機械運動学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 機械運動学
科目番号 0070 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「詳解 工業力学」 入江敏博(理工学社)参考書:工業力学の参考書は,図書館に数多く所蔵されている.
担当教員 白木原 香織,陳 妍

到達目標

静力学と動力学の概念を理解し,平面内に働く力と,それによって生じる運動おける基礎知識を習得することによって,身の回りの機械工学に関する基礎力学的問題を解くことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1剛体に働く力の合成とつりあいを理解し,支点に働く反力やトラス構造に関する応用的な問題を解くことができる.剛体に働く力の合成とつりあいを理解し,支点に働く反力やトラス構造に関する基本的な問題を解くことができる.剛体に働く力の合成とつりあいを理解し,支点に働く反力やトラス構造に関する基本的な問題を解くことができない.
評価項目2平板や立体の重心の概念を理解し,物体へ加わる分布力や部材強度に関する応用的な問題を解くことができる.平板や立体の重心の概念を理解し,物体へ加わる分布力や部材強度に関する基本的な問題を解くことができる.平板や立体の重心の概念を理解し,物体へ加わる分布力や部材強度に関する基本的な問題を解くことができない.
評価項目3ニュートンの運動の法則により応用問題が解けるニュートンの運動の法則により基本問題が解けるニュートンの運動の法則により基本問題が解けない
評価項目4剛体の運動,運動量,力積,エネルギに関する応用 問題が解ける剛体の運動,運動量,力積,エネルギに関する基本問題が解ける剛体の運動,運動量,力積,エネルギに関する基本問題が解けない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械運動学は,物体の運動とそれをもたらす力の関係を物理学や数学を用いて表現する学問である.基本的な力学の考え方を理解した上で,種々の工業力学に関する問題を自力で解くことができるようにする.
授業の進め方・方法:
・すべて学習・教育目標(B)<専門>に対応する.
・授業は講義形式で行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
「到達目標」1~20の確認を2回の中間試験,2回の定期試験およびレポートで出題し,目標の達成度を評価する.達成度評価における各「到達目標」の重みは同じである.合計点の60
%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>
課せられた演習問題についてはレポートとして提出する.
前期中間および前期末は試験結果のみで評価し,前期末評価は前期中間試験と前期末試験の平均とする.後期評価は,後期中間,学年末の2回の試験の平均点を90 %以上,レポートの評価を10 %以下として合計し,学年末において,前期末評価と後期評価を平均して最終評価とする.前期中間・後期中間のそれぞれの評価で60点に達していない学生については再試験を行う場合があるが,実施する場合,再試験の成績が該当する期間の成績を上回った際には,60点を上限(レポートとの合計点)としてそれぞれの期間の成績を再試験の成績で置き換えるものとする.2回の期末試験については再試験を行わない.
<単位修得要件>
学業成績の評価方法によって,学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
本教科の学習には,物理学の力学的基礎知識,初等関数の微分積分,線形代数で学んだベクトルの基礎演算を十分理解していることが必要である.
<備考>
数式としてのみの理解ではなく,背景にある現象および物理的意味を充分に理解することが重要である.本教科は後に学習する機械力学,制御工学の基礎となる教科である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 質点に働く力の合成と分解 1. 力,長さ,時間などの基本的物理量をSI単位で表記できる.
2. 質点に働く力の合成と分解により外力を計算できる.
2週 質点に働く力のつりあい・練習問題の解答と解説 上記1,2
3週 剛体に働く力とモーメント 3.剛体に働く力の合成とつりあいを理解し計算できる.
4週 支点と反力 4.支点に働く反力を理解し計算できる.
5週 トラス構造1(節点法と切断法) 5.トラス構造を理解し,部材に働く力を計算できる.
6週 トラス構造2(図式解法) 上記5
7週 前期中間試験範囲の演習および解説 上記1~5
8週 前期中間試験 上記1~5
2ndQ
9週 前期中間試験の解説および重心算出の基本概念 上記1~5(試験解説)
6.物体の重心が計算できる.
10週 物体の重心(平板の重心) 上記6
11週 物体の重心(立体の重心) 上記6
12週 物体の重心・練習問題の解答と解説 上記6
13週 重心のはりへの応用 7.平板や立体の重心が計算でき,つりあいへ応用できる.
14週 物体へ加わる分布力 8.物体へ加わる分布力を理解し,変形問題や強度問題へ応用できる.
15週 前期末試験範囲の演習および解説 上記6~8
16週
後期
3rdQ
1週 変位, 速度,加速度の概念と等加速度運動 9.直線運動に対して変位,速度と加速度の関係を理解し計算できる.
2週 質点の運動(放物運動,円運動など) 10.曲線運動に対して変位,速度と加速度の関係を理解し計算できる.
3週 ニュートンの運動の法則・運動方程式 11.ニュートンの運動方程式を理解して解くことができる.
4週 ダランベールの原理,相対運動 12.相対運動および相対速度の概念を理解して計算できる.
物体の運動をダランベールの原理で表すことができる
5週 求心力と遠心力 13.円運動が理解できる.
6週 剛体の運動と慣性モーメント 14.剛体の運動に関する簡単な計算ができる.
7週 練習問題の解答と解説 上記9~14
8週 後期中間試験 上記9~14
4thQ
9週 中間試験の解説および復習 上記9~14
10週 摩擦現象の応用 15.摩擦現象を伴う運動が解析できる.
11週 運動量と力積 16.運動量と力積の概念を理解することができる.
12週 運動量保存の法則 17.運動量保存の法則に関する計算ができる.
13週 仕事と運動エネルギー 18.仕事ならびに運動エネルギーに関する計算ができる.
14週 保存力と位置エネルギー 19.保存力ならびに位置エネルギーに関する計算ができる.
15週 力学的エネルギー保存の法則 20.力学的エネルギー保存の法則に関する計算ができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。3
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。3
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。3
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。3
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。3
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。3
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4
仕事の意味を理解し、計算できる。4
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。4
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4
動力の意味を理解し、計算できる。4
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。3
応力とひずみを説明できる。3
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。3
許容応力と安全率を説明できる。3
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。3

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合9550000100
配点9550000100