概要:
物理は,自然の仕組みを調べる学問の基礎として大切であるが,またその応用として専門技術の理解にも必要なものである.中学校の理科では,自然の仕組みを言葉の説明を通して理解してきた.この授業では,自然を理解するときに数式を使い計算を通して行うという物理学本来の方法を学ぶ.この方法は,専門科目の理解の方法とも一致するので早くなれて欲しい.
具体的には,物理学の中でも,基礎となる力学の「速度」,「加速度」からはじめ「力」,「運動の法則」,「力学的エネルギー」等を学ぶ.
授業の進め方・方法:
・前後期共に第1週~第15週までの内容はすべて,学習・教育到達目標(B)<基礎>に相当する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を前期中間・前期期末・後期中間・学年末の4回の試験で出題し,目標の達成度を評価する.授業計画の「到達目標」に関する重みは概ね均等とする.ただし,基本概念及び基本法則に関する計算は繰り返し用いられるので,必然的にその重みは大きくなる.試験問題のレベルは高等学校程度である.評価結果が60点以上の場合に目標の達成とする.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期中間・前期期末・後期中間・学年末の4回の試験またはそれに代わる再試験( 各試験につき1回限り、学年末の再試は総合評価で60未満となる場合のみ行う )の結果に、演習課題の評価を最大で20%まで加味し,その合計を4で割ったものを学業成績の総合評価とする.なお再試験を経て得る各試験の評価の最大値は60点である.
<単位修得条件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>中学数学の知識は十分に身に付けた上で臨むこと.
<レポート等>演習課題を課す.
<備考>勉強の仕方:基本的に,教科書に従って授業は行われる.授業が終わったら,自宅で,教科書の内容を復習する.問題集の習った範囲の例題,問題等を解いて理解を確実にするとよい.物理は,自分で考え理解することが大切である.すぐ答えを見ないで,自分の力で考え解いてみる力を養うように努力する.本科目は後に学習する「物理Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ」の基礎となる科目である.
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 物理 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 3 | |
平均の速度、平均の加速度に関する計算ができる。 | 3 | |
直線及び平面運動において、速度をベクトルとして捉え、速度の合成・分解及び相対速度に関する計算ができる。 | 3 | |
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の変位、時間、速度に関する計算ができる。 | 3 | |
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 3 | |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算できる。 | 3 | |
自由落下及び鉛直投射した物体の変位、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | |
水平投射及び斜方投射した物体の変位、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | |
物体に作用する力を図示できる。 | 3 | |
力の合成と分解ができる。 | 3 | |
質点にはたらく力のつりあいに関する計算ができる。 | 3 | |
重力、弾性力、抗力、張力の概念を理解し、それぞれの力に関する計算ができる。 | 3 | |
圧力、浮力について説明できる。 | 3 | |
運動の三法則について説明できる。 | 3 | |
運動方程式を用いて、物体に生じる加速度や物体にはたらく力などを求めることができる。 | 3 | |
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。 | 3 | |
最大摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | |
動摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 3 | |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
力学的エネルギー保存の法則について説明でき、その法則を用いて、物体の速度や変位などを求めることができる。 | 3 | |
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 3 | |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 3 | |
物体の熱容量と比熱に関する計算ができる。 | 3 | |
熱量保存の法則を用いて、熱容量、比熱及び熱平衡後の物体の温度を求めることができる。 | 3 | |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積を求めることができる。 | 3 | |
理想気体における分子の運動エネルギーと内部エネルギーの関係について説明できる。 | 3 | |
熱力学第一法則を用いて、気体の状態変化(定積変化、定圧変化、等温変化、断熱変化)に関する計算ができる。 | 3 | |
エネルギーには多くの形態があり、互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
不可逆変化について、具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 3 | |