材料学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 材料学
科目番号 0110 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「図解 機械材料」打越二彌 著(東京電機大学出版社)参考書:「機械材料」門間改三 著(実教出版),「材料学」久保井徳洋,樫原恵蔵 著(コロナ社)
担当教員 陳 妍

到達目標

金属材料(鉄鋼,非鉄),無機材料および有機材料のミクロ的構造とそれに起因する機械的・物理的性質の基本的事項を理解し,材料の製造過程によるミクロ的構造の変化に関する知識を習得し,材料を使用する上で最適な材料の選定に応用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1金属材料の結晶構造.機械的性質を理解し,二元系合金状態図から組織・割合を同定し,構造に必要な機械材料を選定することができる.金属材料の結晶構造.機械的性質を理解し,二元系合金状態図から組織・割合を同定することができる.金属材料の結晶構造.機械的性質を理解し,二元系合金状態図から組織・割合を同定することができない.
評価項目2構造用鋼や非鉄金属の種類やその用途の説明ができ,適切な材料を選定することができる.構造用鋼や非鉄金属の種類やその用途の説明ができる.構造用鋼や非鉄金属の種類やその用途の説明ができない.
評価項目3有機系高分子,セラミックス及び複合材料に関する概念を理解し,有機有機系高分子,セラミックス及び複合材料に関する概念を理解し,有機材料,セラミックス及び複合材料の合成法などを説明できる.有機系高分子,セラミックス及び複合材料に関する概念を理解し,有機材料,セラミックス及び複合材料の合成法などを説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械工学の分野で設計や工作に深く関わってくるのが材料である.材料は一般に金属材料,無機(セラミックス)材料,高分子材料及び複合材料等多岐に渡っておりこれらを取り扱うのが材料学である.ここでは,金属材料の結晶構造.機械的性質,鉄鋼材料の状態図と組織,その他の機械材料について学び,設計や生産現場において必要な機械材料の基礎知識を習得する.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>およびJABEE 基準1.2(d)に対応する.
・授業は講義形式で行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
「到達目標」1~11の確認を中間試験と期末試験において出題し,目標の達成度を評価する.達成度評価における「到達目標」の重みは概ね均等とする.満点の60%の得点で,目標の達成を評価する.
<学業成績の評価方法および評価基準>
試験結果においてそれぞれの期間で評価し,最終成績は2回の評価の平均とする.ただし,中間試験については,60点未満,かつ試験の点数が平均点の 1/2以上の者に再試験を行う場合があるが,実施する場合,再試験の成績が該当する期間の成績を上回った際には,60点を上限として成績を置き換えるものとする(無断欠席の者を除く).前期末試験については,再試験を行わない.
<単位修得要件>
学業成績の評価方法によって,学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
本科目は,機械工学序論,機械工作法で学習した金属材料に関する学術知識が基礎となる科目である.
<自己学習>
授業で保証する学習時間と予習・復習(中間試験,定期試験のための学習も含む)に必要な標準的な学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である.
<備考>
機械構造用材料は,おもに強度(強さ)特性が重要視されるが,その背景にある物性的な特徴を十分に理解することが大切である.本科目は材料設計学(専攻科),複合材料工学(専攻科),新素材工学(専攻科)などと強く関連し,これら科目の基礎となる科目である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機械材料に関する概説 1.機械材料の種類や表示法について説明ができる.
2週 金属材料の構造 2.結晶構造,結晶面と方向を表すことが出来る.
3週 金属材料の機械的性質 3.材料の強度に関するパラメータを理解し,各種試験や評価法の説明が出来る.
4週 金属材料の塑性加工 4.金属材料の変形機構を理解し,加工硬化と再結晶・粒成長を説明出来る.
5週 鉄鋼材料の状態図と組織 5.二元系合金状態図を理解し,組織・割合を同定することが出来る.
6週 鉄鋼材料の状態図と組織(続き) 上記5
7週 鋼の熱処理技術 6.金属材料の基本的な熱処理を機械的特性と説明することが出来る.
8週 前期中間試験 上記1~6
2ndQ
9週 前期中間試験の解説および構造用合金鋼 上記1~6
7.構造用鋼の種類やその用途の説明が出来る.
10週 構造用合金鋼(続き) 上記7
11週 工具鋼 8.工具鋼の分類,用途について説明が出来る.
12週 非鉄金属材料 9.非鉄金属の分類,性質,用途について説明が出来る.
13週 高分子材料 10.各種高分子の種類・構造と性質について説明が出来る.
14週 無機材料 11.セラミックスの分類や製造プロセスの説明が出来る.
15週 複合材料 12.複合材料の分類,特性,機能の説明が出来る.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料機械材料に求められる性質を説明できる。4
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。4
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。4
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。4
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。4
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。4
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。4
金属と合金の結晶構造を説明できる。4
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。4
合金の状態図の見方を説明できる。4
鉄鋼の製法を説明できる。4
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。4
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。4
焼きなましの目的と操作を説明できる。4
焼きならしの目的と操作を説明できる。4
焼入れの目的と操作を説明できる。4
焼戻しの目的と操作を説明できる。4

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
配点100100