電気回路

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 電気回路
科目番号 0014 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「電気回路」本田徳正著(日本理工出版会),「電気回路I」柴田尚志著(コロナ社)
担当教員 辻 琢人

到達目標

交流回路の理論を学ぶために必要な複素数計算や回路の諸法則を理解し,種々の交流回路におけるインピーダンス,アドミタンス,電流,電圧,電力,力率等を計算することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気回路は受動素子(R,L,C)により構成されている回路を解析,評価あるいは設計するための理論で,電気工学,電子工学,通信工学等を学ぶ学生にとって最も重要な基礎科目の一つである.授業では2年生で学んだ直流回路,交流回路の基礎事項を再確認していくとともに,具体的な演習を通じて,種々の回路解析に自由に対応できるような知識と理解力を深めていく.
授業の進め方・方法:
・すべての授業内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>およびJABEE基準1(2)(d)(2)a)に対応する.
・授業は講義形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を中間試験および定期試験で出題し,目標の達成度を評価する.授業計画の「到達目標」に関する重みは概ね均等とし,試験問題とレポート課題のレベルは100点法により60点以上の得点で目標の達成を確認する.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期中間,前期末,後期中間,学年末の4回の試験の平均点で評価する.レポート・小テストを課した場合は,学業成績の15%を上限として評価に組み入れることがある.なお、前期中間,後期中間の試験について60点に達していない者には再試験を課すことがある.このとき,再試験の成績は,単位修得のために最低限必要な範囲で考慮する.
<単位修得条件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本教科は2年次の電気回路の学習が基礎となる教科である.本教科の学習には,三角関数,指数関数,対数関数,複素数,微分,積分などの基礎数学の習得が必要である.また,電気電子工学序論や電気電子工学演習で学んだ電気・電子工学に関する基礎的知識も必要となる.
<レポートなど>学習内容の復習と応用力の育成のため,随時,演習課題を与える.
<備考>本教科は4年次で学習する電気回路の基礎となる教科である.授業中に理解できるように心掛けるとともに,知識確認のために常に多くの問題を解いていく姿勢が大切である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ベクトル軌跡 1. インピーダンスやアドミタンスの軌跡を描くことができる.
2週 交流ブリッジ 2. 交流ブリッジの平衡条件を計算することができる.
3週 直列共振 3. 直列共振回路の共振周波数を正しく計算できる.
4週 帯域幅B 4. 帯域幅を理解する.
5週 並列共振 5. 並列共振回路の共振周波数を正しく計算できる.
6週 回路素子のQ 6. 回路素子のQ値を理解し,正しく計算できる.
7週 抵抗とリアクタンスの直並列等価変換 7. 回路を直列から並列,並列から直列に変換できる.
8週 前期中間試験 これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
2ndQ
9週 中間試験の結果に基づく復習と演習
10週 瞬時電力と平均電力 8. 回路の力率,有効電力,無効電力を計算することができる.
11週 複素電力と交流電力に関する演習 9. 複素電力から有効電力,無効電力,皮相電力を計算できる.
12週 自己インダクタンスと相互インダクタンス 10. 相互誘導現象を理解し,相互誘導係数について説明できる.
13週 Mで結合された回路の等価回路 11. 相互インダクタンスMを含む回路の電圧・電流が満たすべき方程式を立てることができる.
14週 相互インダクタンスに関する演習 12. Mで結合された非導電回路とT型誘導回路の対応関係を説明することができる.
15週 演習(第9週から第14週までのまとめ) これまでの学習内容を説明し,計算できる.
16週
後期
3rdQ
1週 三相交流の基礎と表示法 13. 多相交流の発生原理を理解し,対称三層交流の瞬時式,ベクトル表記式を書くことができる.
2週 Y結線とΔ結線 14. 三相起電力および三相負荷の結合方式であるY結線とΔ結線を理解し,線間電圧と相電圧,線電流と相電流の対応関係を説明でき,計算ができる.
3週 平衡三相回路(その1):Y−Y結線,Δ−Δ結線 15. 平衡三相回路において,Y−Y結線,Δ−Δ結線の回路解析ができる.
4週 平衡三相回路(その2):Y−Δ結線,Δ−Y結線 16. 平衡三相回路において,Y−Δ結線,Δ−Y結線の回路解析ができる.
5週 平衡三相回路の解析演習 17. 平衡三相回路において,Y−Y結線,Δ−Δ結線,Y−Δ結線,Δ−Y結線の回路解析ができる.
6週 V結線回路 18. V結線に関して理解し,計算ができる.
7週 不平衡三相回路 19. 不平衡三相回路に関して理解し,計算ができる.
8週 後期中間試験 これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
4thQ
9週 中間試験の結果に基づく復習と演習
10週 平衡三相電力の測定 20. 平衡三相回路の電力の計測法に関して説明および計算ができる.
11週 回転磁界 21. 回転磁界の発生原理に関して説明できる.
12週 二端子対回路網 22. 二端子対回路網の基礎事項を理解する.
13週 アドミタンス行列、インピーダンス行列 23. 二端子対回路網の各種行列表記に関する計算ができる.
14週 F行列、H行列 24. 二端子対回路網の各種行列表記に関する計算ができる.
15週 二端子対回路の接続 25. 二端子対回路の接続を理解し,計算できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合90100000100
配点90100000100