到達目標
電気電子工学を学ぶために必要な電気回路と電気磁気学の基礎を理解する.電気回路では特に直流回路を学習し,オームの法則,抵抗の直並列接続,電圧降下と分流,キルヒホッフの法則,電力などを,電気磁気学ではフレミングの左手則と右手則,電磁誘導の法則,コイルとコンデンサなどについて,理解を深める.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | オームの法則や電気抵抗の直並列接続に関する応用問題を解くことができる. | オームの法則や電気抵抗の直並列接続に関する基本問題を解くことができる. | オームの法則や電気抵抗の直並列接続に関する基本問題を解くことができない. |
評価項目2 | キルヒホッフの法則や分圧,分流に関する応用問題を解くことができる. | キルヒホッフの法則や分圧,分流に関する基本問題を解くことができる. | キルヒホッフの法則や分圧,分流に関する基本問題を解くことができない. |
評価項目3 | その他,電気電子工学の基礎事項に関する応用問題を解くことができる. | その他,電気電子工学の基礎事項に関する基本問題を解くことができる. | その他,電気電子工学の基礎事項に関する基本問題を解くことができない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
この授業は電気電子工学に対する導入のためのものであり,直流回路の基本を学び、5年間で学ぶ電気電子工学への関心を高めるとともに,技術者として何を学ぶべきかを考える習慣を身に付ける.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<基礎><専門>に対応する.
・授業計画に記載のテーマについて,講義・演習形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>習得の度合を後期中間試験,後期期末試験,レポートにより評価する.達成度評価における各重みは概ね均等とし,試験問題とレポート課題のレベルは100点法により60点以上の得点で目標の達成を確認する.
<学業成績の評価方法および評価基準>後期中間および学年末の2回の試験の平均点を85%,課題レポートの結果を15%として,その合計点で評価する.ただし,後期中間試験で60点に達していない者には再試験を課すことがある.このとき,再試験の成績が試験の成績を上回った場合には,60点を上限として,試験の成績を再試験の成績で置き換えるものとする.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本教科は電気電子工学を学習するに当たって,最初に学ぶ基礎教科である.あらかじめ要求される知識は特にないが,前期までに学んだ数学や物理に関する基礎知識を確実に身につけておく必要がある.
<レポートなど>学習内容の復習と応用力の育成のため,随時,演習課題を与える.
<備考>本教科は2年次で学習する電気回路,電気電子工学演習,電気電子工学実験の基礎となる教科である.授業中に理解できるように心掛けるとともに,知識確認のために常に多くの問題を解いていく姿勢が大切である.
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
シラバスを用いた授業の概要説明,電流,電圧,抵抗 |
1.電流,電圧,抵抗の意味,接頭語,単位などを説明できる.
|
2週 |
オームの法則,電圧降下 |
2.オームの法則を理解し,電圧降下に関して説明できる.
|
3週 |
抵抗の直列接続,分圧の法則 |
3.抵抗の直列接続の方法を理解し,分圧の法則の説明や計算ができる.
|
4週 |
抵抗の並列接続,分流の法則 |
4.抵抗の並列接続の方法を理解し,分流の法則の説明や計算ができる.
|
5週 |
抵抗の直並列接続,合成抵抗の計算 |
5. 抵抗の接続方法を理解し,回路の合成抵抗を計算できる.
|
6週 |
直流電圧計の倍率器と直流電流計の分流器 |
6. 倍率器,分流器の原理を理解し,それらの説明や計算ができる.
|
7週 |
ブリッジ回路,まとめと演習問題 |
7. ブリッジ回路の平衡条件を求めることができる.
|
8週 |
後期中間試験 |
8. これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
|
4thQ |
9週 |
後期中間試験の結果に基づく復習,キルヒホッフの法則 |
9. キルヒホッフの法則を理解し,電流値を計算できる.
|
10週 |
導体の抵抗率,抵抗器,導体の抵抗温度係数 |
10. 抵抗率,色表示,温度係数を理解し,説明や計算ができる.
|
11週 |
電力,電力量,ジュールの法則 |
11. 電力,電力量,ジュールの法則を理解し,計算できる.
|
12週 |
電池,ゼーベック効果,ペルチエ効果 |
12. 電池,ゼーベック効果,ペルチエ効果について説明できる.
|
13週 |
アンペアの右ネジの法則とコイル,インダクタンス |
13. アンペアの右ネジの法則を理解し,円形コイルやコイルが作る磁界について説明できる.
|
14週 |
フレミングの左手則と電動機の原理 |
14. フレミングの左手則と右手則を理解し,それらについて説明できる.
|
15週 |
ファラデーの電磁誘導の法則,フレミングの右手則と発電機の原理,まとめと演習問題 |
15. ファラデーの電磁誘導の法則を理解し,電動機や発電機の原理について説明できる.
|
16週 |
|
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 電気 | オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。 | 4 | |
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。 | 4 | |
ジュール熱や電力を求めることができる。 | 4 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 電荷と電流、電圧を説明できる。 | 4 | |
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。 | 4 | |
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。 | 4 | |
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。 | 4 | |
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。 | 4 | |
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 85 | 15 | 100 |
配点 | 85 | 15 | 100 |