線形代数Ⅰ

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 線形代数Ⅰ
科目番号 0039 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:線形代数(数理工学社),問題集:線形代数問題集(数理工学社),ドリル線形代数(電気書院),参考書:応用数学 (数理工学社) 
担当教員 飯島 和人,片岡 紀智

到達目標

複素平面および線形代数の基本概念を理解し,計算できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1複素数の定義や極形式を理解し様々な問題で適切に計算,応用することができる. 複素数の定義や極形式を理解し典型的な問題で適切に計算することができる.複素数の定義や極形式を理解しておらず適切な計算ができない.
評価項目2 平面及び空間ベクトルの演算(和,定数倍,内積,外積)を理解し,図形等の様々な問題で適切に計算,応用することができる. 平面及び空間ベクトルの演算(和,定数倍,内積,外積)を理解し,図形等の典型的な問題で計算し解くことができる.平面及び空間ベクトルの演算(和,定数倍,内積,外積)を理解しておらず,図形等の問題で適切な計算ができない. 
評価項目3 2×2行列等の和,定数倍,積の様々な問題で適切な計算と応用ができる.2×2行列等の和,定数倍,積の典型的な問題を計算し解くことができる.2×2行列等の和,定数倍,積の問題を適切に計算し解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
2次以上の代数方程式を解いたり電気や流体の変化を表す上で欠かせない複素数の学習を線形代数に含めることとし先に学習する.線形代数とは,2つの量の間の最も基本的な関係であり日常生活でも様々な場面で用いられている比例関係を,多変数へと発展させた数学であり,数理科学や工学の基礎となる.計算力だけでなく,論理的な背景の修得を目的としする.
授業の進め方・方法:
すべての内容は,学習・教育目標(B)〈基礎〉に対応する.
「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で修得する「知識・能力」に相当するものとする.
資料や課題を用意するので,個人またはグループでそれらに積極的に取り組んで理解を深めてもらう.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」の習得の度合いを前期中間試験,前期末試験,後期中間試験,学年末試験及び課題や小テスト・課題により評価する.各項目の重みは概ね授業時間に比例する.評価結果において100点法で60点以上の成績を取得したとき目標を達成したとする.
<学業成績の評価方法および評価基準>4回の定期試験の結果を70%,課題および小テストを30%として,それぞれの期間毎に評価し,これらの平均値を最終評価とする.ただし,定期試験で60点に達していない者には再試験を課し,再試験の成績が定期試験の成績を上回った場合には,60点を上限としてそれぞれの試験の成績を再試験の成績で置き換えるものとする.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本教科の学習には基礎数学A,基礎数学Bで学習した全ての内容の修得が必要である.
<課題>長期休暇中および随時教科書問題等より課題・小テストを課す.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 複素数と演算 1.複素数の四則演算と共役複素数について理解し計算できる.
2週 複素数平面 2.複素数平面の表し方を理解し、絶対値を求めることができる.
3週 極形式 3.極形式で表して積や商を求めることができる.
4週 ド・モアブルの定理 4.ド・モアブルの定理を理解してn乗根を求めたり方程式を解くことができる.
5週 図形への応用 5.方程式から点zの軌跡を求めることができる.
6週 平面ベクトルの定義,和とスカラー倍 6.平面ベクトルの概念を理解し,基本的な演算ができる.
7週 平面ベクトルの成分表示 7.平面ベクトルの成分表示を理解し,大きさや1次結合が求められる.
8週 前期中間試験 上記1~7.
2ndQ
9週 平面ベクトルの内積 8.平面ベクトルの内積を理解し,大きさやなす角に利用できる.
10週 平面ベクトルの平行・垂直 9.平面ベクトルの平行条件,垂直条件が利用できる.
11週 内分点・外分点,直線の方程式 10.内分・外分公式を理解し,図形の問題等へ応用できる.
11.平面上の直線を1次方程式,媒介変数表示の両方で表せる.
12週 円のベクトル方程式 12.円のベクトル方程式を利用できる.
13週 平面ベクトルの1次独立・1次従属 13.平面ベクトルの一次独立・一次従属の概念を理解し,図形に応用できる.
14週 空間ベクトルの成分表示 14.空間ベクトルの概念を理解し,基本的な演算ができる.
15週 総合演習 上記8~14
16週
後期
3rdQ
1週 空間ベクトルの内積 15.空間ベクトルの内積を理解し,図形に応用することができる.
2週 内分点と外分点の位置ベクトル,球面の方程式 16.空間の内分点・外分点の位置ベクトルを求めることができる.
17.球面の方程式を求めることができる.
3週 空間の直線の方程式 18.空間の直線の方程式を媒介変数で表すことができる.
4週 平面の方程式 19.平面の方程式を求めることができる.
5週 直線と平面の交点,点と平面の距離 20.ベクトルの外積を理解し,利用できる.
21.点と平面の距離を求めることができる.
6週 行列の定義,和と実数倍 22.行列の定義を理解し,和と実数倍が計算できる.
7週 行列の積 23.行列の積が計算できる.
8週 後期中間試験 上記15~23
4thQ
9週 逆行列と行列式 24.2行2列の逆行列を求め利用できる.
10週 連立一次方程式 25.行列を用いて連立1次方程式が解ける.
11週 不定解と不能解 26.不定解と不能解を表すことができる.
12週 1次変換 27.1次変換が行列で表せることを理解し,利用できる.
13週 合成変換と表現行列の積 28.合成変換の表現行列を理解し,利用できる.
14週 回転と鏡映 29.回転や鏡映が一次変換であることを理解し,利用できる.
15週 1次変換による直線の像 30.1次変換による直線の像を求めることができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。2
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。2
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。2
1次不等式や2次不等式を解くことができる。2
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。2
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。2
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。2
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。2
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3
一般角の三角関数の値を求めることができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。2
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3

評価割合

試験課題・小テスト合計
総合評価割合7030100
配点7030100