電子デバイス

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 電子デバイス
科目番号 0022 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:國岡昭夫,上村喜一著「基礎半導体工学」朝倉書店,参考書:松澤・高橋・斉藤著「電子物性」森北出版,その他多数有り
担当教員 辻 琢人

到達目標

半導体デバイスの基礎となる物理法則を理解し,MOS電界効果トランジスタおよび太陽電池,フォトダイオード,発光ダイオード半導体レーザの動作原理を理解し,説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
半導体工学は現在の工学分野においてあらゆるところで非常に重要な位置づけとなっている学問分野である.この授業では主として半導体中での電子の振る舞いを中心とした電子工学の考え方を理解し,それの応用としてのMOS電界効果トランジスタおよび光電変換デバイスの動作および特性について理解することを目標とする.
授業の進め方・方法:
・すべての授業内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>およびJABEE基準1(2)(d)(2)a)に対応する.
・授業は講義・輪講形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を中間試験および定期試験で出題し,目標の達成度を評価する.各到達目標に関する重みは同じである.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>中間試験・学年末試験の2回と輪講での発表内容で評価する.中間試験においては再試験を実施する場合もある.再試験の点数が中間試験の点数を上回った場合には,60点を上限として中間試験の成績を再試験の成績で置き換える.期末試験の再試験は行わない.
<単位修得条件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>微分積分,古典力学,波動,電気磁気学および現代物理学の基礎的な考え方を理解していること.「電子物性基礎」,「半導体工学」における半導体物性およびバイポーラデバイスに関して十分に理解している必要がある.本教科は,半導体工学,電気電子材料の学習が基礎となる教科である.
<レポート等>理解を深めるため,必要に応じて演習課題を与える.
<備考>単に数式を追うのではなく,「電子物性基礎」,「半導体工学」の授業内容とともに,その背景にある物理的意味を理解することが重要である.本教科は,後に学習する複合材料工学(専攻科),非破壊検査工学(専攻科)の基礎となる教科である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 バイポーラトランジスタの復習 1. バイポーラトランジスタの動作原理が説明できる.
2週 電界効果トランジスタの種類 2. 電界効果トランジスタの種類が説明できる.
3週 MOS構造とバンド構造 3. MOS構造とそのバンド構造が説明できる.
4週 MOS構造の三状態 4. MOS構造の蓄積,空乏,反転状態が説明できる.
5週 MOS構造のしきい値電圧 5. MOS構造のしきい値電圧が求められる.
6週 MOS構造の容量ー電圧特性 6. MOS構造の容量−電圧特性が説明できる.
7週 復習・演習問題 これまでに学習した内容を説明できる.
8週 中間試験 これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
2ndQ
9週 MOSFETの動作の定性的取り扱い 7. MOSFETの動作原理を定性的に説明できる.
10週 MOSFETの動作の定量的取り扱いI 8. MOSFETの諸特性を定量的に取り扱うことができる.
11週 MOSFETの動作の定量的取り扱いII 9. MOSFETの諸特性を説明できる.
12週 太陽電池 10. 太陽電池の動作原理を説明できる.
13週 フォトダイオード 11. フォトダイオードの動作原理を説明できる.
14週 発光ダイオード 12. 発光ダイオードの動作原理を説明できる.
15週 半導体レーザ 13. 半導体レーザの動作原理を説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。3
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。3
原子の構造を説明できる。3
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。3
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。3
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。3
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。3

評価割合

試験発表レポート小テスト平常点その他合計
総合評価割合80200000100
配点80200000100