電気磁気学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気磁気学
科目番号 0085 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:電気磁気学 安達三郎・大貫繁雄共著(森北出版),演習電気磁気学 大貫繁雄・安達三郎共著(森北出版)
担当教員 横山 春喜,柴垣 寛治

到達目標

電気磁気学における特に電流,静磁界,磁性体,インダクタンス,電磁誘導,電磁波の項目において新たな知識を習得すると共に関連問題の解法が理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1定常電流に関する応用問題を解くことができる.定常電流に関する基本問題を解くことができる.定常電流に関する基本問題を解くことができない.
評価項目2真空中の静磁界に関する応用問題を解くことができる.真空中の静磁界に関する基本的な問題を解くことができる.真空中の静磁界に関する基本的な問題を解くことができない.
評価項目3磁性体に関する応用問題を解くことができる.磁性体に関する基本的な問題を解くことができる.磁性体に関する基本的な問題を解くことができない.
評価項目4電磁誘導に関する応用問題を解くことができる.電磁誘導に関する基本的な問題を解くことができる.電磁誘導に関する基本的な問題を解くことができない.
評価項目5インダクタンスに関する応用問題を解くことができる.インダクタンスに関する基本的な問題を解くことができる.インダクタンスに関する基本的な問題を解くことができない.
評価項目6電磁波に関する応用問題を解くことができる.電磁誘導に関する基本的な問題を解くことができる.電磁誘導に関する基本的な問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気磁気学は電気磁気事象の物理的な理解とその概念を数学的手法により表現する電気系工学の基礎理論である.この科目は企業で半導体デバイスを設計・作製した教員が,その経験を活かし,磁界,電磁誘導および電磁波を中心とした電気磁気の物理的意味と関連する数学的取扱いなどについて講義形式で授業を行う.学生は,授業と演習を通じて具体的事例への理解を深め,諸問題に対する解決力を身につける.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は,学習・教育目標(B)<専門>に対応する.
・授業は講義形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「達成目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>「知識・能力」の習得の度合を2回の中間試験,2回の期末試験,レポートにより評価する.評価における「知識・能力」の重みは概ね均等とする.試験問題とレポートのレベルは,100点法により60点以上の得点を取得した場合に目標を達成したことが確認できるように設定する.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期中間,前期末,後期中間,学年末の4回の試験の平均点で評価する.レポートを課した場合は,学業成績の15%を上限として評価に組み入れることがある.また,4回の試験で60点に達していない者には再試験を課し,再試験の成績が該当する試験の成績を上回った場合には,60点を上限としてそれぞれの試験の成績を再試験の成績で置き換えることがある.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本教科は3年生の電気磁気学の学習が基礎となる教科である.電気磁気学は電気磁気現象を数学を用いて表現する学問であり,数学の微分,積分,ベクトル,微分方程式,三角関数,指数および対数関数については予め,十分理解しておく必要がある.
<レポート等>理解を深めるため,演習課題を与えることがある.
<備考>電磁気学は電気系学科の基本理論であり,極めて重要である.予習,復習等を含め積極的に取り組み,疑問が生じたら直ちに質問する等,十分に理解するよう努めること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスを用いた授業の概要説明、電流 1.定常電流について理解し,電流の計算ができる.
2週 オームの法則と抵抗 2.オームの法則について理解し,抵抗,低効率,コンダクタンス,抵抗の温度変化の計算ができる.
3週 ジュールの法則 3.ジュールの法則について理解し,ジュール熱の計算ができる.
4週 電源と起電力 4.電源について理解し,起電力を含む回路の計算ができる.
5週 定常電流界 5. 導体界面における電流密度の境界条件を計算することができる.
6週 磁界 6.静磁界について理解し,運動する電荷に作用する力を計算することができる
7週 電流による磁束と磁界 7.アンペアの右ねじの法則について理解し,磁束の計算ができる.
8週 前期中間試験 これまでに学習した内容を説明し、計算することがができる.
2ndQ
9週 ビオサバールの法則 8.ビオサバールの法則について理解し,法則を用いた磁界の計算ができる.
10週 アンペアの周回積分の法則 9.アンペアの周回積分の法則について理解し,法則を用いた磁界の計算ができる
11週 電磁力 10.電磁力について理解し,磁界中の電流に働く力を計算することができる.
12週 物質の磁気的性質 11.電磁誘導,磁性体について理解し,説明ができる.
13週 磁化の強さと磁化電流 12.磁化の強さと磁化電流について理解し,説明ができる.
14週 磁界の強さと透磁率 13.磁性体を含む系における磁化の強さ,境界条件の計算ができる
15週 磁気回路 14.磁気回路について理解し,等価回路を用いた計算ができる.
16週
後期
3rdQ
1週 磁性体の磁化 15.磁化曲線について説明ができ,ヒステリシス損を計算することができる.
2週 磁石と磁極 16.磁極について理解し、磁気双極子による磁界の強さを計算することができる.
3週 ファラデーの法則 17.ファラデーの法則について理解し,法則を用いた起電力の計算ができる.
4週 物体の運動による起電力 18.物体が運動した場合の起電力について計算が出来る.
5週 渦電流、表皮効果 19.渦電流と表皮効果について理解し,説明ができる.
6週 自己および相互インダクタンス 20.自己誘導と相互誘導について理解し,インダクタンスを計算することができる.
7週 コイルの接続 21.二つのコイルを接続した場合のインダクタンスを計算することができる.
8週 後期中間試験 これまでに学習した内容を説明し、計算することがができる.
4thQ
9週 磁界のエネルギー 22.磁界のエネルギーについて理解し,エネルギーの計算ができる.
10週 インダクタンスの計算 23.環状,無限長,有限長円筒ソレノイドのインダクタンスが計算できる.
11週 変位電流 24.変位電流について理解し,説明ができる.
12週 マクスウェルの方程式 25.マクスウェルの方程式を理解し,方程式を用いた計算ができる.
13週 電磁波 26.電磁波について理解し,説明ができる.
14週 平面電磁波 27.平面電磁波について理解し,説明ができる.
15週 ポインティングベクトル 28.ポインチングベクトルについて理解し,説明ができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。4
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。4
磁界中の電流に作用する力を説明できる。4
ローレンツ力を説明できる。4
磁気エネルギーを説明できる。4
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4
自己誘導と相互誘導を説明できる。4
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。4

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合10000000100
配点10000000100