応用物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 応用物理Ⅱ
科目番号 0105 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 ノート講義のため、特になし
担当教員 川上 洋平

到達目標

前期:運動の三法則を出発点に運動量、角運動量、力学的エネルギーなどの物理量を計算することができる。
後期:電磁気現象を電場と磁場の概念を通して学び、基礎理論であるマクスウェル方程式に到達する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1古典力学に関する微積分を用いた応用問題を解くことができる.古典力学に関する微積分を用いた基本問題を解くことができる.古典力学に関する微積分を用いた基本問題を解くことができない.
評価項目2電磁気学に関する微積分を用いた応用問題を解くことができる.電磁気学に関する微積分を用いた基本問題を解くことができる.電磁気学に関する微積分を用いた基本問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物理学の目的の一つは現象の背後に存在する普遍的な性質を調べることです。この授業ではその典型例として、大学初年級程度の力学と電磁気学を学びます。
授業の進め方・方法:
・第1週~第30週までの内容はすべて,学習・教育目標(B)<専門>に相当する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする。
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
2回の中間試験,2回の定期試験、レポートによって行う.「到達目標」の各項目の重みは概ね均等とする.評価結果が百点法で60点以上の場合に目標の達成とみなせるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>
前期中間,前期末,後期中間,学年末の4回の試験(または上限を60点として学年末を除いて各1度ずつ実施する再試験)の平均点を75%,レポートを25%として評価する.
<単位修得要件>
学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
3年生までに習った数学および「物理」「応用物理Ⅰ」の学習が基礎となる教科である.
<自己学習>
授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験,レポート作成のための学習も含む)に必要な学習時間が必要となる.
<備考>
本教科は後に学習する「応用物理学」の基礎となる教科である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 変位・速度・加速度 1.加速度,速度,位置・変位を求めることができる.
2週 ニュートンの運動三法則 2.与えられた条件下において適切な運動方程式を記述できる.
3週 放物運動 3.放物運動において,適切な運動方程式を記述できる.
4週 単振動(水平方向) 4.基本的な単振動現象に関する諸物理量を求めることができる.
5週 単振動(鉛直方向,減衰振動などの応用) 5.応用的な振動現象に関する諸物理量を求めることができる.
6週 運動量と力積,運動エネルギーと仕事 6.運動量と力積,または運動エネルギーと仕事の関係を適切に立式でき,諸量を求めることができる.
7週 角運動量とその保存則 7.角運動量が保存される系において適切に立式でき,関連する諸量を求めることができる.
8週 中間試験 8.ここまでの学習内容について理解している.
2ndQ
9週 保存力とポテンシャル 9.保存力場の性質を利用して,適切に立式でき,関連する諸量を求めることができる.
10週 重心運動と相対運動 10.重心および重心系の性質を利用して,諸関係式または諸物理量を求めることができる.
11週 運動量保存則と衝突 11.運動量が保存される系において,適切に立式でき,関連する諸量を求めることができる.
12週 剛体とそのつり合い 12.静止剛体系において並進と回転におけるつり合い式を立て,関連する諸量を求めることができる.
13週 固定軸の周りの剛体の運動 13.回転剛体系において回転における運動方程式を立て,関連する諸量を求めることができる.
14週 慣性モーメントの導出 14.慣性モーメントを求めることができる.
15週 剛体の平面運動 15.運動している剛体系において並進と回転の運動方程式を立て,関連する諸量を求めることができる.
16週
後期
3rdQ
1週 クーロンの法則,電場 16.クーロンの法則を用いて電場を求めることができる.
2週 ガウスの法則 17.ガウスの法則を用いて電場を求めることができる.
3週 電位と導体 18.電場を用いて電位を求めることができる.導体の性質を利用できる.
4週 キャパシター 19.キャパシターの電気容量を求めることができる.
5週 誘電体 20.誘電体の性質を利用して,関連する諸量を求めることができる.
6週 電場のエネルギー,オームの法則 21.静電エネルギーを求めることができる.
7週 ジュール熱,起電力,キルヒホッフの法則 22.キルヒホッフの法則や電気抵抗の性質を利用して,関連する諸量を求めることができる.
8週 中間試験 23.後期に入ってからの学習内容について理解している.
4thQ
9週 磁場,磁性体,ローレンツ力 24.磁場中での荷電粒子の運動を記述できる.
10週 ビオ・サバールの法則 25.ビオ・サバールの法則を用いて磁場を求めることができる.
11週 アンペールの法則 26.アンペールの法則を用いて磁場を求めることができる.
12週 電磁誘導 27.電磁誘導の法則を用いて,関連する諸量を求めることができる.
13週 自己誘導・相互誘導,磁場のエネルギー 28.自己誘導または相互誘導の性質を用いて,関連する諸量を求めることができる.
14週 交流,電気振動 29.コイルを含む回路において適切に立式でき,関連する諸量を求めることができる.
15週 変位電流,マクスウェル方程式,電磁波 30.マクスウェル方程式の構成及び光が電磁波であることを理解している.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
運動の法則について説明できる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
電場・電位について説明できる。3
クーロンの法則が説明できる。3
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合7525100
配点7525100