生産システム

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 生産システム
科目番号 0095 科目区分 専門 / 選択必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:なし.参考書:「現代生産システム論」国狭武己著,「生産工学入門」森北出版㈱,「入門編生産システム工学」人見勝人著など
担当教員 坂本 福馬

到達目標

「ものづくりの重要性」および現在の日本の企業における生産活動やその企業の仕組み等を理解しており,特に,生産における「品質」「納期」「コスト」の大切さを把握し,改善の技術・損益計算等の即戦力的な能力が身についている.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1国際社会での我が国製造業の現状,特に重要性を理解し,企業の基礎的な運営構造も理解できている.国際社会での我が国製造業の現状を理解し,企業の基礎的な運営構造がおおむね理解できている.国際社会での我が国製造業の現状,および企業の基礎的な運営構造を理解できていない.
評価項目2製品開発・設計のVE・ベンチマーキングなどの基本的な手法を習得しており,実践できる.製品開発・設計のVE・ベンチマーキングなどの基本的な手法を理解している.製品開発・設計のVE・ベンチマーキングなどの基本的な手法が理解できていない.
評価項目3生産工学(IE)の概要,PRET図などのIE手法を理解しており,工程分析やQCDに関する簡単な改善ができる.生産工学(IE)の概要,PRET図などのIE手法を理解している.生産工学(IE)の概要,PRET図などのIE手法が理解できていない.
評価項目4財務三表が理解でいており,簡単な設備投資採算性の計算ができる.財務三表の意味が分かり,簡単な設備投資採算性の計算ができる.財務三表の意味が分からず,簡単な設備投資採算性の計算ができない.
評価項目5トヨタ生産方式などの日本式生産方式の概要と,その基礎となっているCS及び改善のスパイラルアップを理解している.トヨタ生産方式などの日本式生産方式の概要と,その素晴らしさを理解している.トヨタ生産方式などの日本式生産方式の概要が理解できていない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生産方式の変遷および現在の企業の取り組み内容に関し基本的な考えを理解し,併せて実践的な手法も修得する.さらに,実社会における生産活動がどのように行われているか,その概要を学ぶ.
授業の進め方・方法:
・本科目の内容は,すべて学習・教育到達目標(B)<専門>[JABEE基準1(2)(d)(2)a)]に相当する.加えて,第1,10,15週は(A)<視野>[JABEE基準1(2)(a)]第10週はさらに(A) <技術者倫理>[JABEE基準1(2)(b)]に相当する.
・授業は講義形式で行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
授業計画に示す「到達目標」1~13を網羅した問題を中間試験,学年末試験で出題し,レポートの評価とあわせて目標の達成度を確認する.達成度評価における各「到達目標」の重みは概ね均等とする.評価結果が百点法で60点以上の場合に目標達成とする.
<学業成績の評価方法および評価基準>
後期中間(40%)・学年末(45%)の試験結果を85%,レポート点を15%として評価する.なお,学年末試験では再試験を行わない.
<単位修得要件>
学業成績の評価方法によって,60点以上の評価を受けること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
基本的な数学力を有し,一般的な工業関連用語について理解している必要がある.
<自己学習> 
授業で保証する学習時間と,復習(中間試験・定期試験の学習も含む)及びレポート作成に必要な標準的な学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である.
<備考>  
日本の製造業(ものづくり)の現状について理解することが重要であり,新聞等(工業・経済等)にはよく目を通すこと.本教科は後に学習する「生産設計工学(専攻科)」,「経営学(専攻科)」の基礎となる教科である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業の進め方と(ものづくり)の重要性 1.日本の製造業の重要性と現状が理解できる.
2週 日本の製造業の現状と課題 上記1
3週 生産を営んでいる企業(会社)についての概要,NPO法人・会社の設立について 2.企業の概要を知り,組織の大切さと組織運営における原則,特に,責任と権限について理解できる.
4週 会社の組織・運営,経営戦略と生産戦略.日程計画の立て方,PERT図の作成演習 上記2
3.日程計画をPERT図で表現できる.
5週 製品設計手法とVE(Value Engineering)の概要,工程設計のねらい,工程編成のタイプの概要 4.製品設計(VE)・工程設計の進め方について理解できる.
6週 設備投資の際の考え方、固定資産の減価償却と設備投資回収の計算方法 5.設備購入や新設の際の判断基準(考え方)を理解し,簡単な投資回収計算ができる.
7週 生産管理の流れと資材管理,工程管理,作業管理について 6.生産管理が理解出来,資材管理の効率化のための,定期・定量発注方式とかんばん手配方式について理解できる.
8週 後期中間試験 上記1~6
4thQ
9週 テストの講評&問題解決と作業改善のための技術,つまりIE(Industrial Engineering)の概要 7.生産工学(IE)の概要が理解でき,簡単な作業分析などのIE手法が使える.
10週 国際化,環境問題,身体障害者との共同作業について 8.環境対策、障害者雇用法について理解できる.
11週 製造原価の仕組みと損益計算書について,損益分岐点売上高の算出方法について 9.製造原価について理解し,損益分岐点の計算ができる.
12週 品質管理およびQCサークル活動の手法について 10.日本製造業の繁栄の基礎となった,品質管理の基本と,QC活動について理解できる.
13週 CS(Customer's Satisfaction),ISO規格と標準について,ブレーンストーミングとKJ法について 11.顧客満足度(CS)の重要性を理解できる.
14週 安全衛生管理,労働災害の状況と安全衛生の重要性,災害発生はなぜおこるか,災害防止の基本 12.安全なくして企業なし・安全第一の重要性と労働災害の撲滅手法について理解できる.
15週 ・トヨタ生産方式(T.P.S) の特徴,その仕組みについて・IT時代の生産システム・実社会での教訓(国内有力企業の社長が期待する社員像,家訓等) 13.T.P.S の概要を知ることにより,日本製造業のすばらしさと優秀さを理解できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8515100
配点8515100