機械工作実習

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 機械工作実習
科目番号 0040 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材
担当教員 打田 正樹,陳 妍

到達目標

機械工作実習は,機械技術者にとって重要なものづくりを実際に体験し,その経験をもとに機械工学での授業とともに実社会での生産技術および研究・開発の各分野において活用することを目的とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1旋盤やシェーバ,フライスの構造や操作,加工方法を十分理解し,加工ができる.旋盤やシェーバ,フライスの構造や操作,加工方法を理解し,加工ができる.旋盤やシェーバ,フライスの構造や操作,加工方法を理解できず,加工ができない.
評価項目2ヤスリがけ,ボール盤,ねじ切り,溶接,鋳造等の基本的な作業や原理,操作を十分理解し,加工ができる.ヤスリがけ,ボール盤,ねじ切り,溶接,鋳造等の基本的な作業や原理,操作を理解し,加工ができる.ヤスリがけ,ボール盤,ねじ切り,溶接,鋳造等の基本的な作業や原理,操作を理解できず,加工ができない.
評価項目33DCADの利用方法が十分理解でき設計することができる.さらに,NC旋盤やワイヤー放電加工機等の特徴や種類や原理,プログラミングの流れを十分理解することができ,与えられた課題に対するNCプログラムを完成させ,そのプログラムを加工機に読み込ませ,実際に加工作業ができる.3DCADの利用方法が理解でき設計することができる.さらに,NC旋盤やワイヤー放電加工機等の特徴や種類や原理,プログラミングの流れを十分理解することができ,与えられた課題に対するNCプログラムを完成させ,そのプログラムを加工機に読み込ませ,実際に加工作業ができる.3DCADの利用方法が理解できず設計することができない.また,NC旋盤やワイヤー放電加工機等の特徴や種類や原理,プログラミングの流れを十分理解することができ,与えられた課題に対するNCプログラムを完成させ,そのプログラムを加工機に読み込ませ,実際に加工作業ができる.
評価項目4基本的なロボットの構造を十分理解し,それを応用することができる.基本的なロボットの構造を理解し,ロボットを製作することができる.基本的なロボットの構造を理解できず,ロボットを製作することができない.
評価項目5ガソリンエンジンの原理と構造を十分理解しており,エンジンの分解と組立を円滑に行うことができる.また,3D計測を十分理解できる.ガソリンエンジンの原理と構造を理解しており,エンジンの分解と組立を行うことができる.また,3D計測を理解できる.ガソリンエンジンの原理と構造を理解しておらず,エンジンの分解と組立を行うことができない.また,3D計測を十分理解できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械工作実習は,機械技術者にとって重要なものづくりを実際に体験し,その経験をもとに機械工学での授業とともに実社会での生産技術および研究・開発の各分野において活用することを目的とする.
授業の進め方・方法:
・本科目の内容は,すべて学習・教育到達目標(B)<専門>に相当する.
・「授業計画」における「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
・前期はクラスを6班に分け,それぞれの班が以下の1~6のテーマについて,機械加工等の基礎的な知識とそれらの作業方法を習得する.ただし,第1週目は,クラス全体での機械工作実習における目標と心構え,災害防止と安全確保のためにすべきこと,レポートの作成方法等の学習を行った後,第1学年の機械工作実習で受講した残りの3テーマを実施する.後期は、7のテーマを行う.またクラスを2班に分け,8と9のテーマを実施する.
○前期実施(以下の内3テーマ)
1. 旋盤:旋盤の基本操作を習得するとともに,技能検定3級課題の加工を行う.
2. 機械仕上げ:シェーパとフライス盤の基本操作を習得するとともに,アルミ材サイコロの製作を行う.
3. 手仕上げ:アルミ材を用いた容器を製作することにより,ヤスリがけ,ボール盤,ねじ切り等の基本的な作業を習得する.
4. 溶接:ガス,アークおよびTIG溶接の基本操作を習得し,溶接部材の強度について理解を深める.
5. 鋳造:鋳物の鍋敷きを製作することにより,鋳型の作製と鋳込みの基本的な作業を習得する.
6. NC加工:NC旋盤やワイヤー放電加工機等を用いたNC加工を行うことにより,NC加工機の言語,構造と原理等を習得する.
○後期実施
7.リモコン操縦小型ロボットの製作
8.3次元CADの基礎と使い方
9.エンジンの分解と組立,電気回路の製作,3次元計測の基礎
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
授業計画における「到達目標」1~6のうち実施した3項目,7~9についての実習報告書の内容により評価する.満点の60%の得点で,目標の達成を確認する.
<学業成績の評価方法および評価基準>
実習報告書の内容を100%(100点)として評価する. 実習報告書の未提出分がある場合には,学年末評価を59点以下とする.
<単位修得要件>
与えられた実習テーマの報告書を全て提出し,学業成績で60点以上を取得すること. 
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
テキストおよび機械工作の教科書で勉強しておくこと.
<レポート等> 
毎週の実習内容を報告書にまとめ提出する.疑問点,参考書で調べた内容を記述する.
<備考>
最初の時間に行う実習に対する安全教育の講義を理解しておくこと.対象が工学全分野にわたるため,積極的な取り組みを期待する.疑問が生じたら直ちに質問すること.本教科は後に学ぶ各種の実習科目の基礎となる教科である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 クラスを6班に分け,それぞれの班が以下の1~6のテーマ中3テーマを実施する. 1.旋盤:旋盤の構造を操作を理解し,技能検定3級レベルの課題の加工ができる.特に,外丸削り等ができる。
2週 1テーマあたりの授業期間は5週とする. 2.機械仕上げ:シェーパやフライス盤を理解できる.また,それらを用いて平面削りや側面削りができ,さらに,アルミ材サイコロの製作ができる.
3週 残りの3テーマについては,第2学年前期に実施する. 3.手仕上げ:ヤスリがけ,ボール盤,ねじ切り,けがき等の基本的な作業ができ,アルミ材を用いた容器を製作することができる.また,ドリルの種類やボール盤の種類についても理解できる.
4週 1. 旋盤:旋盤の構造と基本操作を学習する.さらに,技能検定3級課題の加工を行う.特に,外丸削り,ねじ切り等の作業を行う。 4.溶接:溶接の種類や特徴,溶接棒等について理解できる.簡単なガス,あるいはアーク溶接ができる.
5週 2. 機械仕上げ:シェーパとフライス盤等の構造を学習する.それらを用いた加工(平面削り、側面削り等)を行う.アルミ材サイコロの製作を行う. 5.鋳造:鋳物の鍋敷きを製作することにより,鋳型の作製と鋳込みの基本的な作業ができる.
6週 3. 手仕上げ:アルミ材を用いた容器を製作することにより,ヤスリがけ,ボール盤,ねじ切り,けがき等の基本的な作業を行う.また,ドリルの種類やボール盤の種類についても学習する。 6.NC加工:NC旋盤やワイヤー放電加工機等の特徴や種類や原理、プログラミングの流れを理解することができる。また,与えられた課題に対するNCプログラムを完成させ,そのプログラムを加工機に読み込ませ,実際に加工作業ができる.
7週 4. 溶接:溶接の種類や特徴,溶接棒等について学習する.さらに,ガス,アークおよびTIG溶接の基本操作を学習し,溶接部材の強度について理解を深める.
8週 5. 鋳造:鋳物の鍋敷きを製作することにより,鋳型の作製と鋳込みの基本的な作業を行う.
2ndQ
9週 6. NC加工:NC旋盤やワイヤー放電加工機等の特徴や種類や原理、プログラミングの流れを学習する.また,NC加工を行うことにより,NC加工機においてプログラミングと基本作業を学習する.
10週 各テーマの実施
11週 各テーマの実施
12週 各テーマの実施
13週 各テーマの実施
14週 各テーマの実施
15週 各テーマの実施
16週
後期
3rdQ
1週 リモコン操縦小型ロボットの製作 7.基本的なロボットの構造を理解し、それを応用することができる。
2週 クラスを2班に分け,それぞれの班が以下の二つのテーマを実施する. 8.3次元CADが利用でき、基本的な部品等の設計ができる。
3週 1テーマあたりの授業期間は6週とする. 9.ガソリンエンジンの原理を理解できる。簡単な回路を製作できる。3次元計測を理解できる。
4週 1. 3次元CADの基礎と使い方
5週 2. エンジンの分解と組立、電気回路の製作、3次元計測器の基礎
6週 各テーマの実施
7週 各テーマの実施
8週 各テーマの実施
4thQ
9週 各テーマの実施
10週 各テーマの実施
11週 各テーマの実施
12週 各テーマの実施
13週 各テーマの実施
14週 各テーマの実施
15週 各テーマの実施
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

実習報告書合計
総合評価割合100100
配点100100