計測工学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 計測工学
科目番号 0115 科目区分 専門 / 選択必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:なし(プリント),参考書:「フォトメカニクス」 高橋 賞 編(山海堂),「計測工学入門」石垣武夫・冨井薫 他
担当教員 末次 正寛,打田 正樹

到達目標

機械を安全,かつ目的に合った精度で運用するために必要な計測手法や計測技術を習得できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1計測の定義,種々の計測手法の概要,長さと角度の計測手法や誤差や精度等を十分理解することができる.計測の定義,種々の計測手法の概要,長さと角度の計測手法や誤差や精度等を理解することができる.計測の定義,種々の計測手法の概要,長さと角度の計測手法や誤差や精度等を理解することができない.
評価項目2電気的計測手法と電気計測の基礎と信号の処理等を十分理解できる.電気的計測手法と電気計測の基礎と信号の処理等を理解できる.電気的計測手法と電気計測の基礎と信号の処理等を理解できない.
評価項目3残留応力や応力場の計測を十分理解できる.残留応力や応力場の計測を理解できる.残留応力や応力場の計測を理解していない.
評価項目4光学的計測手法を十分理解できる.光学的計測手法を理解できる.光学的計測手法を理解していない.
評価項目5情報の統計学的手法に関して十分理解している.情報の統計学的手法に関して理解している.情報の統計学的手法に関して理解していない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
この科目は,企業で品質管理・検査業務を担当していた教員がその経験を活かし,機械的な精密測定をはじめとする様々な先端的計測手法について講義形式で授業を行うものである.機械の設計・製作・運用や研究・開発の遂行に必要な各種の計測手法に関する基礎知識を得るとともに,それらの具体的な適用法についても学び,実践へ応用できる能力を身につけることを目的とする.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>およびJABEE 基準1.2(d)(2)a)に対応する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
授業計画に示す「到達目標」1~12の確認を中間試験,期末試験で行う.1~12に関する重みは同じである.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>
中間・学年末の2回の試験の平均点で評価する.再試験は実施しない.
<単位修得要件>
学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
三角関数と初等関数の微分積分,ならびに材料力学の基礎等.理解に必要なことがらは適宜補足する.本教科は機械工学序論をはじめ,これまでの全般的な学習が基礎となる教科である.
<自己学習>
授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験のための学習も含む)及び提出物作成に必要な標準的な学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である.
<備考>
比較的多くの計測法を紹介するので,細部にとらわれず各方法の特徴を認識し,将来の実務に役立つように考えて欲しい.本教科は情報通信工学,ディジタル通信システム,制御機器工学(専攻科)の基礎となる教科である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 計測機器と誤差率 1. 計測の定義,種々の計測手法の概要,ならびに適用法を把握し,計測の結果生じる誤差について理解して適切な計測機器を選択することができる.
2週 計測法の概要と実際 上記 1
3週 電気的計測手法(電気抵抗ひずみゲージとブリッジ回路) 2.電気抵抗ひずみゲージの基礎と応用・計測原理について理解できる.
4週 残留応力計測の理論と実際(穿孔法,X線,超音波音弾性)
3. 残留応力の重要性を理解し、その測定法を理解できる.
5週 光学的計測手法 1 
(光干渉法,光弾性法,モアレ法)
4. 光の波長オーダの微小変形計測法の原理と応用を理解できる.
6週 光学的計測手法 2
(ホログラフィー法,スペックル法)
上記 4
7週 特異点の応力場計測 5. 応力の特異場の重要性を理解し、測定手法の原理を理解できる.
8週 中間試験 上記 1〜5
4thQ
9週 長さ,角度の計測手法と計測誤差の原因と種類,精度と不確かさ 6.長さ,角度の計測手法に関する基礎を理解できる。また,計測によって生じる誤差の原因と種,精度と不確かさを理解できる。
10週 国際単位系と単位,次元,標準 7.国際単位系(SI単位,接頭語)を説明でき,単位,次元,標準に関して理解できる。
11週 電気計測の基礎 8.電気計測の基礎に関して概要を理解できる。
12週 電気信号の変換とフィルタリング 9.電気信号の変換手法とフィルタリングの基礎に関して理解できる。
13週 デジタル信号処理 10.デジタル領域における信号処理に関して,その基礎を理解できる。
14週 情報の統計的処理 11.統計的処理手法に関して理解できる。
15週 情報の評価方法 12.統計的処理手法を用いて情報を評価することの基礎が理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御計測の定義と種類を説明できる。4
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。4
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。4

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
配点100100