弾・塑性学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 弾・塑性学
科目番号 0148 科目区分 専門 / 選択必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「弾塑性力学の基礎」吉田総仁(共立出版)
担当教員 垰 克己

到達目標

機械や構造物などの部材の強度と変形を解析するための弾性力学および塑性力学の基礎理論を学習し,各種材料の二次的な加工を行うために知らなければならない基礎的な知識と考え方を身につける.高精度・微細・高速・省人という高度化する要求を実現するため,最適な加工法を提案できる機械技術者になれることを目指す.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1弾性力学に関する応用問題が解ける弾性力学に関する基本問題が解ける弾性力学に関する基本問題が解けない
評価項目2塑性力学に関する応用問題が解ける塑性力学に関する基本問題が解ける塑性力学に関する基本問題が解けない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械や構造物などの部材の強度と変形を解析するための弾性力学および塑性力学の基礎理論を学習する.各種材料の二次的な加工を行うために知らなければならない基礎的な知識と考え方を身につける.高精度・微細・高速・省人という高度化する要求を実現するため,最適な加工法を提案できる機械技術者になれることを目指す.
授業の進め方・方法:
・第1週~第15週までの内容はすべて,学習・教育到達目標(B)<専門>に相当する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当する.
・授業は講義形式で行う.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準> 
授業計画に示す「到達目標」1~14の確認を課題および後期中間試験,学年末試験で行う.1~14に関する重みは同じである.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準> 
後期中間・学年末の試験結果を80%以上とし、さらにレポート1回あたり3%~4%ととして最大20%を超えない範囲で演習課題の結果とし、両者合わせてそれぞれの期間毎に評価して、これらの平均値を最終評価とする。ただし、試験の評価で60点に達していない者には、平均点の1/2以上を有する者のみを対象として、再試験を行う。再試験の成績が試験の評価を上回った場合には、60点を上限として試験の成績を置き換えるものとする。
<単位修得要件>
学業成績の評価方法によって,60点以上の評価を受けること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
三角関数,微分・積分(重積分を含む)は十分に理解している必要がある.第4学年までに習得した機械加工学,材料力学,材料学の基礎知識が必要である.
<自己学習> 
授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験のための学習も含む)およびレポート作成に必要な標準的な学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である.
<備考>
数式の背景にある物理的意味をきちんと理解することが重要である.なお,本科目は材料強度工学(専攻科)に強く関連する教科である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 応力の定義,応力成分 1.3次元問題における応力とひずみの定義が説明できる.
2週 応力のつり合い方程式,共役せん断応力 2.応力の釣合い方程式と運動方程式が導出できる
3週 物体表面のつり合いと主応力 3.物体表面の釣合い方程式(境界条件式)が導出できる
4週 主応力の大きさと主応力面の導出,応力の不変量 4.主応力の値とその方向,および最大せん断応力が求められる.
5週 ひずみ‐変位関係式,ひずみの適合条件 5.ひずみ‐変位関係式,ひずみの適合条件式の誘導ができる
6週 構成式(フックの法則),体積弾性率 6.一般の3次元弾性体に対するフックの法則が導出できる.体積弾性率を説明できる.
7週 平面応力,平面ひずみ 7.平面応力,平面ひずみを説明できる.
8週 後期中間試験
上記1~7
4thQ
9週 塑性変形の物理的概念と特徴 8.塑性変形の物理的概念と特徴が説明できる.
10週 応力ひずみ曲線のモデル化 9.金属の塑性変形の特徴を説明できる.
11週 偏差応力とその不変量,八面体せん断応力 10.偏差応力とその不変量,八面体せん断応力を説明できる
12週 等方性材料の降伏条件に必要な性質
11.等方性材料の降伏条件に必要な性質を説明できる.
13週 トレスカの降伏条件,ミーゼスの降伏条件 12.塑性変形に関する基礎理論を説明できる
14週 降伏条件の幾何学的表示 13.塑性変形開始の条件が説明できる
15週 塑性変形に関する理論,塑性変形開始の条件に関する総合的知識 14.塑性変形開始の条件が計算できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4
応力とひずみを説明できる。4
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4
許容応力と安全率を説明できる。4
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。4
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。4
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。3
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。3
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。3
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。3
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。3
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。3
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。3
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。3
多軸応力の意味を説明できる。4
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。4
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。4
工作塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。4
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。4
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。4
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。4
材料金属と合金の結晶構造を説明できる。3
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。3
合金の状態図の見方を説明できる。3
塑性変形の起り方を説明できる。4
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。4

評価割合

試験課題合計
総合評価割合000
配点000