計算機援用工学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 計算機援用工学
科目番号 0090 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:なし(プリント),参考書:「マトリックス有限要素法」O.C.Zienkiewicz/Y.K.Cheung著,吉識 雅夫監訳(培風館)他
担当教員 末次 正寛,陳 妍

到達目標

トラス構造物・平面問題を例として,有限要素法の概略と解析の流れを理解し,ソフトを用いて実際の構造解析を行い最適化手法の考え方を習得できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1有限要素法の現状と適用例を理解し,実際の問題へ応用できる.有限要素法の現状と適用例を理解している.有限要素法の現状と適用例を理解していない.
評価項目2トラス構造解析における解析手順を理解し,応用問題へ適用できる.トラス構造解析における解析手順を理解している.トラス構造解析における解析手順を理解していない.
評価項目3ソフトウェアを用いて,複雑なトラス構造解析ができる.ソフトウェアを用いてトラス構造解析ができる.ソフトウェアを用いてトラス構造解析ができない.
評価項目4二次元弾性構造解析における解析手順を理解し,応用問題へ適用できる.二次元弾性構造解析における解析手順を理解している.二次元弾性構造解析における解析手順を理解していない.
評価項目5ソフトウェアを用いて,複雑な二次元弾性構造解析ができる.ソフトウェアを用いて二次元弾性構造解析ができる.ソフトウェアを用いて二次元弾性構造解析ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
コンピュータの急速な発展に伴って,数値解析手法の技術が進歩し,数値実験(シミュレーション)が可能となった.材料力学の分野で,構造物の強度と変形の解析を行う数値計算手法として確立された「有限要素法」の概要を学習し,本手法のパソコン用ソフトを使用して演習を体験し,工学問題の数値解析法の一端を学習する.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<基礎>[JABEE 基準1(2)(c)]に対応する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする。
注意点:
<到達目標の評価方法と基準> 
「授業計画に示す到達目標」1~12の確認を課題レポート,中間試験,期末試験で行う.1~12に関する重みは同じである.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>
課題レポートの内容を30%,試験結果を70%として評価する.再試験は実施しない.
<単位修得要件>
課題を全て提出し,学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
数学での微分積分,微分方程式,マトリックス演算.機械運動学でのトラス解析.材料力学全般.本教科は情報処理応用の学習が基礎となる教科である.
<自己学習>
授業で保証する学習時間のほか,予習・復習(中間試験,定期試験のための学習も含む)及びレポート作成に要する学習時間が必要となる.
<備考>
演習は提供するパソコンソフトをブラックボックスとして利用する.入出力のマニュアルと例題を参考にして学習すること.平素の演習結果をレポートとして提出して成果を積み重ねること.本教科は後に学習するデータベース論(専攻科)の基礎となる教科である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 有限要素法の現状と適用例の概説 1. 有限要素法の現状と適用例を理解できる.
2週 トラス構造解析に対する有限要素法の適用の解説 2. トラス構造解析で平衡方程式と変位の適合条件式を記述でき,部材座標系の導入と座標変換が理解できる.
3週 トラス構造の各部材座標系における力と変位の解析原理の解説と剛性マトリックスの誘導 3. トラス構造解析で変位関数を定義し,応力とひずみを変位で表すことができる.
4週 トラス構造解析に対する有限要素法の応力とひずみの誘導,仮想仕事の原理による変位決定方程式について 4. トラス構造解析で力のつり合いか仮想仕事の原理を用いて変位決定式を誘導できる.
5週 有限要素法によるパソコン用トラス構造解析ソフトの使用法の解説と計算演習 5. ブラックボックスとしての本ソフトを用いてトラスの有限要素法解析ができる
6週 同上の解析ソフトを使用して構造の最適設計の演習 6. 本ソフトを用いてトラス構造物の最適設計に利用できる.
7週 同上の解析ソフトを使用して構造の最適設計の演習 上記 6
8週 中間試験 上記1〜6
4thQ
9週 平面問題の理論的解析の基礎1(平衡方程式・変位の適合条件) 7. 二次元弾性問題における応力とひずみを定義し,微少要素の平衡方程式と変位の適合条件式が理解できる.
10週 平面問題の理論的解析の基礎2(Airyの応力関数による偏微分方程式と解法) 8. 二次元弾性問題でAiryの応力関数を用いた平面弾性基礎式を理解し,実際の問題へ適用できる.
11週 平面問題に対する有限要素法の適用法(変位・ひずみ・応力・仮想仕事の原理による剛性マトリックスの誘導) 9. 有限要素法による二次元弾性問題の解析で三角形要素内の変位関数を定義し,応力とひずみを変位で表すことができる.仮想仕事の原理より剛性マトリックスを導出できる.
12週 有限要素法によるパソコン用二次元弾性問題解析ソフトを使用しての演習 10. ブラックボックスとしての本ソフトを用いて二次元弾性問題の有限要素法解析ができる.
13週 同上の解析ソフトを使用して応力集中問題の演習 11. 本ソフトを用いて二次元弾性問題(応力集中問題)の有限要素法解析ができる.
14週 同上の解析ソフトを使用して応力集中問題の演習 12. 本ソフトを用いて応力集中を有する平板の応力解析ができ,応力拡散の工夫ができる.
15週 同上の解析ソフトを使用して応力集中問題の演習 上記 12
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合70300000100
配点70300000100