:製作する競技ロボットのルールおよび使用可能な材料と工具の説明,実習工場内での作業に関する安全教育を行なう.ロボットのアイデアを各人で考える.考えた結果は第3週の授業開始時にレポート提出すること. 1.競技ルールおよび制約を理解する.
2週 家電製品の分解:各班に1台ずつ配布する家電製品を班員全員で協力して分解する. 2.家電製品の分解を通して,構成部品の構造を理解し,役割を推測し,説明できる.
3週 家電製品の分解 上記2
4週 ロボットのアイデア決定:第3週に回収したロボットアイデアのレポートを各班に戻す.班内でディスカッションしてアイデアを一つにまとめ上げる. 3.ロボットのアイデアを積極的に提案し,活発に議論できる.
5週 NC加工機実習(1) 4.NC加工機の原理が説明できる.
6週 NC加工機実習(2) 5.NC言語の基本的な記述ルールを理解できる.
7週 NC加工機実習(3) 6.実習時間内に与えられた課題NCプログラムを完成できる.
8週 NC加工機実習(4) 7.作成したNCプログラムを加工機に読み込ませ,実際に加工作業を行える.
2ndQ
9週 構想設計(各人) 8.アイデアを実現するメカニズムを考案し,図面化できる.
10週 構想コンペティション(班) 上記3
11週 組立図設計製図(1) 9.与えられた制限(サイズ,重量,材料)を考慮に入れてロボット各部の寸法を計算できる.
10.ロボット全体の組立図,部品図を製図できる.
12週 組立図設計製図(2) 上記9,10
13週 組立図設計製図(3) 上記9,10
14週 組立図検図 上記9,10
15週 部品図製図(1) 上記9,10
16週
後期
3rdQ
1週 部品図製図(2) 上記9,10
2週 部品図製図検図 上記9,10
3週 部品加工(1) 11.旋盤,ボール盤,フライス盤,帯ノコ盤など,必要な加工機を正しく安全に用いて部品を加工できる.
4週 部品加工(2) 上記11
5週 駆動部動作チェック 上記11
6週 部品加工(3) 上記11
7週 部品加工(4) 上記11
8週 組立・調整(1) 上記11
4thQ
9週 組立・調整(2) 上記11
10週 組立・調整(3) 上記11
11週 電源配線・動作確認 12.スイッチを用いたDCモータの正逆回転回路を理解できる.
12週 最終調整(1) 上記11
13週 最終調整(2) 13.計画にしたがって作業を行うことができる.
14週 競技およびプレゼンテーション 14.製作したロボットの構造,特徴,長所と短所を簡潔かつ正確にプレゼンテーションできる.
15週 レポートまとめ 15.実習内容を簡潔かつ正確に工作実習報告書に記述できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合0905050100
配点0905050100