技術経営Ⅱ

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 技術経営Ⅱ
科目番号 0071 科目区分 一般 / 選択必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 参考書:海野進『人口減少時代の地域経営』同友館,2014.宇都宮浄人『地域再生の戦略―「交通まちづくり」というアプローチ』ちくま新書,2015.アミタ持続可能経済研究所『地域ビジネス起業の教科書』幻冬舎,2010.根本祐二『「豊かな地域」はどこがちがうのか 地域間競争の時代』ちくま新書,2013.山中英生,小谷通泰,新田保次:<改訂版>まちづくりのための交通戦略-パッケージアプローチのすすめ,学芸出版社 その他授業中適宜指示する.
担当教員 渡邉 潤爾

到達目標

1. 自己が主体的に参画していく地域社会における問題のポイントを、地域経営学の視点から理解できる.
2. 経営学の手法による地域活性化の方法論を理解できる.
3. 住民団体や自治体、企業など主体間の相互関係を理解できる.                           4.地域社会の特質や課題に関して書籍、インターネット等により必要な情報を収集し、地域経営学の観点から論述できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1自己が主体的に参画していく地域社会における問題のポイントを,地域経営学の視点から応用的に理解できる.自己が主体的に参画していく地域社会における問題のポイントを,地域経営学の視点から基本的に理解できる.自己が主体的に参画していく地域社会における問題のポイントを,地域経営学の視点から理解できない.
評価項目2経営学の手法による地域活性化の方法論を応用的に理解できる.経営学の手法による地域活性化の方法論を基本的に理解できる.経営学の手法による地域活性化の方法論を理解できない.
評価項目3住民団体や自治体,企業など主体間の相互関係を応用的に理解できる.住民団体や自治体,企業など主体間の相互関係を基本的に理解できる.住民団体や自治体,企業など主体間の相互関係を理解できない.
評価項目4地域社会の特質や課題に関して書籍,インターネット等により必要な情報を収集し,地域経営学の観点から応用的に論述できる.地域社会の特質や課題に関して書籍,インターネット等により必要な情報を収集し,地域経営学の観点から基本的に論述できる.地域社会の特質や課題に関して書籍,インターネット等により必要な情報を収集し,地域経営学の観点から論述できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業では,地域社会の構成と企業の位置づけ,交通まちづくりの基礎に関する講義に続いて,企業経営の手法による地域活性化および交通まちづくりの実践について講義する.特に地域での起業や事業化戦略の理論,さらに交通まちづくりに関する計画論を学びながら,企業経営と地域との関係性,および持続可能な交通まちづくりのあり方について考えを深めることを目的とする.
授業の進め方・方法:
<授業の進め方と授業内容、授業方法>
・全ての内容は学習・教育目標(A)<視野>とJABEE基準1(1)(a)(b)に対応する.
・全ての授業は講義形式で行う。授業中は集中して講義に耳を傾けること.教員からの質問に答えられるように準備すること.       
・授業計画における各週の「到達目標」は,この授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を中間試験と,定期試験で出題し,目標の達成度を評価する.達成度評価における各「知識・能力」の重みは概ね均等とする.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>
中間・期末の試験結果を各40%(計80%),レポート課題を20%として計算した合計点を最終評価とする.但し,前期中間の評価で60点に達していない学生については再試験を行い,再試験の成績が前期中間の成績を上回った場合には,60点を上限として前期中間の成績を再試験の成績で置き換えるものとする.期末試験については,再試験を行わない.
<単位修得要件>
与えられた課題を提出し,学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
2年生の「政治・経済」の知識を修得していること.
<自己学習およびレポート>
授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験,のための学習も含む)およびレポート作成に必要な標準的な学習時間の総計が45時間に相当する学習内容である. 
<備考>
各回の授業で扱うトピックについて,配布資料および参考書の該当箇所を事前に必ず読んでおくこと.
前期開講の「技術経営Ⅰ」も併せて履修することが,より深い理解に有益である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 地域社会の現状と課題 1.少子高齢化、人口減少、地域間格差といった地域社会の現状と問題点を把握する.
2週 経営学的手法による地域活性化の模索 2.民間企業の経営手法による地域活性策の方策、その適用の是非について理解する.
3週 ガバナンスとしての地域経営 3.地域経営の定義、協業による地域経営のシステムを理解する.
4週 地域主体とその役割 4.住民、企業、NPO(非営利組織)、政府といった、地域を構成する主体の性格と相互関係を理解する.
5週 ソーシャルキャピタルと地域コミュニティ 5.地域構成員の流動化という現状の中で、ソーシャルキャピタル(社会的資本)の地域経営における役割を理解する.
6週 地域における行政の役割と運営方式の変遷 6.自治体という地域政府のあり方、役割の変遷を理解する.
7週 地域産業活性化政策とその展開 7.従来の地域産業活性化政策のシステムを理解し、現状で求められている変化について把握する.
8週 中間試験 目標1~7のこれまでの学習内容を理解し,自ら記述できる.問題について自らの考えを論述できる.
4thQ
9週 中間試験の解説,
データによる地域分析とその手法
8.コーホート分析やSWOT分析など,データによる地域の現状分析の手法を理解する.
10週 地域における企業の位置づけ 9.雇用の吸収先,地域産業の担い手,活性化の主体としての企業の役割を理解する.
11週 地域経営とマーケティング 10.地域産業を活性化させるための手段として,マーケティング(市場調査)の手法を習得し,理解する.
12週 地域マーケティングと活性化政策の関係 11.マーケティングによる地域資源の発掘と,活性化のための組織づくりを習得する.
13週 交通まちづくりとは何か 12.地域住民の生活利便のため,交通まちづくりの重要性と内容について理解する.
14週 福祉からの交通まちづくりへのアプローチ 13.交通まちづくりと住民の福祉の関係性を理解し,具体的な手法を習得する.
15週 環境からの交通まちづくりへのアプローチ 14.低炭素化など環境改善の手段として,LRT(低床型路面電車),自転車の活用といった交通まちづくりの手法と課題を理解する.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民的分野自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合80200000100
配点80200000100