制御工学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 制御工学
科目番号 0117 科目区分 専門 / 選択必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:制御基礎理論―古典から現代まで-,コロナ社
担当教員 打田 正樹

到達目標

制御工学は,人間が機械や装置をより有効に操作し,希望通りに動かすための技術を理論的に体系化したものである.制御工学では,各種の機械や装置の制御系を構築するための基礎的な知識を学習する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1システムのモデル化に関して十分理解しており,モデル化することができる.システムのモデル化に関して理解しており,モデル化することができる.システムのモデル化に関して理解できずモデル化することができない.
評価項目2伝達関数やラプラス変換を十分理解し,システムの時間応答を導出することができる.伝達関数やラプラス変換を理解し,システムの時間応答を導出することができる.伝達関数やラプラス変換を十分理解できず,システムの時間応答を導出することができない.
評価項目3周波数応答を十分理解し,伝達関数や周波数伝達関数,ボード線図等に関して相互に論じることができる.周波数応答を理解し,基本的なボード線図を描くことができる.周波数応答を理解できず,ボード線図を描くことができない.
評価項目4システムの安定性を十分理解し,様々な手法で安定性を論じることができる.システムの安定性を理解し,基本的な安定判別法で安定性を論じることができる.システムの安定性を理解できず,安定性を論じることができない.
評価項目5現代制御を用いた制御系を含め,代表的な制御系の種類や特徴を十分理解し,説明することができる.現代制御を用いた制御系を含め,代表的な制御系の種類や特徴を理解し,説明することができる.代表的な制御系の種類や特徴を理解できず,説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
制御工学は,人間が機械や装置をより有効に操作し,希望通りに動かすための技術を理論的に体系化したものである.制御工学では,各種の機械や装置の制御系を構築するための基礎的な知識を身に付けることを目的とする.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>およびJABEE 基準1.2(d)(2)a)に対応する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
授業計画に示す「到達目標」 1~14の確認を中間試験,期末試験で行う.1~14に関する重みはほぼ同じである.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>
中間・学期末の2回の試験の平均点で評価する.再試験は実施しない.
<単位修得要件>
学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲> 
数学の微分・積分,線形代数,機械力学は十分に理解している必要がある.
<自己学習>
授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験のための学習も含む)に必要な標準的な学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である.
<備考>
本教科は情報通信工学特論,制御機器工学(専攻科)の基礎となる教科である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 制御工学の基礎、制御理論の応用 1.制御工学の基礎と概要、応用例について理解できる。
2週 制御系の構成、システムのモデル化 2.制御系と制御対象のモデル化に関して理解し,運動方程式や伝達関数を導出することができる。
3週 ラプラス変換・逆変換 3.ラプラス変換・逆変換を応用し、微分方程式を解くことができる。
4週 代表的な伝達関数(一次遅れ系、2次遅れ系等) 4.代表的な伝達関数に関してその特徴を理解できる。
5週 ブロック線図と制御系、伝達関数 5.ブロック線図から、伝達関数を導出ことができる。また、制御系について理解できる。
6週 伝達関数と時間応答 6.伝達関数と制御系の時間応答(過度特性,定常特性等)を理解し,導出することができる。
7週 代表的な制御系(PID制御、2自由度制御等) 7.代表的な制御系に関して特徴等を理解できる。
8週 中間試験 上記1~7
2ndQ
9週 周波数応答 8.ボード線図を理解し、描くことができる。
10週 周波数応答と安定性 9.ボード線図を理解し、制御系の特徴や安定性を論じることができる。
11週 安定判別 10.ラウス・フルビッツの安定判別法等を理解し、制御系の安定判別をすることができる。
12週 制御系の定常特性 11.制御系の型と定常特性や時間応答の特徴について理解できる。
13週 制御系設計 12.PID制御の設計ができる。
14週 古典制御と現代制御 13.古典制御と現代制御の相違点を踏まえ、現代制御の概要を理解できる。
15週 状態フィードバック制御とオブザーバ 14.状態フィードバック制御とオブザーバの概要を理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。4
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。4
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。4
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。4
伝達関数を説明できる。4
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。4
制御系の過渡特性について説明できる。4
制御系の定常特性について説明できる。4
制御系の周波数特性について説明できる。4
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
配点100100