応用物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 応用物理Ⅰ
科目番号 0033 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「高等学校物理基礎および物理」(啓林館)「物理・応用物理実験」(鈴鹿工業高等専門学校 理科教室編)問題集:「センサー総合物理」(啓林館)
担当教員 田村 陽次郎,丹波 之宏

到達目標

波動学の基礎および電子の発見から前期量子論に至るまでの理論の基本的な内容を理解し,関連する基本的な計算ができ,与えられた課題に関しては実験を遂行した上で適切にレポートをまとめることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1波動学に関して応用的な問題を解くことができる.波動学に関して基本的な問題を解くことができる.波動学に関して基本的な問題を解くことができない.
評価項目2前期量子論に関して応用的な問題を解くことができる.前期量子論に関して基本的な問題を解くことができる.前期量子論に関して基本的な問題を解くことができない.
評価項目3課題の実験を実施し,自力でレポートにまとめることができる.課題の実験を実施し,指示を受けながらレポートにまとめることができる.課題の実験を実施し,レポートにまとめることができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
近世以降、物理学は科学の発展をリードしてしてきた。その手法は、自然の本質を捉えるために数式に基づいた論理的モデルの構築と実験による新たな発見や検証の繰り返しである。この授業では、2年生に引き続き高等学校程度の物理学を学ぶ。前期量子論、古典物理学,の学習を通して自然科学共通の言語を学ぶと共に問題を自分で考えて解く力を養う。また、既知の実験を通して自然の法則を体験的に学ぶ。
授業の進め方・方法:
前後期共に第1週~第15週の内容はすべて,学習・教育目標(B)<基礎>に相当する
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>到達目標3~16を網羅した問題を1回の中間試験,1回の定期試験、(学習到達度試験)および宿題で出題し,1、2については実験状況の視察およびレポートによって目標の達成度を評価する.試験問題のレベルは高等学校程度である.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>2年生までに習った物理および数学(とりわけベクトル,三角関数),およびレポート作成に必要な一般的国語能力を必要とする.本教科は物理の学習が基本となる教科である.
<学業成績の評価方法および評価基準> 講義:後期中間,学年末の2回の試験及び学習到達度試験の平均点に,平常および長期休みの課題の評価を加えて,それを平均化したものを学業成績の総合評価とする.再試験は行わない.実験:提出されたレポートに関して100点を満点として評価する.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<備考>物理においては,これまでに習得した知識・能力を基盤とした上でしか新しい知識・能力は身に付かない.演習課題や実験レポートは確実にこなして,新しい知識・能力を確かなものにすること.本教科は後に学習する応用物理Ⅱの基礎となる教科である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験ガイダンス,実験テーマ解説 実験の概要を理解する。
2週 1. 分光計:精密な角度測定器の分光計を用いて,ガラスの屈折率を求める. 1. 実験を通して,基本的な機器の使い方を習得しており,自分の力で実験を進めることができる。
3週 1. 同上 2. 実験内容の把握とその結果について分析し,レポートにまとめることができる.
4週 2. レーザー光による光の干渉:光の重要な性質である干渉・回折を,レーザー光を用いて観察する 1. 実験を通して,基本的な機器の使い方を習得しており,自分の力で実験を進めることができる。
5週 2. 同上 2. 実験内容の把握とその結果について分析し,レポートにまとめることができる.
6週 3. 直線電流のまわりの磁界:直線電流の周りにできる磁界の大きさを測定し,地磁気の水平分力を計算する. 1. 実験を通して,基本的な機器の使い方を習得しており,自分の力で実験を進めることができる。
7週 3. 同上 2. 実験内容の把握とその結果について分析し,レポートにまとめることができる.
8週 中間試験(実施しない)
2ndQ
9週 4. 電子の比電荷(e/m)の測定:電子の基本的定数をデモ用の装置を用いて測定する 1. 実験を通して,基本的な機器の使い方を習得しており,自分の力で実験を進めることができる。
10週 4. 同上 2. 実験内容の把握とその結果について分析し,レポートにまとめることができる.
11週 5. 等電位線:様々な条件の下で生じる電界の等電位線を描き,電界の様子を調べる. 1. 実験を通して,基本的な機器の使い方を習得しており,自分の力で実験を進めることができる。
12週 5. 同上 2. 実験内容の把握とその結果について分析し,レポートにまとめることができる.
13週 波の伝わり方 3. 波長,縦波・横波,定常波など,波に関する基礎が理解できる.
14週 波の干渉と回折 4. 波の重ね合わせの原理が理解できる。
15週 波の反射と屈折 5. 波(音,光を含む)の反射と屈折について理解できる.
16週
後期
3rdQ
1週 音波 6.音波および音源の振動に関する基礎が理解できる.
2週 ドップラー効果 7.ドップラー効果を理解し,関連する計算ができる.
3週 光の進み方 8.光の速度を計算できる。
4週 光の性質 9.色,散乱など,光に関する基礎を理解している.
5週 レンズと球面鏡 10.レンズの像の機構を理解し,簡単な作図ができる
6週 ヤングの実験,回折格子 11. 波(音,光を含む)の干渉と回折について理解できる.
7週 薄膜・空気層による光の干渉 11. 波(音,光を含む)の干渉と回折について理解できる.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 電子の電荷と質量 12. 電子の電荷と質量について理解できる
10週 光の粒子性 13. 光やX線,物質波の特徴について理解できる.
11週 X線 13. 光やX線,物質波の特徴について理解できる.
12週 粒子の波動性 13. 光やX線,物質波の特徴について理解できる.
13週 原子モデル 14. 原子モデルに関する基本的な知識を有している
14週 放射線と原子核 15.放射線に関して知識を有している。
15週 原子核反応と核エネルギー 16.核エネルギーに関して知識を有している。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題(実験)相互評価態度発表その他(学習到達度試験)合計
総合評価割合503000020100
配点503000020100