工学実験

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 工学実験
科目番号 0140 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 教科書:「機械工学実験テキスト」 (鈴鹿工業高等専門学校・機械工学科)
担当教員 民秋 実,藤松 孝裕,白木原 香織,打田 正樹,鬼頭 みずき,陳 妍

到達目標

機械工学に関する代表的な装置・計測機器の取り扱い方や実験手法を理解しており,データの正確な解析,工学的考察ができ,さらに,得られた結果を論理的にまとめ,報告することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機械工学に関する代表的な装置・計測機器の取り扱い方や実験手法を理解している.機械工学に関する代表的な装置・計測機器の取り扱い方を理解している.機械工学に関する代表的な装置・計測機器の取り扱い方を理解していない.
評価項目2実験結果の正確な解析,工学的考察ができる.実験結果の正確な解析ができる.実験結果の正確な解析ができない.
評価項目3得られた結果を論理的にまとめ,報告できる.得られた結果を論理的にまとめることができる.得られた結果を論理的にまとめることができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械工学の全分野を網羅した実験テーマにより,講義によって得た個々の知識を実理においてより深いものとすることを目指す.各種装置・計測機器の取り扱い方,実験結果の整理・結果の表示・文献調査・考察・討論という過程からなる実験報告書の作り方を習得する.すなわち,データを正確に解析し,工学的に考察し,かつ説明・説得するための基礎能力を身に付ける.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は,学習・教育到達目標 (B) <専門>,および(B)<展開>に対応する.
・本授業は始めの30分間を用いて,前回の報告書をチェック(口頭試問含む)した後,実験を行う形式である.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
「到達目標」1~13の確認は,報告書の内容および口頭試問の結果により評価する.達成度評価における「到達目標」の重みは均等とする.満点の60%の得点で,目標の達成を評価する.
<学業成績の評価方法および評価基準>
成績は,各テーマの報告書を100点満点で採点し,その平均点で評価する.
<単位修得要件>
各テーマに対応する報告書をすべて提出し,学業成績で60点以上の評価を受けること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
本科目には,各専門分野に関する基礎的知識,計測工学の基礎および統計学の基礎が必要となる.
<自己学習>
授業で保証する学習時間と,報告書作成に必要な標準的な学習時間の総計が 90 時間に相当する学習内容である.報告書は,実験開始30分間を用いて,担当教員がチェック(口頭試問含む)をするため,各人はそれまでに報告書を仕上げる.
<備考>
実験は6グループに分けて行うので,授業計画に示した各週に行うテーマは1グループのみの例である.他のグループは順に異なる実験テーマを行うことになる.なお,本教科は,卒業研究および専攻科での特別研究・総合イノベーション工学実験に強く関連する教科である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実施方針と注意事項の説明
2週 パソコンによる実験データ解析演習
3週 振動モード解析 1. 実験および数値モード解析を行って,平板の固有振動数,振動の型を求めることができる.
4週 はりの振動特性 2. 片持ちはりの共振について理解し,固有振動数,ヤング率,等価質量,共振曲線を求めることができる.
5週 内燃機関の性能試験 3. ガソリン機関の構造が説明でき,熱勘定や機械効率を算出することができる.
6週 物体周りの強制対流熱伝達 4. 熱移動を理解し,強制対流熱伝達に関する計算ができる.
7週 金属の組織検査 5. 金属顕微鏡を用いた金属組織検査の方法および検鏡試料の正しい製作法を身に着ける.
8週 鋼の熱処理 6. 顕微鏡観察を通して代表的な熱処理組織について理解する.
2ndQ
9週 熱伝導に関する実験 7. 伝熱の形態について説明でき,熱伝導および熱伝達による放熱量を求めることができる.
10週 圧縮性流体の流量測定(絞り部の違いについて) 8. オリフィスの構造と特徴が説明でき,各種絞り機構に対する流量係数の変化について理解している.
11週 周波数特性評価 9. 周波数特性の概念が理解でき,その評価ができる.
12週 フィードバック制御系の性能評価 10. フィードバック制御系を理解でき,その制御系の周波数特性評価ができる.
13週 差分法による温度解析 11. 差分法による定常熱伝導方程式が求め,ガウスの消去法による連立一次方程式の解法を理解できる.
14週 数値解析によるサン・ブナンの原理の検証 12. フーリエ級数展開により境界条件を表示でき,級数の項数と数値計算精度の関係を比較検討できる.
15週 報告書の作成 13. 得られた結果を論理的にまとめ,報告することができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。4
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。4
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。4
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。4
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。4

評価割合

実験報告書合計
総合評価割合100100
配点100100