概要:
本授業では,先の「日本語教育ⅠA」の学習を受けて,中級段階の実用的な日本語の習得を主目標にする.また,「表現することのよろこび」を学ぶことを柱に据え,具体的には「漢字」・「語彙」・「読解力」「作文力」等の基礎学力をより向上させ,「口頭表現力」「聴解力」を効果的に学習することにより,コミュニケーション力を養う.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は学習・教育目標(A)の<視野>,(C)の<発表>に相当する.
・授業は主に演習形式で行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
〈到達目標の評価方法と基準〉この授業で習得する「知識・能力」を網羅した問題を1回の中間試験,1回の定期試験と口頭発表課題で出題し,目標の達成度を評価する.達成度評価における各「知識・能力」の重みは概ね均等とする.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
〈学業成績の評価方法および評価基準〉中間試験・定期試験により70%,課題,発表等の結果を30%として評価する.定期試験で60点に達していない学生については、再試験を行い60点を上限としてそれぞれの成績に置き換えるものとする。
〈単位修得要件〉学業成績で60点以上を取得すること.
〈あらかじめ要求される基礎知識の範囲〉実際の日常生活において,分からない言葉やことがらなどをメモしておくこと.なお,本教科は「日本語教育ⅠA」の学習が基礎となる教科である.
〈課題等〉理解を助けるために,口頭発表課題を与え,発表させるとともに提出させる.
〈備考〉日本における実際の日常生活の中において,何事にも「積極的」,「意欲的」に取り組むように努力する.特に,後半の実践授業については,学習者主体の授業になるので,積極的に材料の収集や調査に努め,意欲的に発表を行うこと.本教科は後に学習する「日本語教育Ⅱ」の基礎となる教科である.なお,学生の習熟度によって内容を適宜変更する場合がある.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
中級漢字・語彙 ディスカッション 「日本語学習における問題点・改善法」 |
1.中級漢字の読み書きができる.テーマに沿って語彙を習得し現実的な場面で使えるようになる.
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2週 |
中級漢字・語彙 読解・富士山(日本文化) |
上記1に同じ. 2.読解では「文章を読む」ディスカッションを通し「自分の考えをまとめ話す」「他者の意見を聞く」ことができる.
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3週 |
中級漢字・語彙 読解・夢中になる人たち(趣味) |
上記1.2.に同じ.
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4週 |
中級漢字・語彙 読解・和食(日本料理) |
上記1.2.に同じ.
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5週 |
中級漢字・語彙 読解・怪談 |
上記1.2.に同じ.
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6週 |
中級漢字・語彙 読解・遅刻(時間についての意識の違い) |
上記1.2.に同じ.
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7週 |
中級漢字・語彙 読解・災害 |
上記1.2.に同じ.
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8週 |
中間試験 |
上記1.2.で学習した内容を正しく理解している.
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4thQ |
9週 |
中級漢字・語彙 読解・ストレス |
上記1.2.に同じ.
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10週 |
中級漢字・語彙 読解・教育(自国の教育、日本の教育) |
上記1.2.に同じ.
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11週 |
中級漢字・語彙 読解・若者(現代日本の若者事情) |
上記1.2.に同じ.
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12週 |
中級漢字・語彙 記述・自己紹介文 |
上記1.に同じ. 3.印象に残るように伝えることを意識し,自己紹介文を書くことができる.
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13週 |
中級漢字・語彙 発表・自己紹介文 |
上記1.に同じ. 4.印象に残るように伝えることを意識し,自己紹介文を発表することができる.
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14週 |
中級漢字・語彙 記述・将来の夢 |
上記1.に同じ. 5.記述では,エピソード,自身の試み等を盛り込み構成を工夫してまとまりのある文に仕上げることができる.
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15週 |
中級漢字・語彙 発表・将来の夢 |
上記1.に同じ. 6.表情,声の大きさ,スピード,トーンや間の取り方を意識し,身振り手振りなども工夫して説得力のある発表ができる.
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 国語 | 国語 | 論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。 | 3 | |
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。 | 3 | |
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。 | 3 | |
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。 | 3 | |
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。 | 3 | |
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。 | 3 | |
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。 | 3 | |
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。 | 3 | |
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。 | 3 | |
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。 | 3 | |
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。 | 3 | |
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。 | 3 | |
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。 | 3 | |
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。 | 3 | |
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。 | 3 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。 | 3 | |
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。 | 3 | |
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。 | 3 | |
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。 | 3 | |
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。 | 3 | |
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。 | 3 | |
他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 3 | |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 3 | |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 3 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 3 | |
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。 | 3 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。 | 3 | |