現代科学Ⅰ

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 現代科学Ⅰ
科目番号 0107 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:シュレディンガーの「生命とは何か」,結晶とはなにか-自然が作る対称性の不思議(平山 令明),参考書:講義中に適宜紹介する.
担当教員 丹波 之宏,三浦 陽子

到達目標

生命現象や細胞内,固体中で起こる様々な物理現象とその発現機構を理解することが出来る.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1生命現象や細胞内で起こる事象を物理科学の基礎的な概念を用い説明できる. 生命現象や細胞内で起こる事象を物理科学の基礎的な概念にそい記述できる. 生命現象や細胞内で起こる事象を物理科学の基礎的な概念にそい記述できない.
評価項目2固体中で起こる事象を物理科学の基礎的な概念を用い説明できる.固体中で起こる事象を物理科学の基礎的な概念にそい記述できる.固体中で起こる事象を物理科学の基礎的な概念にそい記述できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
現代科学の最近の話題,①ソフトマター物理と②固体物理学についてオムニバス形式で講義を行う.これを通して生体や化学材料等を物理的な観点から理解を深める.本講義の理解に必要な様々な基礎知識や物理概念はその都度紹介する.
① 生命現象や生体分子の集合体のふるまいを物理学の観点からどう理解すれば良いか?本講義では,シュレディンガーの著書「生命とは何か」を基にソフトマター物理の中でも生物物理学の概論を行う.
② 固体中で起こる物理現象の起源となる結晶の基本を「結晶とはなにか-自然が作る対称性の不思議(平山 令明)」を基に概観し,結晶が持つ周期性によって発現する様々な物理現象を学ぶ.
授業の進め方・方法:
・この授業の内容は全て学習・教育到達目標(B)<基礎>に対応する.
・授業は講義形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>定期試験において下記授業計画の「到達目標」が習得できたかを評価する.評価は前半は課題レポートおよび後半は期末試験を主にし行う.その割合は,50%,50%とする.この総合評価の結果が100点法で60点以上の場合に目標を達成したとする.
<学業成績の評価方法および評価基準><到達目標の評価方法と基準>に記した総合評価を100点法に換算した結果を学業成績とする.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>第3年次までに行われた物理・数学を習得していること.
<自己学習>授業で保証する学習時間と予習・復習(中間試験・期末試験・レポート執筆を含む)に必要な標準的学習時間の総計が45時間に相当する学習内容である.
<備考>授業内容は前時に連続することが多いので,授業後はその内容について十分な復習を行い次時に備えること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ソフトマター物理(生物物理)の序論 1.自然現象・生命現象を数理科学的に扱うための基礎が理解できる.
2週 統計的な平均値、中心極限定理について 上記1
3週 遺伝子の永続性および多細胞生物 2. 生体高分子やその集合体の物性を理解できる.
4週 遺伝子の大きさ 上記2
5週 ボルツマン因子とエネルギー 3.熱運動や分子の安定性について理解できる.
6週 分子の安定性と遺伝子 上記1
上記3
7週 秩序と無秩序、エントロピー、自由エネルギー 上記3
8週 タンパク質の安定性、分子機械としての生命 上記1、2、3
2ndQ
9週 固体の凝集機構 I 4. 固体の凝集機構を説明できる.
10週 固体の凝集機構 II 上記4
11週 結晶の規則配列I 5. 結晶の規則配列を説明できる.
12週 結晶の規則配列II 上記5
13週 結晶の規則配列III 上記5
14週 晶系とブラベ格子 6.結晶の基礎知識を有する
15週 結晶の実像 上記6
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3

評価割合

試験と課題課題レポート相互評価態度発表その他合計
総合評価割合50500000100
配点50500000100