波動学の基礎および電子の発見から前期量子論に至るまでの理論の基本的な内容を理解し,関連する基本的な計算ができ,与えられた課題に関しては実験を遂行した上で適切にレポートをまとめることができる。
概要:
近世以降、物理学は科学の発展をリードしてしてきた。その手法は、自然の本質を捉えるために数式に基づいた論理的モデルの構築と実験による新たな発見や検証の繰り返しである。この授業では、2年生に引き続き高等学校程度の物理学を学ぶ。前期量子論、古典物理学,の学習を通して自然科学共通の言語を学ぶと共に問題を自分で考えて解く力を養う。また、既知の実験を通して自然の法則を体験的に学ぶ。
授業の進め方・方法:
前後期共に第1週~第15週の内容はすべて,学習・教育目標(B)<基礎>に相当する
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>到達目標3~16を網羅した問題を1回の中間試験,1回の定期試験、(学習到達度試験)および宿題で出題し,1、2については実験状況の視察およびレポートによって目標の達成度を評価する.試験問題のレベルは高等学校程度である.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>2年生までに習った物理および数学(とりわけベクトル,三角関数),およびレポート作成に必要な一般的国語能力を必要とする.本教科は物理の学習が基本となる教科である.
<学業成績の評価方法および評価基準> 講義:後期中間,学年末の2回の試験及び学習到達度試験の平均点に,平常および長期休みの課題の評価を加えて,それを平均化したものを学業成績の総合評価とする.再試験は行わない.実験:提出されたレポートに関して100点を満点として評価する.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<備考>物理においては,これまでに習得した知識・能力を基盤とした上でしか新しい知識・能力は身に付かない.演習課題や実験レポートは確実にこなして,新しい知識・能力を確かなものにすること.本教科は後に学習する応用物理Ⅱの基礎となる教科である.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
実験ガイダンス,実験テーマ解説 |
実験の概要を理解する。
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2週 |
1. 分光計:精密な角度測定器の分光計を用いて,ガラスの屈折率を求める. |
1. 実験を通して,基本的な機器の使い方を習得しており,自分の力で実験を進めることができる。
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3週 |
1. 同上 |
2. 実験内容の把握とその結果について分析し,レポートにまとめることができる.
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4週 |
2. レーザー光による光の干渉:光の重要な性質である干渉・回折を,レーザー光を用いて観察する |
1. 実験を通して,基本的な機器の使い方を習得しており,自分の力で実験を進めることができる。
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5週 |
2. 同上 |
2. 実験内容の把握とその結果について分析し,レポートにまとめることができる.
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6週 |
3. 直線電流のまわりの磁界:直線電流の周りにできる磁界の大きさを測定し,地磁気の水平分力を計算する. |
1. 実験を通して,基本的な機器の使い方を習得しており,自分の力で実験を進めることができる。
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7週 |
3. 同上 |
2. 実験内容の把握とその結果について分析し,レポートにまとめることができる.
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8週 |
中間試験(実施しない) |
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2ndQ |
9週 |
4. 電子の比電荷(e/m)の測定:電子の基本的定数をデモ用の装置を用いて測定する |
1. 実験を通して,基本的な機器の使い方を習得しており,自分の力で実験を進めることができる。
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10週 |
4. 同上 |
2. 実験内容の把握とその結果について分析し,レポートにまとめることができる.
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11週 |
5. 等電位線:様々な条件の下で生じる電界の等電位線を描き,電界の様子を調べる. |
1. 実験を通して,基本的な機器の使い方を習得しており,自分の力で実験を進めることができる。
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12週 |
5. 同上 |
2. 実験内容の把握とその結果について分析し,レポートにまとめることができる.
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13週 |
波の伝わり方 |
3. 波長,縦波・横波,定常波など,波に関する基礎が理解できる.
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14週 |
波の干渉と回折 |
4. 波の重ね合わせの原理が理解できる。
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15週 |
波の反射と屈折 |
5. 波(音,光を含む)の反射と屈折について理解できる.
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
音波 |
6.音波および音源の振動に関する基礎が理解できる.
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2週 |
ドップラー効果 |
7.ドップラー効果を理解し,関連する計算ができる.
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3週 |
光の進み方 |
8.光の速度を計算できる。
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4週 |
光の性質 |
9.色,散乱など,光に関する基礎を理解している.
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5週 |
レンズと球面鏡 |
10.レンズの像の機構を理解し,簡単な作図ができる
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6週 |
ヤングの実験,回折格子 |
11. 波(音,光を含む)の干渉と回折について理解できる.
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7週 |
薄膜・空気層による光の干渉 |
11. 波(音,光を含む)の干渉と回折について理解できる.
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8週 |
後期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
電子の電荷と質量 |
12. 電子の電荷と質量について理解できる
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10週 |
光の粒子性 |
13. 光やX線,物質波の特徴について理解できる.
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11週 |
X線 |
13. 光やX線,物質波の特徴について理解できる.
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12週 |
粒子の波動性 |
13. 光やX線,物質波の特徴について理解できる.
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13週 |
原子モデル |
14. 原子モデルに関する基本的な知識を有している
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14週 |
放射線と原子核 |
15.放射線に関して知識を有している。
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15週 |
原子核反応と核エネルギー |
16.核エネルギーに関して知識を有している。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 3 | |
横波と縦波の違いについて説明できる。 | 3 | |
波の重ね合わせの原理について説明できる。 | 3 | |
波の独立性について説明できる。 | 3 | |
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。 | 3 | |
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。 | 3 | |
ホイヘンスの原理について説明できる。 | 3 | |
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。 | 3 | |
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。 | 3 | |
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。 | 3 | |
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。 | 3 | |
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。 | 3 | |
自然光と偏光の違いについて説明できる。 | 3 | |
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。 | 3 | |
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。 | 3 | |
物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 3 | |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 3 | |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 3 | |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 3 | |
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |