到達目標
電気回路に関する定義や基本法則,及び基本的な電気計測機器の原理を理解した上で,実験を通じて電気計測機器の正しい使用法を体得し,得られた実験データの整理や実験誤差などに関する検討ができ,レポートとして論理的にまとめることができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 電気電子工学および安全に関する基礎知識,専門用語等を十分に理解したうえで実験に臨むことができる. | 電気電子工学および安全に関する基礎知識,専門用語等を概ね理解したうえで実験に臨むことができる. | 電気電子工学および安全に関する基礎知識,専門用語等を理解したうえで実験に臨むことができない. |
評価項目2 | 実験の目的・原理・実験方法・機器の取扱い方法を十分に理解し,積極的に実験に取り組むことができる. | 実験の目的・原理・実験方法・機器の取扱い方法を概ね理解し,実験に取り組むことができる. | 実験の目的・原理・実験方法・機器の取扱い方法を理解し,実験に取り組むことができない. |
評価項目3 | 実験で得られたデータを整理・図表化し,適切な考察等を論理的にまとめたレポートを作成して,期日までに提出することができる. | 実験で得られたデータを整理・図表化し,考察等をまとめたレポートを作成して,期日までに提出することができる. | 実験で得られたデータを整理・図表化し,考察等をまとめたレポートを作成して,提出することができない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
電気電子工学に関する基礎的な物理現象を実験によって理解し,講義では得られない具体的な基本的概念を習得する.特に2年の実験では,電気電子計測機器の使用に慣れ親しみ,基本的な測定法を学ぶことを主な目的とする.
授業の進め方・方法:
・授業内容は学習・教育到達目標(B)<基礎><専門>および(C)<発表>に対応する.
・前期は実験に必要な知識を講義する.
・後期は授業計画に記載のテーマについて,10班に分かれ実験を行う.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>前期の授業で行う下記授業計画の「到達目標」1~4について,3回実施する試験の平均を40%で評価する.それぞれの重みは同じとする.さらに,後期の実験では,実施した6テーマの実験に関する「到達目標」1~13をレポートの内容および口頭試問の結果により60%で評価する.それぞれの重みは同じとする.前期40%および後期60%で分けた点数の合計が満点の60%の得点で目標の達成を確認する.ただし,未実施の実験あるいは未提出のレポートがある場合には単位を認めない.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期に実施する3回の試験の平均点を40%,レポートの内容や実験への取り組み等の総合評価を60%として評価する.
<単位修得要件>全ての実験テーマのレポートを提出し,学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>「電気電子工学序論」で学んだ知識,および数学・物理の基礎知識.本教科は,電気電子工学序論,電気回路の学習が基礎となる教科である.
<レポートなど>実験は班単位で行うが,レポートは各自が必ず提出する.各テーマで指定された提出期限に遅れた場合は,減点あるいは再実験を課す.
<備考>実験の前に,各テーマの予習を行っておくこと.本教科は,後に学習する電気回路,電子回路,電気電子計測,電気電子工学実験の基礎となる教科である.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
測定量の取り扱い
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1. 基本的な電気計測機器の原理を理解し,それらを正しく使用できる
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2週 |
電圧計と倍率器 |
1.基本的な電気計測機器の原理を理解し,それらを正しく使用できる
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3週 |
電流計と分流器 |
1. 基本的な電気計測機器の原理を理解し,それらを正しく使用できる
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4週 |
回路計算の基礎 |
2. 電気回路の基本法則などの事項を理解し,それらに関する計算ができる.
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5週 |
ブリッジ回路 |
2. 電気回路の基本法則などの事項を理解し,それらに関する計算ができる.
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6週 |
キルヒホッフの法則 |
2. 電気回路の基本法則などの事項を理解し,それらに関する計算ができる.
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7週 |
重ね合わせの理 |
2. 電気回路の基本法則などの事項を理解し,それらに関する計算ができる.
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
正弦波交流の基礎 |
3.交流の表示法について理解し,それらを使いこなせる.
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10週 |
周期と周波数 |
3.交流の表示法について理解し,それらを使いこなせる.
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11週 |
位相と位相差 |
3.交流の表示法について理解し,それらを使いこなせる.
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12週 |
正弦波交流とベクトル |
3.交流の表示法について理解し,それらを使いこなせる.
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13週 |
直交座標表示と極座標表示 |
3.交流の表示法について理解し,それらを使いこなせる.
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14週 |
電気計器(テスタ) |
1. 基本的な電気計測機器の原理を理解し,それらを正しく使用できる.
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15週 |
電気計器(オシロスコープ) |
1.基本的な電気計測機器の原理を理解し,それらを正しく使用できる.
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
実験にあたっての安全教育および報告書の作成についての指導 |
4. 安全教育および報告書の作成法について理解している.
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2週 |
各実験テーマについての講義 |
5.各実験の目的および概要を理解している.
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3週 |
第3~15週は10班に分かれ,以下のテーマについて1週または2週にわたっての実験を行う. |
6.電気電子工学の基礎実験をグループで協力して実施でき,実験結果についてのレポートを作成して,指定された期日までに提出できる.
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4週 |
テスターの校正と使用法 |
7.テスターなどの計器の校正の手法を習得している. 使用法を習得している.
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5週 |
電位降下法による抵抗測定 |
8.オームの法則を実験から理解し,抵抗の概念を習得している.
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6週 |
オシロスコープの取り扱い方 |
9.交流波形の観測を行い,オシロスコープの使用法を習得している.交流について理解している.
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7週 |
キルヒホッフの法則 |
10.キルヒホッフの法則を実験から体得し,応用ができる.
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8週 |
ホイートストンブリッジによる抵抗測定 |
11.ブリッジの原理を理解し,抵抗測定法を習得している.
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4thQ |
9週 |
電気工事実技実習 |
12.第2種電気工事士の模擬単位作業試験を体験し,資格取得のための技能を習得している.
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10週 |
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11週 |
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12週 |
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13週 |
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14週 |
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15週 |
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 計測 | オシロスコープの動作原理を説明できる。 | 4 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 電気・電子系分野【実験・実習能力】 | 電気・電子系【実験実習】 | キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。 | 4 | |
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。 | 4 | |
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。 | 4 | |
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 実験レポート | 相互評価 | 態度 | 発表 | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 40 | 60 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
配点 | 40 | 60 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |