電気回路

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気回路
科目番号 0073 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「基礎からの交流理論」小郷寛原著,参考書:「詳解電気回路演習 上・下」大下眞二郎著(共立出版)
担当教員 辻 琢人

到達目標

 四端子回路網,分布定数回路,過渡現象,ひずみ波交流について,それらの必要性を理解し,回路の計算できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ひずみ波交流のフーリエ級数展開を行い,回路における電圧,電流,電力,力率を計算することが出来る.ひずみ波交流のフーリエ級数展開を行うことが出来る.ひずみ波交流のフーリエ級数展開を行うことが出来ない.
評価項目2複雑な回路について,過渡応答に対する微分方程式を解き,時定数と過渡応答を計算することができる.基本的な回路について,過渡応答に対する微分方程式を解き,時定数と過渡応答を計算することができる.過渡応答に対する微分方程式を立て,計算することが出来ない.
評価項目3分布定数回路の基礎方程式を解き,直流及び交流回路における送電端から見た入力インピーダンスや受電端での電圧・電流を計算することが出来る.分布定数回路の基礎方程式を解き,直流回路における送電端から見た入力インピーダンスや受電端での電圧・電流を計算することが出来る.分布定数回路の基礎方程式を解き,直流回路における送電端から見た入力インピーダンスや受電端での電圧・電流を計算することが出来ない.
評価項目4複雑な回路について,ラプラス変換を用いて過渡応答を計算することができる.基本的な回路について,ラプラス変換を用いて過渡応答を計算することができる.ラプラス変換を用いて過渡応答を計算することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
四端子回路の続き,ひずみ波交流,分布定数回路,過渡現象について,それらの必要性や応用例を学び,数学的手法を用いて理論解析を行い,その物理的な意味を理解し,実用的な回路を設計できるようにする.
授業の進め方・方法:
・すべての授業内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>およびJABEE基準1.2(d)(2)a)に対応する.
・授業は講義形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を中間試験および定期試験で出題し,目標の達成度を評価する.授業計画の「到達目標」に関する重みは概ね均等とし,試験問題とレポート課題のレベルは100点法により60点以上の得点で目標の達成を確認する.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期中間,前期末,後期中間,学年末の4回の試験の平均点で評価する.レポート・小テストを課した場合は,学業成績の15%を上限として評価に組み入れることがある.なお、前期中間,後期中間の試験について60点に達していない者には再試験を課すことがある.再試験の結果は,単位修得のために最低限必要な範囲で考慮する.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本教科は2,3年次の電気回路の学習が基礎となる教科である.本教科の学習には,三角関数,指数関数,対数関数,複素数,微分,積分などの基礎数学の習得が必要である.また,電気電子工学序論や電気電子工学演習で学んだ電気・電子工学に関する基礎的知識も必要となる.
<レポートなど>学習内容の復習と応用力の育成のため,随時,演習課題を与える.
<備考>本教科は後に学習する電気理論特論(専攻科)の基礎となる教科である.授業中に理解できるように心掛けるとともに,知識確認のために常に多くの問題を解いていく姿勢が大切である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 (ひずみ波交流)
ひずみ波交流と正弦波交流
1.ひずみ波とその取り扱い方について理解し,正弦波の合成やひずみ波の分解ができる.
2週 フーリエ級数1 上記1
3週 フーリエ級数2 2.フーリエ級数とそれを用いてひずみ波交流が表現できる
4週 フーリエ級数3 上記1,2
5週 フーリエ級数4 上記1,2
6週 ひずみ波交流の電圧,電流 3.ひずみ波交流における実効値,ひずみ波起電力による電流を求めることができる.
7週 RL直列回路,RC直列回路の過渡応答 4. 微分方程式により電気回路の過渡現象が解析できる.
8週 前期中間試験 これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
2ndQ
9週 前期中間試験の解答とRL直列回路,RC直列回路の過渡応答 上記4
10週 RLC直流回路の過渡現象 上記4
11週 交流回路の過渡現象1 上記4
12週 交流回路の過渡現象2 上記4
13週 交流回路の過渡現象3 上記4
14週 (分布定数回路)
波動方程式
5. 分布定数回路における電圧,電流の関係を求めることができる.
15週 端子条件を与えた場合の電圧,電流1 上記5
16週
後期
3rdQ
1週 前期末試験の解答
2週 端子条件を与えた場合の電圧,電流2 上記5
3週 反射係数 上記5
4週 無損失分布定数回路1 上記5
5週 無損失分布定数回路2 上記5
6週 (四端子回路網)
影像インピーダンス
6.四端子回路網の影像パラメータを求めることができる.
7週 影像パラメータ 上記6
8週 後期中間試験
4thQ
9週 (ラプラス変換)
後期中間試験の復習,ラプラス変換の基礎
7.ラプラス変換を用いて,電気回路の様々な過度現象の計算ができる.
10週 ラプラス変換による過渡現象解析1 上記7
11週 ラプラス変換による過渡現象解析2 上記7
12週 ラプラス変換による過渡現象解析3 上記7
13週 ラプラス変換による過渡現象解析4 上記7
14週 ラプラス変換による過渡現象解析5 上記7
15週 ラプラス変換による過渡現象解析6 上記7
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4

評価割合

試験課題合計
総合評価割合9010100
配点9010100