情報処理応用

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 情報処理応用
科目番号 0047 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「Cによる数値計算法入門」堀之内 総一,酒井 幸吉,榎園 茂(森北出版)参考書:「数値計算入門」森本義広 (啓学出版)
担当教員 正木 彰伍

到達目標

数値解析に関する基礎理論を理解し,数々の数値解析テクニックを習得し,具体的な物理現象の解析に応用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1さまざまな物理現象が方程式を用いてモデル化可能であると同時に,全ての現象が完全にモデル化できる訳ではないことを理解している.方程式,その解の意味を理解している.方程式,その解の意味を理解していない.
評価項目2基礎的な物理現象をモデル化してその解を二分法,ニュートン法により求めることができる.二分法,ニュートン法による数値解析的手法で方程式の解を求めることができる.二分法,ニュートン法のアルゴリズムを理解できない.
評価項目3一次連立方程式を行列形式で表し,ガウス・ジョルダン法で解を求めると共に,逆行列も求められることを理解している.一次連立方程式を行列形式で表し,ガウス・ジョルダン法で解を求められる.一次連立方程式を行列形式で表し,ガウス・ジョルダン法で解を求められない.
評価項目4与えられた方程式とデータに対して最小二乗法を適用して方程式のパラメーターを推定できる.最小二乗法による方程式のパラメーター推定の方法を理解している.最小二乗法による方程式のパラメーター推定の方法を理解していない.
評価項目5与えられた方程式に対して定積分を数値解析的に求められる.与えられた方程式に対して定積分を数値解析的に求める方法を理解している.与えられた方程式に対して定積分を数値解析的に求める方法を理解していない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械系エンジニアにとって,対象の数式モデル化とデータ解析は非常に重要な能力である.近年はコンピュータの能力向上に伴い,数値解析手法は身近な問題解決手段の一つとなった.反面,パッケージ化された解析ソフトウェアの結果を正しく活用するには数値解析の原理と限界について熟知している必要がある.本授業では数値解析の考え方と基礎技術を理論と演習を通して習得する.
授業の進め方・方法:
・第1週の内容は,学習・教育到達目標(A)<視野><技術者倫理>に対応する.
・第2週から第15週までの内容はすべて,学習・教育到達目標(B)<基礎>に対応する.
・授業は講義・演習形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
「到達目標」1~10の確認を演習課題(プログラム作成)および中間試験,期末試験で行う.1~10に関する重みは同じである.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>
前期中間,前期末試験の2回の試験の平均点を全体評価の70%とする.残りの30%については提出された演習課題プログラムにより評価する.中間試験の時点で学業成績が平均点の半分以上かつ60点未満の場合は,再試験を受けることができるが,評価は60点が上限となる.
<単位修得要件>
学業成績の評価方法によって,学業成績で60点以上を取得すること. 
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
本教科は「情報処理Ⅰ/Ⅱ」の学習が基礎となる教科である.特に第2学年で学んだプログラミングの基礎を理解できていること.
<レポート等>
授業中に解説したアルゴリズムの確認として,演習課題プログラムを作成し,動作を確認の上,提出する.
<備考>プログラミング言語はProcessingを用いる.講義資料の提供および課題の提出はMoodleで行う.なお,本教科は後に学習する「計算機援用工学」,「情報学基礎論(専攻科)」,「卒業研究」の基礎となる教科である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 数値解析の原理と適用可能な領域と限界について 1.プログラミングでどのような問題が解決でき,どのような問題は解決できないかを理解している.
2.解決する問題の種類によってツール(表計算ソフトウェアを用いるか,プログラミング言語を用いるか)を選択できる.
2週 プログラミング基礎(変数,四則演算) 上記1,2
3週 プログラミング基礎(for,if,配列) 上記1,2
4週 方程式の近似解(二分法,ニュートン法) 3.二分法,ニュートン法のアルゴリズムを理解し,与えられた方程式の近似解を求めるプログラムを完成できる.
5週 プログラミング演習(方程式の近似解) 上記3
6週 連立1次方程式の解法(1)行列の基本的な計算 4.連立一次方程式を行列で表現できる.
7週 プログラミング演習(行列の基本的な計算) 5.行列の基本的な演算のプログラムを完成できる.
8週 中間試験 上記1から7
2ndQ
9週 連立1次方程式の解法(2)ガウス・ジョルダン法 6.掃き出し法を用いて連立一次方程式の解を得られる.
10週 プログラミング演習(ガウス・ジョルダン法) 7.ガウス・ジョルダン法を用いて逆行列を求めるプログラムを完成できる.
11週 曲線のあてはめ(最小二乗法)の意味 8.最小二乗法により連立方程式の係数推定ができる.
12週 曲線のあてはめ(最小二乗法)の原理 上記8
13週 プログラミング演習(最小二乗法) 9.表計算ソフトウェアの計算式を駆使して最小二乗法による連立方程式の係数推定ができる.
14週 数値積分(台形公式) 10.台形公式のアルゴリズムを理解し,定積分の数値解を求められる.
15週 プログラミング演習(数値積分) 上記10
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野情報処理プログラムを実行するための手順を理解し、操作できる。4
算術演算および比較演算のプログラムを作成できる。4
データを入力し、結果を出力するプログラムを作成できる。4
条件判断プログラムを作成できる。4
繰り返し処理プログラムを作成できる。4
一次元配列を使ったプログラムを作成できる。4

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
配点7030100