数学特講Ⅰ

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 数学特講Ⅰ
科目番号 0083 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:ミニマム線型代数(コロナ社)
参考書:キャンパスゼミ 線形代数(マセマ出版)、極めるシリーズ 線形代数(森北出版)、大学編入試問題 徹底演習(森北出版)
担当教員 菊池 翔太

到達目標

ベクトル,行列,行列式,連立1次方程式,固有値・固有ベクトル等の復習やベクトル空間・線形写像などの抽象的だが重要な概念や発展的な内容を学び,大学編入学試験にも対応できる学力を養う.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ガウスの消去法,行列式の「定義」とその性質を理解し, 発展的な問題で適切に計算・応用することができる. ガウスの消去法,行列式の「定義」とその性質を理解し, 基本的な問題で適切に計算・応用することができる. ガウスの消去法,行列式の「定義」およびその性質を理解しておらず, 基本的な問題でも計算することができない.
評価項目2ベクトル空間および線形写像の概念と考え方を理解し, 発展的な問題で適切に計算・応用することができる. ベクトル空間および線形写像の概念と考え方を理解し, 基本的な問題で適切に計算・応用することができる. ベクトル空間および線形写像の概念と考え方を理解しておらず, 基本的な問題でも適切に計算することができない. 
評価項目3固有値と固有ベクトルの「定義」およびその性質・行列の対角化との関連を理解し, 発展的な問題で適切に計算・応用することができる. 固有値・固有ベクトルの「定義」およびその性質・行列の対角化との関連を理解し, 基本的な問題で適切に計算・応用することができる. 固有値・固有ベクトルの「定義」およびその性質を理解しておらず, 基本的な問題でも計算することができない. 

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
工学において重要な概念である線形代数について学習する.行列の取り扱い方などの基礎事項の復習に加えて発展的な内容も学び,大学編入学試験にも対応できる学力を養う.また,ベクトル空間・線形写像など抽象的だが重要な概念に慣れ,理解することを目標とする.
授業の進め方・方法:
すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<基礎>に対応する.
「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で修得する「知識・能力」に相当するものとする.
資料(プリント)の配布,小テストなどはmoodle,Teamsを利用して行うこともある.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準> 下記授業計画の「到達目標」の習得の度合を中間試験,期末試験及び小テストにより評価する.各項目の重みは概ね授業時間に比例する.評価結果において,100点法で60点以上の成績を取得したとき目標を達成したとする.
<学業成績の評価方法および評価基準> 中間・期末の各試験の平均点を70%,課題および小テストの成績を30%として,それぞれの期間毎に評価し,これらの平均値を最終評価とする.なお再試験は実施しない.
<単位修得要件> 学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲> 線形代数Ⅰ・Ⅱで学習した全ての内容の修得が必要である.
<課題・小テスト> 毎回の授業で理解度を確認するための小テスト(または課題)を課す.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 行列の基本事項,逆行列,転置行列 1. 行列に関する基本的な計算ができる.また,逆行列や転置行列を求めることができる.
2週 行列の基本変形,ランク標準形,それらの応用 2. 行列の基本変形の計算ができる.また,それらを用いて行列のランクを求めることができる.
3週 行列式の定義,幾つかの基本性質 3. 行列式の定義を理解し,またその諸性質も理解し,計算ができる.
4週 行列式の余因子展開,その応用 4. 行列の余因子と余因子行列を理解し、具体的な計算に利用できる.
5週 線形空間,線形部分空間 5. 線形空間,線形部分空間の定義を理解し,具体的な例を考えることができる.
6週 生成元,一次独立,基底,次元 6. 線形空間の具体的な例で基底や次元を求められる.
7週 これまでのまとめ 上記1.~6.
8週 中間試験 上記1.~6.
2ndQ
9週 線形写像,表現行列 7. 線形写像の定義と意味を理解し,線形写像の表現行列を求めることができる.
10週 線形写像の核(Kernel)と像(Image)とランク 8. 線形写像に対して,その核空間(Kernel)と像空間(Image)の次元と基底を求めることができる.
11週 正方行列の固有値と固有ベクトル,固有ベクトル空間,固有多項式 9. 正方行列の固有値と固有ベクトル,固有ベクトル空間,固有多項式の定義を理解し,簡単な例で計算ができる.
12週 行列の対角化と対角化可能条件 10. 行列の対角化の仕組みを理解し,具体的な計算ができる.
13週 対称行列の対角化 11. 対称行列の直交行列による対角化の計算ができる.
14週 2次形式と2次曲線・2次曲面 12. 固有値・固有ベクトルを2次曲線・2次曲面へ応用して概形が描ける.
15週 これまでのまとめ 上記7.~12.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3

評価割合

定期試験課題・小テスト合計
総合評価割合7030100
配点7030100