高電圧工学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 高電圧工学
科目番号 0075 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 参考書:解説として「高電圧大電流工学」宅間,柳父共著(電気学会),「新高電圧工学」田頭,坂本共著(朝倉書店),演習書として「高電圧工学演習」藤本 良三著(学献社)が図書館にある.
担当教員 辻 琢人

到達目標

高電圧に関する項目は,電界分布,絶縁物の特性,高電圧の発生など多岐にわたるが,これらを説明できるとともに,高電圧の基礎的共通事項としての放電現象やこれを理解を理解するうえで必要な電界計算ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1種々の方法を使って電界に関する応用的な問題が解ける.種々の方法を使って電界に関する基本的な問題が解ける.種々の方法を使って電界に関する問題が解けない.
評価項目2高電圧印加,大電流が流れたときに生じる現象の詳細を説明できる.高電圧印加,大電流が流れたときに生じる現象の基本的な事柄を説明できる.高電圧印加,大電流が流れたときに生じる現象を説明できない.
評価項目3気体の放電現象の詳細を説明できる.気体の放電現象の基本的な事柄を説明できる.気体の放電現象を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
高電圧に関する項目は,電界分布,絶縁物の特性,高電圧の発生法,測定法,試験法,高電圧機器と多岐にわたる.また,内容も相互に関係している.授業では,高電圧の基礎的共通事項としての放電現象やこれを理解するうえで必要な電界計算等および高電圧の発生などを中心に説明し,あわせて物理的な興味も抱かせるようにする.
授業の進め方・方法:
・すべての授業内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>およびJABEE基準1(2)(d)(2)a)に対応する.
・授業は講義形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を中間試験および定期試験で出題し,目標の達成度を評価する.授業計画の「到達目標」に関する重みは概ね均等とする.評価結果が100点法で60点以上の場合に目標の達成とする.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期中間,前期末の2回の試験の平均点で評価する.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>高電圧工学は,電界の解析手法,放電に関する知識,破壊機構など広範囲にわたる.従って,共通の基礎的事項として電磁気学はもちろん電気回路,物理などの知識も必要となるので十分に理解しておくこと.電気機器,発変電工学,電気法規の学習が基礎となる教科である.
<自己学習>授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験のための学習も含む)に必要な標準的な学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である.
<備考>放電現象,絶縁破壊の問題は高電圧工学における最も重要なテーマであり,物理的な興味も持って勉強して欲しい.本教科は, 後に学習する信頼性工学(専攻科),実践工業数学I(専攻科)の基礎となる教科である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 静電界の基礎:静電界のラプラスの式,ポアソンの式 1. 差分法に関し,考え方を理解できる.
2週 差分法,有限要素法 2. 差分法に関し,簡単な計算ができる.有限要素法に関し,考え方を理解できる.
3週 電荷重畳法,等角写像 3. 電荷重畳法の仮想電荷の配置と計算方法を理解できる.等角写像で等電位線と電気力線を示すことができる.
4週 高電圧の波形及び電極配置,極値統計 4. ワイブル分布が説明できる.
5週 V−t特性,進行波,電力系統の電圧 5. V-t特性について簡単に説明できる.
6週 過電圧:雷過電圧,開閉過電圧 6. 過電圧について簡単に説明できる.
7週 がいし,避雷器 7. がいしと避雷器について簡単に説明できる.
8週 中間試験 これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
2ndQ
9週 気体分子の熱運動 8. 気体分子の平均速度,平均熱運動エネルギーなどを求めることができる.
10週 平均自由行程 9. 平均自由行程を求めることができる.
11週 励起と電離 10. 励起と電子衝突電離及び光電離について説明できる.
12週 タウンゼントの理論 11. タウンゼントの理論が説明できる.
13週 パッシェンの法則 12. パッシェンの法則が説明できる.
14週 ストリーマ理論 13. ストリーマ理論が説明できる.
15週 コロナ放電・グロー放電 14. 不平等電界での放電が説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合10000000100
配点10000000100