電気回路

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電気回路
科目番号 0048 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:西巻,森,荒井著「電気回路の基礎」,小郷 原著, 小亀, 石亀 著「基礎からの交流理論」(電気学会)
担当教員 辻 琢人

到達目標

交流回路の理論を学ぶために必要な複素数計算や回路の諸法則を理解し,種々の交流回路におけるインピーダンス,アドミタンス,電流,電圧,電力,力率等を計算することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1フェーザ軌跡に関する応用的な問題が解ける.フェーザ軌跡に関する基本的な問題が解ける.フェーザ軌跡に関する問題が解けない.
評価項目2共振回路に関する応用的な問題が解ける.共振回路に関する基本的な問題が解ける.共振回路に関する問題が解けない.
評価項目3相互誘導回路に関する応用的な問題が解ける.相互誘導回路に関する基本的な問題が解ける.相互誘導回路に関する問題が解けない.
評価項目4三相交流回路に関する応用的な問題が解ける.三相交流回路に関する基本的な問題が解ける.三相交流回路に関する問題が解けない.
評価項目5四端子回路に関する応用的な問題が解ける.四端子回路に関する基本的な問題が解ける.四端子回路に関する問題が解けない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気回路は受動素子(R,L,C)により構成されている回路を解析,評価あるいは設計するための理論で,電気工学,電子工学,通信工学等を学ぶ学生にとって最も重要な基礎科目の一つである.授業では2年生で学んだ直流回路,交流回路の基礎事項を再確認していくとともに,具体的な演習を通じて,種々の回路解析に自由に対応できるような知識と理解力を深めていく.
授業の進め方・方法:
・すべての授業内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>に対応する.
・授業は講義形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を中間試験および定期試験で出題し,目標の達成度を評価する.授業計画の「到達目標」に関する重みは概ね均等とし,試験問題とレポート課題のレベルは100点法により60点以上の得点で目標の達成を確認する.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期末,後期中間,学年末の3回の試験の平均点で評価する.課題・小テストは,学業成績の25%を上限として評価に組み入れる.なお、前期期末,後期中間,学年末試験について60点に達していない者には再試験を課すことがある.再試験の結果は,単位修得のために最低限必要な範囲で考慮する.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本教科は2年次の電気回路の学習が基礎となる教科である.本教科の学習には,三角関数,指数関数,対数関数,複素数,微分,積分などの基礎数学の習得が必要である.また,電気電子工学序論や電気電子工学演習で学んだ電気・電子工学に関する基礎的知識も必要となる.
<レポートなど>学習内容の復習と応用力の育成のため,随時,演習課題を与える.
<備考>本教科は4年次で学習する電気回路の基礎となる教科である.授業中に理解できるように心掛けるとともに,知識確認のために常に多くの問題を解いていく姿勢が大切である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 基本回路の周波数特性 1. 基本的な交流回路の周波数特性を理解できる
2週 フェーザ軌跡 2. 基本的な交流回路のフェーザ軌跡を図示できる
3週 フェーザ軌跡 上記2
4週 直列共振 3. 共振回路の現象を計算できる
5週 直列共振 上記3
6週 並列共振 上記3
7週 並列共振 上記3
8週 演習(第1週から第7週までのまとめ) 上記 1, 2, 3
2ndQ
9週 相互誘導回路 4. 相互インダクタンスMを含む回路の電圧・電流が満たすべき方程式を立て,諸量が求められる.
10週 相互誘導回路 上記4
11週 相互誘導回路の等価回路 上記4
12週 相互インダクタンスに関する演習 上記4
13週 変圧器結合回路 5. 変圧器結合回路の電圧・電流を求められる.
14週 変圧器結合回路の等価回路 上記5
15週 演習(第1週から第14週までのまとめ) 上記1, 2, 3, 4, 5
16週
後期
3rdQ
1週 三相交流の基礎と表示法 6. 多相交流の発生原理を理解し,対称三層交流の瞬時式,ベクトル表記式を書くことができる.
2週 Y結線とΔ結線 7. 三相起電力および三相負荷の結合方式であるY結線とΔ結線を理解し,線間電圧と相電圧,線電流と相電流の対応関係を説明でき,計算ができる.
3週 平衡三相回路(その1):Y−Y結線,Δ−Δ結線 8. 平衡三相回路において,Y−Y結線,Δ−Δ結線の回路解析ができる.
4週 平衡三相回路(その2):Y−Δ結線,Δ−Y結線 9. 平衡三相回路において,Y−Δ結線,Δ−Y結線の回路解析ができる.
5週 平衡三相回路の解析演習 上記8, 9
6週 V結線回路 10. V結線に関して理解し,計算ができる.
7週 不平衡三相回路 11. 不平衡三相回路に関して理解し,基礎的な計算ができる.
8週 後期中間試験 これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
4thQ
9週 中間試験の結果に基づく復習と演習
10週 平衡三相電力の測定 12. 平衡三相回路の電力の計測法に関して説明および計算ができる.
11週 回転磁界 13. 回転磁界の発生原理に関して説明できる.
12週 四端子回路網 14. 四端子回路網の基礎事項を理解,各種行列表記に関する計算ができる.
13週 アドミタンス行列、インピーダンス行列 上記14
14週 F行列、H行列 上記14
15週 四端子回路の接続 15. 四端子回路の接続を理解し,計算できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4前10
理想変成器を説明できる。4
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4

評価割合

試験課題・小テスト合計
総合評価割合7525100
配点7525100