概要:
身の回りにある複雑な機械システムを,簡単な物理モデルに変換し,それを数学的に処理する方法を学ぶ.振動現象を理解するために,主に線形の機械振動現象について.運動方程式の考え方とその解法に重点を置く.この科目は企業で航空機製造分野に従事していた教員,産業用ロボット,シーケンサー(PLC)などを用いた自動生産設備の開発を担当していた教員がその経験を活かし,解析的・数値解析的に機械システムの振動問題全般について講義形式で授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
・すべての授業内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>に対応する.
・授業は講義・演習形式(遠隔を含む)で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
1~26の「到達目標」を網羅した問題を,課題やレポートと期末試験(前期),中間試験と期末試験(後期)で出題し,目標の達成度を評価する.達成度評価における各「到達目標」の重みは概ね均等とするが,基礎となる物理法則を重ねて問うこともある.問題のレベルは合計点の60%以上の得点で,目標の達成を確認できるように設定する.
<学業成績の評価方法および評価基準>
前期・後期ともに,試験結果を100 %としてそれぞれの期間で評価する.最終成績は4回(前後期の中間試験と期末試験)の評価の平均とする.それぞれの試験において 60点に満たない場合は,再試験を行う場合がある.
<単位修得要件>
学業成績で60点以上を取得すること.
<自己学習>
授業で保証する学習時間のほか,予習・復習(中間試験,定期試験のための学習も含む)に要する学習時間が必要となる.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
本教科は機械運動学や数学の学習が基礎となる教科である.力学の基礎知識と三角関数,指数関数の使い方,常微分方程式の解法等の数学知識は理解している必要がある.
<備考>
本教科は第5学年で学習する制御工学と強く関連する教科である.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
振動現象の定義:振動数,振幅,周期,位相角 |
1.振動現象の重要性をみぢかな問題として認識している.
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2週 |
振動現象と三角関数:振動の合成,加法定理 |
2.振動現象における,振動数,振幅,周期,位相角の概念を把握し,簡単な振動モデルにおいてそれらの値を求めることができる. 3.加法定理を用いて調和運動の和を求めることができる.
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3週 |
ばねと質量と力:直列ばねと並列ばね,等価バネ定数・等価質量 |
4.直列ばねの等価ばね定数を求めることができる. 5.並列ばねの等価ばね定数を求めることができる.
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4週 |
直線運動系と回転運動系:運動の第2法則と運動方程式 |
6.運動の第2法則を用いて1自由度系不減衰自由振動の運動方程式を導くことができる.
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5週 |
運動方程式の解法:線形常微分方程式,固有振動数 |
7.運動の第2法則を用いて1自由度系不減衰自由振動の運動方程式を解いて固有振動数を求めることができる.
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6週 |
エネルギー法:運動エネルギとポテンシャルエネルギ |
8.1自由度系不減衰自由振動の運動エネルギーとポテンシャルエネルギーを求めることができる
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7週 |
いろいろな1自由度系不減衰自由振動の振動モデルの運動とその解法 |
9.エネルギー法を用いて1自由度系不減衰自由振動の固有振動数を求めることができる
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8週 |
演習問題 |
これまでに学習した内容から,諸量を求めることができる.
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2ndQ |
9週 |
演習問題の結果に基づく復習,演習 |
これまでに学習した内容から,諸量を求めることができる.
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10週 |
ダンパと振動:臨界減衰係数,減衰比 |
10.1自由度系減衰自由振動の運動方程式を導くことができる.
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11週 |
減衰自由振動:対数減衰率 |
11.1自由度系減衰自由振動の運動方程式を解いて,固有振動数,臨界減衰係数,減衰比,対数減衰率を求めることができる.
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12週 |
いろいろな1自由度系減衰自由振動の振動モデルの運動とその解法 |
12.いろいろな1自由度系減衰自由振動の運動方程式を解いて,固有振動数,臨界減衰係数,減衰比,対数減衰率を求めることができる.
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13週 |
直線運動する減衰自由振動モデルの運動と解法 |
13.直線運動する1自由度系減衰自由振動の運動方程式を解いて,固有振動数,臨界減衰係数,減衰比,対数減衰率を求めることができる.
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14週 |
回転運動する減衰自由振動モデルの運動と解法 |
14.回転運動する1自由度系減衰自由振動の運動方程式を解いて,固有振動数,臨界減衰係数,減衰比,対数減衰率を求めることができる.
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15週 |
前期範囲のまとめ・解説 |
これまでに学習した内容から,諸量を求めることができる.
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
強制力と振動:共振,遠心力 |
15.1自由度系強制振動の運動方程式を導くことができる. 16.強制振動を受ける系の共振について説明することができ,その条件を求めることができる.
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2週 |
力の伝達率と防振 |
17.1自由度系強制振動の運動方程式を解いて,定常応答解を求めることができる.
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3週 |
いろいろな1自由度系強制振動モデルの運動と解法 |
上記17
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4週 |
強制力を受ける1自由度系強制振動モデルの運動と解法 |
18.強制力を受ける1自由度系強制振動の運動方程式を解いて,定常応答解を求めることができる.
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5週 |
強制変位を受ける1自由度系振動モデルの運動と解法 |
19.強制変位を受ける1自由度系強制振動の運動方程式を解いて,定常応答解を求めることができる.
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6週 |
多自由度系モデルの運動方程式 |
20.多自由度系モデルの運動方程式を導くことができる.
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7週 |
後期中間範囲のまとめ・解説 |
上記15~20
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8週 |
後期中間試験 |
上記15~20
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4thQ |
9週 |
中間試験の結果に基づく復習,演習 |
これまでに学習した内容から,諸量を求めることができる.
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10週 |
運動方程式の考え方とその解法 |
21.オイラー法,ルンゲ・クッタ法の原理を説明できる.
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11週 |
ラグランジュの運動方程式の考え方 |
22.ラグランジュの運動方程式の導き方を説明できる.
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12週 |
シリアルリンクロボットの順運動学と静力学 |
23.3リンクロボットの順運動学の式,2リンクロボットの静力学の式を導出できる.
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13週 |
ラグランジュの運動方程式の具体例(2リンクロボット) |
24.2リンクロボットの運動方程式をラグランジュの運動方程式に基づいて導出できる.
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14週 |
ラグランジュの運動方程式の具体例(バネによる振動系) |
25.バネにより振動する2自由度系の運動方程式をラグランジュの運動方程式に基づいて導出できる.
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15週 |
ルンゲ・クッタ法による数値解析演習 |
26.ルンゲ・クッタ法を用いて多変数の系の運動方程式を数値解析できる.
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 振動の種類および調和振動を説明できる。 | 4 | |
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 4 | |
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 4 | |
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 4 | |
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 4 | |