応用物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用物理Ⅰ
科目番号 0071 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「高等学校物理基礎および物理」(啓林館)「物理・応用物理実験」(鈴鹿工業高等専門学校 理科教室編)問題集:「センサー総合物理」(啓林館)
担当教員 三浦 陽子,丹波 之宏

到達目標

波動学の基礎および原子・分子の世界の基本的な内容を理解し,関連する基本的な計算ができ,与えられた課題に関しては実験を遂行した上で適切にレポートをまとめることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1波動学に関して応用的な問題を解くことができる.波動学に関して基本的な問題を解くことができる.波動学に関して基本的な問題を解くことができない.
評価項目2原子・分子の世界に関して応用的な問題を解くことができる.原子・分子の世界に関して基本的な問題を解くことができる.原子・分子の世界に関して基本的な問題を解くことができない.
評価項目3課題の実験を実施し,自力でレポートにまとめることができる.課題の実験を実施し,指示を受けながらレポートにまとめることができる.課題の実験を実施し,レポートにまとめることができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
近世以降、物理学は科学の発展をリードしてしてきた。その手法は、自然の本質を捉えるために数式に基づいた論理的モデルの構築と実験による新たな発見や検証の繰り返しである。この授業では、2年生に引き続き高等学校程度の物理学を学ぶ。前期量子論、古典物理学,の学習を通して自然科学共通の言語を学ぶと共に問題を自分で考えて解く力を養う。また、既知の実験を通して自然の法則を体験的に学ぶ。
授業の進め方・方法:
前後期共に第1週~第15週の内容はすべて,学習・教育目標(B)<基礎>に相当する
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を1回の中間試験,1回の定期試験、CBT及び宿題で出題し,1,2については実験状況の視察およびレポートによって目標の達成度を評価する.試験問題のレベルは高等学校程度である. 評価結果が60点以上の場合に目標の達成とする.
<学業成績の評価方法および評価基準>
講義:後期中間,学年末の2回の試験の平均点を50%,実験の評価を40%,CBT及び宿題の評価を10%として,100点満点で評価する. なお,再試験はその時点までの総合評価が60点未満のときに行う場合がある(評価の最大値は最終評価60点).
<単位修得要件>
学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
2年生までに習った物理および数学(とりわけベクトル,三角関数),およびレポート作成に必要な一般的国語能力を必要とする.本教科は物理の学習が基本となる教科である.
<注意事項>
物理においては,これまでに習得した知識・能力を基盤とした上でしか新しい知識・能力は身に付かない.演習課題や実験レポートは確実にこなして,新しい知識・能力を確かなものにすること.本教科は後に学習する応用物理Ⅱの基礎となる教科である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験ガイダンス,実験テーマ解説 実験の概要を理解する。
2週 1. 分光計:精密な角度測定器の分光計を用いて,ガラスの屈折率を求める. 1. 実験を通して,基本的な機器の使い方を習得しており,自分の力で実験を進めることができる。
3週 1. 同上 2. 実験内容の把握とその結果について分析し,レポートにまとめることができる.
4週 2. レーザー光による光の干渉:光の重要な性質である干渉・回折を,レーザー光を用いて観察する 上記1
5週 2. 同上 上記2
6週 3. 直線電流のまわりの磁界:直線電流の周りにできる磁界の大きさを測定し,地磁気の水平分力を計算する. 上記1
7週 3. 同上 上記2
8週 中間試験(実施しない)
2ndQ
9週 4. 電子の比電荷(e/m)の測定:電子の基本的定数をデモ用の装置を用いて測定する 上記1
10週 4. 同上 上記2
11週 5. 等電位線:様々な条件の下で生じる電界の等電位線を描き,電界の様子を調べる. 上記1
12週 5. 同上 上記2
13週 正弦波、波の伝わり方 3.波の基本的な性質を理解し,関連する計算ができる.
14週 波の干渉と回折 上記3
15週 波の反射と屈折 上記3
16週
後期
3rdQ
1週 音波の性質 4.音波の基本的な性質を理解し,関連する計算ができる.
2週 音源の振動 上記4
3週 ドップラー効果 上記4
4週 光の進み方 5.光波の基本的な性質を理解し,関連する計算ができる.
5週 光の性質 上記5
6週 レンズ 上記5
7週 ヤングの実験,回折格子 上記5
8週 後期中間試験 これまでの学習内容について理解している.
4thQ
9週 薄膜による光の干渉 上記5
10週 CBT CBT
11週 電子とは 6.電子や原子,電磁波の知識を有し,関連した計算ができる.
12週 光の粒子性 上記6
13週 X線 上記6
14週 粒子の波動性 上記6
15週 原子モデル 上記6
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3
ホイヘンスの原理について説明できる。3
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3
自然光と偏光の違いについて説明できる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3
安全を確保して、実験を行うことができる。3
実験報告書を決められた形式で作成できる。3
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3

評価割合

試験実験相互評価態度発表その他合計
総合評価割合504000010100
配点504000010100