到達目標
静力学と動力学の概念を理解し,平面内に働く力と,それによって生じる運動おける基礎知識を習得することによって,身の回りの機械工学に関する基礎力学的問題を解くことができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 平板や立体の重心の概念を理解し,物体へ加わる分布力や部材強度に関する応用的な問題を解くことができる. | 平板や立体の重心の概念を理解し,物体へ加わる分布力や部材強度に関する基本的な問題を解くことができる. | 平板や立体の重心の概念を理解し,物体へ加わる分布力や部材強度に関する基本的な問題を解くことができない. |
評価項目2 | 質点の運動を理解し,応用問題を解くことができる. | 質点の運動を理解し,基本問題を解くことができる. | 質点の運動に関する基本問題を解くことができない. |
評価項目3 | 剛体の運動,運動量,力積,エネルギに関する応用を解くことができる. | 剛体の運動,運動量,力積,エネルギに関する基本問題を解くことができる. | 剛体の運動,運動量,力積,エネルギに関する基本問題を解くことができない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
機械運動学は,物体の運動とそれをもたらす力の関係を物理学や数学を用いて表現する学問である.基本的な力学の考え方を理解した上で,種々の工業力学に関する問題を自力で解くことができるようにする.
授業の進め方・方法:
・すべて学習・教育目標(B)<専門>に対応する.
・授業は講義形式で行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
「到達目標」1~11の確認を中間試験および定期試験とそれぞれの試験範囲で課す課題によって,目標の達成度を評価する.課題・試験における合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>
前期中間:課題(40%)と前期中間試験(60%),前期末:課題(40%)と前期末試験(60%)で各範囲を評価し,それらの平均を前期末評価とする.
なお,前期中間および前期末範囲の評価点(課題を加味した評価)が60点に達しない学生については再試験を実施し,各試験結果を上回った場合には,評価点の上限を60点として再評価する.ただし,ここでの再試験は前期中間および前期末試験に対するものであり,課題提出による点数の変更は行わない.
注意:課題については,提出用シートを用いて指定された期日までに提出すること(期日後に提出した場合には,その課題評価は「0点」となる).
<単位修得要件>
すべての課題を提出し,学業成績の評価方法によって,60点以上の評価を受けること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
本教科の学習には,物理学の力学的基礎知識,初等関数の微分積分,線形代数で学んだベクトルの基礎演算の理解,および機械運動学Ⅰの習得が必要である.
<レポート等>
理解度を把握するため,学習用の課題を与える.
<備考>
数式としてのみの理解ではなく,背景にある現象および物理的意味を充分に理解することが重要である.本教科は後に学習する機械力学,制御工学の基礎となる教科である.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
支点と反力およびトラス構造 |
1.支点に働く反力を理解し計算できる. 2.トラス構造を理解し,部材に働く力を計算できる.
|
2週 |
重心算出の基本概念 |
3.物体の重心が計算できる.
|
3週 |
物体の重心(平板の重心) |
上記3
|
4週 |
物体の重心(立体の重心) |
上記3
|
5週 |
物体の重心・練習問題の解答と解説 |
上記3
|
6週 |
重心のはりへの応用 |
4.平板や立体の重心が計算でき,つりあいへ応用できる.
|
7週 |
物体へ加わる分布力 |
5.物体へ加わる分布力を理解し,変形問題や強度問題へ応用できる.
|
8週 |
前期中間試験 |
上記1~5
|
2ndQ |
9週 |
前期中間試験の解説および変位, 速度,加速度の概念 |
上記1~5(試験解説) 6.直線運動に対して変位,速度と加速度の関係を理解し計算できる.
|
10週 |
質点の運動1(曲線運動,放物運動,円運動,相対運動) |
7.各種運動に対して変位,速度と加速度の関係を理解し計算できる.
|
11週 |
質点の運動2(曲線運動,放物運動,円運動,相対運動) |
上記7
|
12週 |
剛体の運動と慣性モーメント |
8.剛体の運動に関する簡単な計算ができる.
|
13週 |
仕事とエネルギー1 |
9.仕事,エネルギーおよび動力に関する計算ができる.
|
14週 |
仕事とエネルギー2 |
上記9
|
15週 |
運動量と力積 |
10.運動量と力積の概念を理解し,運動量保存の法則に関する計算ができる.
|
16週 |
衝突 |
11.衝突現象に伴う運動が計算できる.
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。 | 3 | |
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。 | 3 | |
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。 | 3 | |
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。 | 3 | |
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。 | 4 | |
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。 | 4 | |
仕事の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。 | 4 | |
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。 | 4 | |
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。 | 4 | |
動力の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
運動量および運動量保存の法則を説明できる。 | 4 | |
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。 | 4 | |
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 課題 | | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 0 | 100 |
評価 | 60 | 40 | 0 | 100 |