到達目標
電子回路の解析に必要となる電気回路の知識に習熟し,半導体の概要,ダイオード,トランジスタ,FETの動作を理解し,これらの素子を等価回路で表すことができ,増幅回路の動作の解析に応用できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 半導体の概要とダイオード・トランジスタ・FETの動作について理解し,説明ができる. | 半導体の概要とダイオード・トランジスタ・FETの動作の基本について理解し,説明ができる. | 半導体の概要とダイオード・トランジスタ・FETの動作の基本について理解し,説明ができない. |
評価項目2 | トランジスタ・FETを用いた増幅回路について説明でき,増幅度・入出力インピーダンスなどの応用的な計算ができる. | トランジスタ・FETを用いた増幅回路について説明でき,増幅度・入出力インピーダンスなどの基本的な計算ができる. | トランジスタ・FETを用いた増幅回路について説明でき,増幅度・入出力インピーダンスなどの基本的な計算ができない. |
評価項目3 | 負帰還増幅回路・差動増幅回路・オペアンプの動作について説明でき,応用的な計算ができる. | 負帰還増幅回路・差動増幅回路・オペアンプの動作について説明でき,基本的な計算ができる. | 負帰還増幅回路・差動増幅回路・オペアンプの動作について説明でき,基本的な計算ができない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
電子回路では,入出力端子間の電圧電流だけに注目し,回路の働きを等価的に捉えるという考えが大切である.この授業ではまず,能動素子を形成する半導体の概要,ダイオード・トランジスタ・FETの動作について理解する.また,この等価回路の考えを中心にし,トランジスタ増幅器,電力増幅,負帰還回路,演算増幅器の解析法を習得することを目標とする.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>に対応する.
・授業は講義形式で行う,講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
〈到達目標の評価方法と基準〉下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を中間試験および定期試験で出題し,目標の達成度を評価する.各到達目標に関する重みは同じである.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
〈学業成績の評価方法および評価基準〉前期中間・前期末・後期中間・学年末の4回の試験の平均点とレポート等で評価する.ただし,それぞれの試験について60点に達していない者には再試験を課し,再試験の点数に0.9を乗じた成績が該当する試験の成績を上回った場合には60点を上限としてそれぞれの試験の成績を再試験の成績で置き換えるものとする.レポートの評価の割合は12%を上限とし,前期末と学年末の試験の評価に加味する.
〈単位修得要件〉学業成績で60点以上を取得すること.
〈あらかじめ要求される基礎知識の範囲〉本教科は電気回路の学習が基礎となる教科である.電気回路で学習する回路解析法について,充分習熟しておくこと.
〈レポート等〉理解を深めるため,随時,演習課題を与える.
〈備考〉本教科は後に学習するディジタル回路,制御システムと強く関連する教科である.また,教科書の例題,問,章末問題を各自復習で解くこと.数多くの問題に取り組むことが,実力をつけるための一番の近道である.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
電子回路はどのようなことを学ぶ科目か,半導体素子の写真を説明,抵抗とコンデンサの値の読み方 |
1.電子回路で用いる素子について説明できる.
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2週 |
半導体-1-周期表,電子部品の例示,半導体と原子 |
2.半導体について説明できる.
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3週 |
半導体-2-自由電子と正孔の働き,半導体の種類,キャリヤのふるまい |
上記2.
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4週 |
ダイオードとトランジスタ-1- |
3.ダイオードとトランジスタについて説明できる.
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5週 |
ダイオードとトランジスタ-2- |
上記3.
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6週 |
ダイオードとトランジスタ-3- |
上記3.
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7週 |
電界効果トランジスタ-1-接合形FET |
4.電界効果トランジスタについて説明できる.
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8週 |
前期中間試験 |
これまでに学習した内容(上記1~4)を説明し,諸量を求めることができる.
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2ndQ |
9週 |
電界効果トランジスタ-2-MOSFET |
上記4.
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10週 |
その他の半導体素子,集積回路 |
5.その他の半導体素子,集積回路を説明できる.
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11週 |
トランジスタ増幅回路-1-動作原理 |
6.トランジスタによる増幅の原理,バイアス,負荷線,動作点,増幅度と利得を説明できる.
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12週 |
トランジスタ増幅回路-2-バイアス,動特性,負荷線,動作点 |
上記6.
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13週 |
トランジスタ増幅回路-3-増幅度と利得 |
上記6.
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14週 |
トランジスタのhパラメータと等価回路 |
7.トランジスタのhパラメータと等価回路について説明できる.
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15週 |
演習 |
これまでに学習した内容(上記4~7)を説明できる.
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
トランジスタのバイアス回路-1-固定バイアス,自己バイアス |
8.トランジスタのバイアス回路について説明できる.
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2週 |
トランジスタのバイアス回路-2-電流帰還バイアス回路 |
上記8.
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3週 |
トランジスタによる小信号増幅回路-1-直流回路と交流等価回路 |
9.トランジスタによる小信号増幅回路について説明できる.
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4週 |
トランジスタによる小信号増幅回路-2-電圧増幅度と周波数特性 |
上記9.
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5週 |
トランジスタによる小信号増幅回路-3-小信号増幅回路の設計 |
上記9.
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6週 |
FETによる小信号増幅回路-1- |
10.FETによる小信号増幅回路について説明できる.
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7週 |
FETによる小信号増幅回路-2-と演習 |
上記10およびこれまでに学習した内容(上記8、9)を説明できる.
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8週 |
後期中間試験 |
これまでに学習した内容(上記8~10)を説明し,諸量を求めることができる.
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4thQ |
9週 |
負帰還増幅回路-1-負帰還の原理と特徴 |
11.負帰還増幅回路について説明できる.
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10週 |
負帰還増幅回路-2-エミッタ抵抗による負帰還 |
上記11.
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11週 |
負帰還増幅回路-3-エミッタホロワ |
上記11.
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12週 |
負帰還増幅回路-4-多段増幅回路の負帰還 |
上記11.
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13週 |
演算増幅器-1-特性と等価回路 |
12.演算増幅器について説明できる.
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14週 |
演算増幅器-2-演算増幅器の使い方 |
上記12.
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15週 |
演習 |
これまでに学習した内容(上記11,12)を説明できる.
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電子回路 | ダイオードの特徴を説明できる。 | 4 | |
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。 | 4 | |
FETの特徴と等価回路を説明できる。 | 4 | |
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。 | 4 | |
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。 | 4 | |
演算増幅器の特性を説明できる。 | 4 | |
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 課題 | 相互評価 | 態度 | 発表 | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 88 | 12 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
配点 | 88 | 12 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |