科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 物理
科目番号 0045 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:4
教科書/教材 教科書:「物理」植松恒夫・酒井啓司・下田正編(啓林館),「物理・応用物理実験」(鈴鹿工業高等専門学校 理科教室編)参考書:「フォローアップドリル物理」(数研出版),「センサー総合物理」(啓林館)
担当教員 丹波 之宏,三浦 陽子

到達目標

物理学の主要分野である古典力学,電気学,波動学の基本的な内容を理解し,関連する基本的な計算ができ,与えられた課題に関しては実験を遂行した上で適切にレポートをまとめることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1古典力学に関する応用的な問題を解くことができる.古典力学に関する基本的な問題を解くことができる.古典力学に関する応用的な問題を解くことができない.
評価項目2電気学に関する応用的な問題を解くことができる.電気学に関する基本的な問題を解くことができる.電気学に関する基本的な問題を解くことができない.
評価項目3波動学に関する応用的な問題を解くことができる.波動学に関する基礎的な問題を解くことができる.波動学に関する基礎的な問題を解くことができない.
評価項目4指示書に従い実験およびレポートの作成を期限内に行うことができる.指示書に従い実験およびレポートの作成を行うことができる.指示書に従い実験およびレポートの作成を行うことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 物理学は工学全般を学ぶ上で最も重要な基礎科目である.物理学の本質を捉えるためには,数学に基づいて論理的に構成された理論の構築と,その実験的検証が必要である.
 この授業では,1学年に引き続き高等学校程度の物理学を学ぶ.物理の問題を自分で考えて解く力を養うと同時に,実験において物理学のいくつかのテーマを取り上げ,体験を通して自然界の法則を学ぶことを目的とする.
授業の進め方・方法:
前後期共に第1週~第15週の内容はすべて,学習・教育目標(B)<基礎>に相当する
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
到達目標1~17が習得できたかの評価は定期試験(中間試験2回,期末試験2回),演習課題の評価によって行う.なお、定期試験における1~17の重みは概ね同じである.到達目標18と19に関しては,実験状況および実験レポートにて評価を行う.学業評価における各到達目標の重みは,1~17を3/4,18と19を1/4とし,これらの総合評価が100点法で60点以上の場合に目標の達成とする.試験問題のレベルは高等学校程度である.

<学業成績の評価方法および評価基準>
{(前期中間・前期末・後期中間またはそれに代わる再試験(上限60点,各試験につき1回限り)の結果+(学年末試験)×1.5+(実験評価)×1.5+(課題の評価)}÷6を学業成績の総合評価とする.

<単位修得要件>
学業成績で60点以上を取得すること.

<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
1年生までに習った物理および数学(とりわけベクトル,三角関数),およびレポート作成に必要な一般的国語能力を必要とする.本教科は1年時の物理の学習が基礎となる教科である.

<レポート等>
実験に関しては毎回レポートの提出を求める.講義に関しては,演習課題を課す.

<備考>
物理においては,これまでに習得した知識・能力を基盤とした上でしか新しい知識・能力は身に付かない.演習課題や実験レポートは確実にこなして,新しい知識・能力を確かなものにすること.本教科は後に学習する「応用物理Ⅰ」の基礎となる科目である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 平面内の運動 1. ベクトルによる速度の概念が理解できる.
2週 落体の運動 2. 放物運動に関する計算ができる.
3週 剛体にはたらく力のモーメント、剛体のつり合い 3. 力のモーメントを理解し,計算ができる.
4週 剛体にはたらく力の合成、偶力 3. 力のモーメントを理解し,計算ができる.
5週 重心、物体が倒れない条件 3. 力のモーメントを理解し,計算ができる.
6週 運動量、運動量の変化と力積 4. 運動量と力積の関係が理解できる.
7週 運動量の保存 5. 運動量保存の法則に関する計算ができる.
8週 前期中間試験 これまでに学習した内容について理解している。
2ndQ
9週 反発係数 5. 運動量保存の法則に関する計算ができる.
10週 円運動 6. 円運動,単振動に関する計算ができる.
11週 慣性力 7. 慣性力の概念が理解できる.
12週 単振動、単振動の変位、速度、加速度、復元力 6. 円運動,単振動に関する計算ができる.
13週 ばね振り子、単振り子、単振動の力学的エネルギー 6. 円運動,単振動に関する計算ができる.
14週 惑星の運動,万有引力 8. 万有引力および重力の概念が理解できる.
15週 重力,人工衛星、万有引力による位置エネルギー,万有引力を受けて運動する物体の運動 8. 万有引力および重力の概念が理解できる.
16週
後期
3rdQ
1週 実験のガイダンス(指導書「物理・応用物理実験」を使用) / 教科書「物理基礎」を使用して、波の伝わり方 / 11.波長,縦波・横波,定常波など,波に関する基礎が理解できる.
2週 長さ測定の実習 / 波の性質 18.実験内容を理解し、適切に遂行することができる./ 11.波長,縦波・横波,定常波など,波に関する基礎が理解できる.
3週 長さ測定のレポート作成 / 音波 19.実験結果を整理・分析し、レポートにまとめることができる./ 14.音波および音源の振動に関する基礎が理解できる.
4週 1.摩擦係数測定 
2.向心力 
3.単振動 
4.音速測定 の実習 / 音源の振動
18.実験内容を理解し、適切に遂行することができる./ 14.音波および音源の振動に関する基礎が理解できる.
5週 1.摩擦係数測定 
2.向心力 
3.単振動 
4.音速測定 のレポート作成 / 以下は教科書「物理」を使用.正弦波を表す式
19.実験結果を整理・分析し、レポートにまとめることができる./ 11.波長,縦波・横波,定常波など,波に関する基礎が理解できる.
6週 1.摩擦係数測定 
2.向心力 
3.単振動 
4.音速測定 の実習 / 波の干渉と回折
18.実験内容を理解し、適切に遂行することができる./ 12.波(音,光を含む)の反射と屈折について理解できる.
7週 1.摩擦係数測定 2.向心力 3.単振動 4.音速測定 のレポート作成 / 音波の干渉とうなり 19.実験結果を整理・分析し、レポートにまとめることができる./ 13.波(音,光を含む)の干渉と回折について理解できる.
8週 後期中間試験 これまでに学習した内容について理解している。
4thQ
9週 1.摩擦係数測定 
2.向心力 
3.単振動 
4.音速測定 の実習 / ドップラー効果
18.実験内容を理解し、適切に遂行することができる./ 15.ドップラー効果を理解し,関連する計算ができる.
10週 1.摩擦係数測定 
2.向心力 
3.単振動 
4.音速測定 のレポート作成 / 光の進み方
19.実験結果を整理・分析し、レポートにまとめることができる./ 16.色,散乱など,光に関する基礎を理解している.
11週 1.摩擦係数測定 
2.向心力 
3.単振動 
4.音速測定 の実習 / 光の性質
18.実験内容を理解し、適切に遂行することができる./ 16.色,散乱など,光に関する基礎を理解している.
12週 1.摩擦係数測定 
2.向心力 
3.単振動 
4.音速測定 のレポート作成 / 凸レンズと凹レンズ
19.実験結果を整理・分析し、レポートにまとめることができる./ 17.レンズの像の機構を理解し,簡単な作図ができる.
13週 以下は「物理」の教科書を中心に学ぶ.静電気,クーロンの法則 / 凸面鏡と凹面鏡 9. 電界の概念を理解し,電気力に関する計算ができる./ 17.レンズの像の機構を理解し,簡単な作図ができる.
14週 電界,点電荷の周りの電界,電気力線 / ヤングの実験,回折格子 9. 電界の概念を理解し,電気力に関する計算ができる./ 13.波(音,光を含む)の干渉と回折について理解できる.
15週 電位 / 薄膜による干渉とニュートンリング 10. 電位の概念を理解し,関連する計算ができる./ 13.波(音,光を含む)の干渉と回折について理解できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3
ホイヘンスの原理について説明できる。3
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3
自然光と偏光の違いについて説明できる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3
物理実験物理実験力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3

評価割合

試験実験相互評価態度発表その他合計
総合評価割合75250000100
配点75250000100