機械工学に関する代表的な装置・計測機器の取り扱い方や実験手法を理解しており,データの正確な解析,工学的考察ができ,さらに,得られた結果を論理的にまとめ,報告することができる.
概要:
機械工学の全分野を網羅した実験テーマにより,講義によって得た個々の知識を実理においてより深いものとすることを目指す.各種装置・計測機器の取り扱い方,実験結果の整理・結果の表示・文献調査・考察・討論という過程からなる実験報告書の作り方を習得する.すなわち,データを正確に解析し,工学的に考察し,かつ説明・説得するための基礎能力を身に付ける.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は,学習・教育到達目標 (B) <専門>,JABEE基準1(2)(d)(2)a) および(B)<展開>,JABEE基準1(2)(d)(2)b)に対応する.
・本授業は始めの30分間を用いて,前回の報告書をチェック(口頭試問含む)した後,実験を行う形式である.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
「到達目標」1~13の確認は,報告書の内容および口頭試問の結果により評価する.達成度評価における「到達目標」の重みは均等とする.満点の60%の得点で,目標の達成を評価する.
<学業成績の評価方法および評価基準>
成績は,各テーマの報告書を100点満点で採点し,その平均点で評価する.
<単位修得要件>
各テーマに対応する報告書をすべて提出し,学業成績で60点以上の評価を受けること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
本科目には,各専門分野に関する基礎的知識,計測工学の基礎および統計学の基礎が必要となる.
<自己学習>
授業で保証する学習時間と,報告書作成に必要な標準的な学習時間の総計が 90 時間に相当する学習内容である.報告書は,実験開始30分間を用いて,担当教員がチェック(口頭試問含む)をするため,各人はそれまでに報告書を仕上げる.
<備考>
実験は6グループに分けて行うので,授業計画に示した各週に行うテーマは1グループのみの例である.他のグループは順に異なる実験テーマを行うことになる.また,各実験の報告書については,翌週の実験開始30分間を用いて,担当教員がチェック(口頭試問含む)をする.なお,本教科は,卒業研究および専攻科での特別研究・総合イノベーション工学実験に強く関連する教科である.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
実施方針と注意事項の説明 |
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2週 |
パソコンによる実験データ解析演習 |
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3週 |
ねじり強さの測定 |
1.軸のねじりに関する理論を理解し,材料の横弾性係数やせん断強度,破壊エネルギーを測定することができる.
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4週 |
振動モード解析 |
2.実験および数値モード解析を行って,平板の固有振動数,振動の型を求めることができ,固有振動数,振動の型が材質・寸法や支持方法によってどのように変化するかを説明できる.
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5週 |
はりの振動特性 |
3.片持ち弾性はりの共振について理解し,固有振動数,ヤング率,等価質量,共振曲線等を求めることができる.
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6週 |
数値解析による実験結果の検証 |
4.ガウスの消去法による連立一次方程式の解法,フーリエ級数展開による境界条件を表示できる.
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7週 |
周波数特性評価 |
5.増幅回路やフィードバック制御の仕組みを理解でき,それらの周波数特性が評価できる.
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8週 |
デジタル制御とその性能評価 |
6.マイコンの仕組みを理解でき、マイコンを用いた制御系の性能評価ができる.
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2ndQ |
9週 |
熱伝導に関する実験 |
7.伝熱の形態について説明でき,熱伝導および熱伝達による放熱量を求めることができる.
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10週 |
圧縮性流体の流量測定(絞り部の違いについて) |
8.オリフィスの構造と特徴が説明でき,各種絞り機構に対する流量係数の変化について理解している.
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11週 |
疲労強度の測定 |
9.鉄鋼材料の疲労試験を理解し,金属の疲労強度が評価できる.
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12週 |
鉄鋼材料の疲労き裂進展特性評価 |
10.応力拡大係数を理解し,材料の疲労き裂進展特性が評価できる.
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13週 |
光弾性実験法による応力集中係数の測定 |
11.応力集中の現象を理解し,応力集中係数が計算できる.
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14週 |
光弾性実験法を用いたはりの曲げによる応力の測定 |
12.はりの曲げにより生じる応力分布を解析し,材料力学で学んだ近似式と比較検討できる.
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15週 |
報告書の作成 |
13.得られた結果を論理的にまとめ,報告することができる.
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 機械系分野【実験・実習能力】 | 機械系【実験実習】 | 実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。 | 4 | |
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。 | 4 | |
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。 | 4 | |
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。 | 4 | |
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。 | 4 | |