電子回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電子回路Ⅰ
科目番号 0050 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「電子回路」 高木 茂孝監修(実教出版)参考書:「基礎電気・電子工学シリーズ3 電子回路」桜庭・大塚・熊耳共著 (森北出版)
担当教員 西村 高志

到達目標

電子回路の解析に必要となる電気回路の知識に習熟し,半導体の概要,ダイオード,トランジスタ,FETの動作を理解し,これらの素子を等価回路で表すことができ,各種の増幅回路の動作の解析に応用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1半導体の概要とダイオード・トランジスタ・FETの動作について理解し,説明ができる.半導体の概要とダイオード・トランジスタ・FETの動作の基本について理解し,説明ができる.半導体の概要とダイオード・トランジスタ・FETの動作の基本について理解し,説明ができない.
評価項目2トランジスタ・FETを用いた増幅回路について説明でき,増幅度・入出力インピーダンスなどの応用的な計算ができる.トランジスタ・FETを用いた増幅回路について説明でき,増幅度・入出力インピーダンスなどの基本的な計算ができる.トランジスタ・FETを用いた増幅回路について説明でき,増幅度・入出力インピーダンスなどの基本的な計算ができない.
評価項目3負帰還増幅回路・差動増幅回路・オペアンプの動作・電力増幅・高周波増幅について説明でき,応用的な計算ができる.負帰還増幅回路・差動増幅回路・オペアンプ・電力増幅・高周波増幅の動作について説明でき,基本的な計算ができる.負帰還増幅回路・差動増幅回路・オペアンプ・電力増幅・高周波増幅の動作について説明でき,基本的な計算ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電子回路では,入出力端子間の電圧電流だけに注目し,回路の働きを等価的に捉えるという考えが大切である.この授業ではまず,能動素子を形成する半導体の概要,ダイオード・トランジスタ・FETの動作について理解する.また,この等価回路の考えを中心にし,トランジスタ増幅器,電力増幅,負帰還回路,演算増幅器,高周波増幅回路の解析法を習得することを目標とする.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>に対応する.
・授業は講義形式で行う,講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
〈到達目標の評価方法と基準〉下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を中間試験および定期試験で出題し,目標の達成度を評価する.各到達目標に関する重みは同じである.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
〈学業成績の評価方法および評価基準〉前期中間・前期末・後期中間・学年末の4回の試験の平均点で評価する.ただし,それぞれの試験について60点に達していない者には再試験を課し,60点を上限としてそれぞれの試験の成績を再試験の成績で置き換えるものとする.
〈単位修得要件〉学業成績で60点以上を取得すること.
〈あらかじめ要求される基礎知識の範囲〉本教科は電気回路の学習が基礎となる教科である.電気回路で学習する回路解析法について,充分習熟しておくこと.
〈レポート等〉理解を深めるため,随時,演習課題を与える.
〈備考〉本教科は後に学習するディジタル回路,制御システムと強く関連する教科である.また,授業で与える問題は各自復習で解き確実に習得すること.数多くの問題に取り組むことが,実力をつけるための一番の近道である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 半導体 1.半導体について説明できる.
2週 ダイオード 2.ダイオードについて説明できる.
3週 トランジスタ 3.トランジスタについて説明できる.
4週 その他半導体素子と集積回路 4.その他半導体素子と集積回路について説明できる.
5週 トランジスタによる増幅の原理 5.トランジスタによる増幅の原理について説明できる.
6週 トランジスタの増幅回路 6.トランジスタの増幅回路について説明できる.
7週 演習 これまでに学習した内容(上記1~6)を説明できる.
8週 前期中間試験 これまでに学習した内容(上記1~4)を説明し,諸量を求めることができる.
2ndQ
9週 トランジスタのhパラメータと小信号等価回路 7.トランジスタのhパラメータと小信号等価回路について説明できる.
10週 バイアス回路の安定度 8.バイアス回路の安定度について説明できる.
11週 バイアス回路の種類と特徴 9.バイアス回路の種類と特徴について説明できる.
12週 小信号増幅回路の基本特性ー周波数特性 10.小信号増幅回路の基本特性ー周波数特性について説明できる.
13週 トランジスタによる小信号増幅回路の設計 11.トランジスタによる小信号増幅回路の設計について説明できる.
14週 トランジスタによる小信号増幅回路の設計 11.トランジスタによる小信号増幅回路の設計について説明できる.
15週 演習 これまでに学習した内容(上記7~11)を説明できる.
16週
後期
3rdQ
1週 FETの小信号基本増幅回路と等価回路 12.FETの小信号基本増幅回路と等価回路について説明できる.
2週 FETのバイアス回路 13.FETのバイアス回路について説明できる.
3週 FETによる小信号増幅回路 14.FETによる小信号増幅回路について説明できる.
4週 負帰還の原理とエミッタ抵抗による負帰還 15.負帰還の原理とエミッタ抵抗による負帰還について説明できる.
5週 エミッタホロワ 16.エミッタホロワについて説明できる.
6週 演算増幅器の特性と等価回路 17.演算増幅器の特性と等価回路について説明できる.
7週 演算増幅器の基本的な使い方 18.演算増幅器の基本的な使い方について説明できる.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 電力増幅回路の基礎 19.電力増幅回路の基礎について説明できる.
10週 A級シングル電力増幅回路 20.A級シングル電力増幅回路について説明できる.
11週 B級プッシュプル電力増幅回路 21.B級プッシュプル電力増幅回路について説明できる.
12週 ダーリントン接続 22.ダーリントン接続について説明できる.
13週 高周波増幅の基礎 23.高周波増幅の基礎について説明できる.
14週 高周波増幅回路の特性 24.高周波増幅回路の特性について説明できる.
15週 高周波増幅回路の例 25.高周波増幅回路の例を挙げて説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。4
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。4
FETの特徴と等価回路を説明できる。4
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。4
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。4
演算増幅器の特性を説明できる。4
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。4

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合10000000100
配点10000000100