電気磁気学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電気磁気学
科目番号 0094 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「基礎電磁気学」山田直平(電気学会) 参考書:「電磁気学」多田泰芳,柴田尚志著(コロナ社),「基礎電磁気学」 桂井 誠著(オーム社),「電磁気学演習」後藤,山崎共著(共立出版)「電気磁気学」 安達,大貫共著(森北出版),「詳解電気磁気学演習」 山口勝也著(日本理工出版会)
担当教員 横山 春喜

到達目標

電気磁気学における特に電流,静磁界,磁性体,インダクタンス,電磁誘導,電磁波の項目において新たな知識を習得すると共に関連問題の解法が理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1抵抗の温度係数,起電力,ジュール熱等の応用問題を解くことができる.抵抗の温度係数,起電力,ジュール熱等の基本問題を解くことができる.抵抗の温度係数,起電力,ジュール熱等の基本問題を解くことができない.
評価項目2電流により生じる磁束密度に関する応用問題を解くことができる.電流によって生じる磁束密度に関する基本的な問題を解くことができる.電流によって生じる磁束密度に関する基本的な問題を解くことができない.
評価項目3電流により生じる電磁力に関する応用問題を解くことができる.電流によって生じる電磁力に関する基本的な問題を解くことができる.電流によって生じる電磁力に関する基本的な問題を解くことができない.
評価項目4磁性体中の磁界を正しく理解し,応用問題を解くことができる.磁性体中の磁界について基本的な問題を解くことができる.磁性体中の磁界について基本的な問題を解くことができない.
評価項目5電磁誘導により生じる起電力に関する応用問題を解くことができる.電磁誘導で生じる起電力に関する基本的な問題を解くことができる.電磁誘導で生じる起電力に関する基本的な問題を解くことができない.
評価項目6各種コイルにおける自己,相互インダクタンスの応用問題を解くことができる.各種コイルにおける自己,相互インダクタンスの基本的な問題を解くことができる.各種コイルにおける自己,相互インダクタンスの基本的な問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気磁気学は電気磁気事象の物理的な理解とその概念を数学的手法により表現する電気系工学の基礎理論である.この科目は企業で半導体デバイスを設計・作製した教員が,その経験を活かし,磁界,電磁誘導および電磁波を中心とした電気磁気の物理的意味と関連する数学的取扱いなどについて講義形式で授業を行う.学生は,授業と演習を通じて具体的事例への理解を深め,諸問題に対する解決力を身につける.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は,学習・教育目標(B)<専門>およびJABEE基準1.1(d)(2)a)に対応する.
・授業は講義形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「達成目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>「知識・能力」の習得の度合を2回の中間試験,2回の期末試験,レポートにより評価する.評価における「知識・能力」の重みは概ね均等とする.試験問題とレポート課題のレベルは,100点法により60点以上の得点を取得した場合に目標を達成したことが確認できるように設定する.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期中間,前期末,後期中間,学年末の4回の試験の平均点で評価する.レポート・小テストを課した場合は,学業成績の15%を上限として評価に組み入れることがある.ただし,学年末試験を除く3回の試験のそれぞれについて60点に達していない者には再試験を課し,再試験の成績が該当する試験の成績を上回った場合には,60点を上限としてそれぞれの試験の成績を再試験の成績で置き換えるものとする.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本教科は3年生の電気磁気学の学習が基礎となる教科である.電気磁気学は電気磁気現象を数学を用いて表現する学問であり,数学の微分,積分,ベクトル,微分方程式,三角関数,指数および対数関数については予め,十分理解しておく必要がある.
<レポート等>理解を深めるため,随時,演習課題を与える.また,レポ-トの提出を求める.
<備考>本教科は後に学習する電磁波工学の基礎となる教科である.電磁気学は電気系学科の基本理論であり,極めて重要である.予習,復習等を含め積極的に取り組み,疑問が生じたら直ちに質問する等,十分に理解するよう努めること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電流,オームの法則,抵抗の温度係数 1.オームの法則,抵抗率,コンダクタンス,導電率について計算ができる.
2週 起電力,キルヒホッフの法則,ジュール熱 2.起電力,キルヒホッフの法則,ジュール熱について計算ができる.
3週 電力,連続導体中の電流分布,電流の場と静電界,知的財産 3.電力の計算ができ,連続導体中の電流分布,電流の場と静電界について理解している.知的財産制度の概要について説明ができる.
4週 磁気現象,ビオ・サバールの法則,ベクトル積 4.ビオ・サバールの法則,ベクトル積を理解し,計算ができる.
5週 アンペアの周回積分の法則,磁束分布の計算例 5. アンペアの周回積分の法則について理解し,磁束分布の計算ができる.
6週 ベクトルの回転,分布電流による磁界 6.ベクトルの回転について理解し,磁束密度分布から電流分布が
計算できる.
7週 ベクトルポテンシャル 7.ベクトルポテンシャルについて理解している.
8週 前期中間試験 これまでに学習した内容を説明し、計算することがができる.
2ndQ
9週 電流に働く力 8.電流に働く力を理解し,線状電流に働く力を計算できる.
10週 導体に働く力,ホール効果 9.ピンチ効果,ホール効果について説明できる.
11週 磁気誘導,磁性体のある場合の磁界 10.磁気誘導について理解し,磁性体のある場合の磁界が計算できる.
12週 磁極,および磁極に対するクーロンの法則 11.磁極,および磁極に対するクーロンの法則について理解している.
13週 磁位,減磁力,磁気遮へい,磁界のエネルギー 12.磁位,減磁力,磁気遮へい,磁界のエネルギーについて理解している.
14週 強磁性体の磁化,ヒステリシス損 13.磁化曲線について説明でき,ヒステリシス損の計算ができる.
15週 磁気回路 14.磁気回路について理解し,計算することができる.
16週
後期
3rdQ
1週 磁気的エネルギー,インダクタンス 15.磁気的エネルギー,自己インダクタンス,相互インダクタンスについて理解している.
2週 簡単な形のコイルのインダクタンス 16.無端ソレノイド,無限長ソレノイド,有限長ソレノイドのインダクタンスの計算ができる.
3週 インダクタンスの直列接続 17.インダクタンスの直列接続について理解し,合成インダクタンスの計算ができる.
4週 二本の平行線間の相互インダクタンス 18.二本の平行線間の相互インダクタンスが計算できる.
5週 断面積のある導体のインダクタンス,電線のインダクタンス 19.断面積のある導体のインダクタンス,電線のインダクタンスが計算できる.
6週 電磁誘導現象,自己誘導作用,相互誘導作用 20.電磁誘導現象,自己誘導作用,相互誘導作用について理解し,起電力の計算ができる.
7週 磁気誘導と磁界のエネルギー 21.磁界のエネルギーを電磁誘導の法則から導くことができる.
8週 後期中間試験 これまでに学習した内容を説明し、計算することがができる.
4thQ
9週 導体の運動と磁束の時間的変化がある場合の起電力 22.導体の運動と磁束の時間的変化がある場合の起電力を計算することができる.
10週 回路に働く力、電磁誘導のある回路 23.回路に働く力、電磁誘導のある回路の計算ができる.
11週 インダクタンスのある回路の性質,表皮効果,渦電流 24.インダクタンスのある回路の計算ができ,表皮効果,渦電流について説明できる.
12週 変位電流,マックスウェルの方程式 25.変位電流の計算ができ,マックスウェルの方程式について理解している.
13週 電磁波 26.電磁波について計算ができる.
14週 導体内の電磁波 27.導体内の電磁波の計算ができる.
15週 ポインティングベクトル 28.ポインティングベクトルについて計算ができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。4
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。4
磁界中の電流に作用する力を説明できる。4
ローレンツ力を説明できる。4
磁気エネルギーを説明できる。4
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4
自己誘導と相互誘導を説明できる。4
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。4

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合10000000100
配点10000000100