物理学の主要分野である古典力学,電気学の基本的な内容を理解し,関連する基本的な計算ができ,与えられた課題に関しては実験を遂行した上で適切にレポートをまとめることができる.
概要:
物理学は工学全般を学ぶ上で最も重要な基礎科目である.物理学の本質を捉えるためには,数学に基づいて論理的に構成された理論の構築と,その実験的検証が必要である.
この授業では,1学年に引き続き高等学校程度の物理学を学ぶ.物理の問題を自分で考えて解く力を養うと同時に,実験において物理学のいくつかのテーマを取り上げ,体験を通して自然界の法則を学ぶことを目的とする.
授業の進め方・方法:
・前後期共に第1週~第15週までの内容はすべて,学習・教育到達目標(B)<基礎>に相当する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>到達目標1~8が習得できたかの評価は定期試験(中間試験1回、期末試験1回),演習課題の評価によって行う.また、定期試験における1~8の重みは概ね同じである.到達目標9と10に関しては,実験状況および実験レポート、スキル評価シートにて評価を行う.学業評価における各到達目標の重みは,1~8を1/2,9と10を1/2(実験状況および実験レポート9割、スキル評価シート1割)とし,これらの総合評価が100点法で60点以上の場合に目標の達成とする.試験問題のレベルは高等学校程度である.
<学業成績の評価方法および評価基準>{前期中間試験及び前期末試験またはそれらに代わる再試験(上限60点,各試験につき1回限り)の結果に演習課題の評価を加味したもの+(実験評価)×2}÷4を学業成績の総合評価とする.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>1年生までに習った物理および数学(とりわけベクトル,三角関数),およびレポート作成に必要な一般的国語能力を必要とする.本授業科目は「物理Ⅰ」の学習が基礎となる授業科目である.
<レポート等>実験に関しては毎回レポートの提出を求める.講義に関しては,演習課題を課す.
<備考>物理においては,これまでに習得した知識・能力を基盤とした上でしか新しい知識・能力は身に付かない.演習課題や実験レポートは確実にこなして,新しい知識・能力を確かなものにすること.本授業科目は後に学習する「物理Ⅲ」の基礎となる科目である.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
運動量、運動量の変化と力積 |
1. 運動量と力積の関係が理解できる.
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2週 |
運動量の保存 |
2. 運動量保存の法則に関する計算ができる.
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3週 |
反発係数 |
2. 運動量保存の法則に関する計算ができる.
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4週 |
円運動 |
3. 円運動に関する計算ができる.
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5週 |
静電気、クーロンの法則 |
4. 静電気力の概念を理解し,関連する計算ができる.
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6週 |
電界 |
5.電界・電位・導体の概念を理解し,関連する計算ができる.
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7週 |
電気力による位置エネルギー、電位 |
5.電界・電位・導体の概念を理解し,関連する計算ができる.
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8週 |
前期中間試験 |
これまでに学習した内容について理解している。
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2ndQ |
9週 |
一様な電界と電位、等電位面、荷電粒子の運動、導体と電界・電位 |
5.電界・電位・導体の概念を理解し,関連する計算ができる.
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10週 |
電気容量、平行板コンデンサー |
6. 電気容量・コンデンサーに関する計算ができる.
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11週 |
コンデンサーに蓄えられるエネルギー、コンデンサーの接続 |
6. 電気容量・コンデンサーに関する計算ができる.
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12週 |
電流 |
7. 電流の概念を理解し,関連する計算ができる.
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13週 |
磁気力と磁界、電流がつくる磁界 |
8.磁気力の概念を理解し,関連する計算ができる.
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14週 |
電流が磁界から受ける力 |
8.磁気力の概念を理解し,関連する計算ができる.
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15週 |
ローレンツ力 |
8.磁気力の概念を理解し,関連する計算ができる.
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
実験のガイダンス(指導書「物理・応用物理実験」を使用) |
9.および10.(後述)
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2週 |
長さ測定の実習 |
9.実験内容を理解し、適切に遂行することができる.
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3週 |
長さ測定のレポート作成 |
10.実験結果を整理・分析し、レポートにまとめることができる.
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4週 |
1.摩擦係数測定 2.向心力 3.直線電流 4.音速測定 5.電子の比電荷(e/m)測定 の実習 |
9.実験内容を理解し、適切に遂行することができる.
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5週 |
1.摩擦係数測定 2.向心力 3.直線電流 4.音速測定 5.電子の比電荷(e/m)測定 のレポート作成 |
10.実験結果を整理・分析し、レポートにまとめることができる.
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6週 |
1.摩擦係数測定 2.向心力 3.直線電流 4.音速測定 5.電子の比電荷(e/m)測定 の実習 |
9.実験内容を理解し、適切に遂行することができる.
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7週 |
1.摩擦係数測定 2.向心力 3.直線電流 4.音速測定 5.電子の比電荷(e/m)測定 のレポート作成 |
10.実験結果を整理・分析し、レポートにまとめることができる.
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8週 |
演習( 高専機構 CBT ) |
これまでに学習した内容について理解している。
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4thQ |
9週 |
1.摩擦係数測定 2.向心力 3.直線電流 4.音速測定 5.電子の比電荷(e/m)測定 の実習 |
9.実験内容を理解し、適切に遂行することができる.
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10週 |
1.摩擦係数測定 2.向心力 3.直線電流 4.音速測定 5.電子の比電荷(e/m)測定 のレポート作成 |
10.実験結果を整理・分析し、レポートにまとめることができる.
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11週 |
1.摩擦係数測定 2.向心力 3.直線電流 4.音速測定 5.電子の比電荷(e/m)測定 の実習 |
9.実験内容を理解し、適切に遂行することができる.
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12週 |
1.摩擦係数測定 2.向心力 3.直線電流 4.音速測定 5.電子の比電荷(e/m)測定 のレポート作成 |
10.実験結果を整理・分析し、レポートにまとめることができる.
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13週 |
1.摩擦係数測定 2.向心力 3.直線電流 4.音速測定 5.電子の比電荷(e/m)測定 の実習 |
9.実験内容を理解し、適切に遂行することができる.
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14週 |
1.摩擦係数測定 2.向心力 3.直線電流 4.音速測定 5.電子の比電荷(e/m)測定 のレポート作成 |
10.実験結果を整理・分析し、レポートにまとめることができる.
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15週 |
まとめ |
これまでに学習した内容について理解している。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | |
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | |
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。 | 3 | |
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。 | 3 | |
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | |
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 | 3 | |
電気 | 導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。 | 3 | |
クーロンの法則が説明できる。 | 3 | |
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。 | 3 | |
電場・電位について説明できる。 | 3 | |
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。 | 3 | |
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。 | 3 | |
ジュール熱や電力を求めることができる。 | 3 | |
物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 3 | |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 3 | |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 3 | |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 3 | |
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |