確率・統計

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 確率・統計
科目番号 0093 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「新 確率統計」新井一道(大日本図書)参考書:「統計学入門」東京大学教養学部統計学教室編(東京大学出版会)
担当教員 江澤 樹

到達目標

確率・統計に関する基礎理論を理解し,資料の整理・統計的推定・検定に必要な知識を習得し,実験データ等の解析・分析に応用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1確率の定義や条件付き確率,確率の乗法定理を理解し計算ができ,背後にある標本空間(確率空間)の構造についても説明ができる.確率の定義や条件付き確率,確率の乗法定理を理解し計算ができる.確率の計算ができない.
評価項目2確率変数の概念を良く理解し,やや発展的な問題も解くことができる.確率変数に関する基本的な問題が解ける.確率変数に関する基本的な問題が解けない.
評価項目3統計学の数学的構造(概念の定式化の仕方や簡単な証明など)を理解した上で,資料の整理,統計的推定,検定の問題が解ける.資料の整理,統計的推定,検定の基本的な問題が解ける.資料の整理,統計的推定,検定の基本的な問題が解けない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
確率・統計学は,情報化社会といわれる今日において各方面で意思決定のために用いられている学問である.応用数学Ⅲでは,確率・統計学の基礎的な項目について学習し,データの整理・分析・推測に関する理論を習得する.
授業の進め方・方法:
・授業の内容はすべて,学習・教育到達目標(B)<専門>,学習・教育到達目標(B)<基礎>〔JABEE基準1(2)(c)〕に相当する..
・授業は講義形式で行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
 確率・統計に関する「到達目標」1~11の確認を中間試験,期末試験で行う.1~11に関する重みは,1,8,9:10%,2~5:40%,6,7:20%,10,11:30%である.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>
前期中間試験と前期末試験の平均点で評価する.ただし前期中間試験において60点に達していない学生に対し,レポート・補講を課した後の再試験を実施する場合がある.その場合,再試験により前期中間試験の成績を上回った場合には60点を上限として前期中間試験の成績を再試験の成績で置き換えて評価する.前期末試験については再試験を行わない.
<単位修得要件>
学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
 本教科は数学の学習が基礎となる教科である.数学の基礎は十分に理解している必要がある.
<自己学習> 
授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験のための学習も含む)に必要な標準的な学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である.
<備考>  
本教科は後に学習する数理解析学,信頼性工学(専攻科)と強く関連する教科である.公式の暗記ではなく,その意味・考え方をきちんと理解することが重要である.特に統計分野では,関数電卓だけでなく表計算ソフトや統計用プログラミング言語を積極的に活用して自己学習を進めることを強く推奨する.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 場合の数(順列,組合せ) 1.  n個のものからr個をとる場合の数(順列,組合せ)を計算できる.
2週 確率の計算 上記1
2.  事象(全事象,和事象,積事象,空事象,余事象)の意味と関係を理解し,確率を計算することができる.
3週 条件付き確率,独立事象 3.  確率の基本的性質を理解し,条件付き確率を計算することができる.
4週 確率変数と確率分布:平均,分散,標準偏差 4.  確率分布から平均,分散,標準偏差を求めることができる.
5週 二項分布 5.二項分布を理解し,その平均・分散を計算することができる.
6週 連続型確率分布 6.正規分布など,統計で用いられる代表的な確率分布について理解している.
7週 正規分布 上記5,6
8週 前期中間試験 上記1~6
2ndQ
9週 資料の整理(一次元のデータ) 7.資料から平均・中央値・モード・分散・標準偏差を求めることができる.
10週 資料の整理(二次元のデータ) 8.資料から共分散・相関係数・回帰直線を求めることができる.
11週 統計量と標本分布、特に大数の法則と中心極限定理 上記6
9.標本平均の分布について,その基本的な性質を理解している.
12週 いろいろな確率分布 上記6
13週 統計的推定 10.母数に関する基本的な推定を行うことができる.
14週 統計的検定 11.母数に関する基本的な検定を行うことができる
15週 前期範囲のまとめ 上記7~11
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
配点100100