物理学特講

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 物理学特講
科目番号 0101 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材  教科書:「基礎物理学演習」後藤憲一他編(共立出版),配布プリント(毎回のテーマに沿った過去の大学編入学試験問題を掲載)
担当教員 仲本 朝基

到達目標

状況に応じて運動方程式,つり合い式,保存則を満足する方程式,物理量の間に成り立つ関係式などを,適切に立てることができ,問題解答への道筋を見出すことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1運動方程式に関する微積分を用いた応用問題を解くことができる.運動方程式に関する微積分を用いた基本問題を解くことができる.運動方程式に関する微積分を用いた基本問題を解くことができない.
評価項目2古典力学の保存則を利用した応用問題を解くことができる.古典力学の保存則を利用した基本問題を解くことができる.古典力学の保存則を利用した基本問題を解くことができない.
評価項目3力学において定義される諸物理量に関する応用的な導出問題を解くことができる.力学において定義される諸物理量に関する基本的な導出問題を解くことができる.力学において定義される諸物理量に関する基本的な導出問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
大学の編入学試験へ向けての実践的な問題解答能力の養成を目的とする.
授業の進め方・方法:
・第1週~第15週までの内容はすべて,学習・教育到達目標(B)<基礎>に相当する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を中間試験・定期試験およびレポートで出題し,目標の達成度を評価する.授業計画の「到達目標」に関する重みは概ね均等である.問題のレベルは平均的な大学3年次編入試験程度である.試験を7割,レポートを3割とした総合評価において6割以上を取得した場合を目標の達成とする.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期末試験の平均点を7割,毎回の演習レポートを3割の割合で総合評価した結果を学業成績とする.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本授業科目は「物理Ⅰ~Ⅲ」の学習が基礎となる授業科目である.3年生までに学習した数学全般の知識(ベクトル,三角関数,微分積分等)と古典力学の基本的な法則の知識は必要である.
<自己学習>科目の性格上,この講義に関する勉強がそのまま受験勉強であるため,授業で保証する学習時間と,中間・定期試験勉強およびレポート作成に必要な学習時間の総計が,45時間以上に相当する学習内容となっている.
<備考>大学の編入学試験対策のための講義なので,受講者はそのつもりで臨んで欲しい.本授業科目は,専攻科で学ぶ「物理学特論」の基礎となる授業科目である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 放物運動 1.放物運動について運動方程式を立て,解くことができる.
2週 空気抵抗のある落下運動 2.空気抵抗のある落下運動について運動方程式を立て,解くことができる.
3週 質点系の運動 3.質点系の運動について運動方程式を立て,解くことができる.
4週 慣性力,円周上での物体の運動 4.慣性力込みのつり合い式や円周上での物体の運動について運動方程式を立て,解くことができる.
5週 単振動(水平面内) 5.水平面内での単振動について運動方程式を立て,解くことができる.
6週 単振動(鉛直面内,減衰振動・強制振動) 6.鉛直方向での単振動や減衰振動・強制振動について運動方程式を立て,解くことができる.
7週 力積,仕事,力学的エネルギー 7.力積と運動量,仕事と運動エネルギーの関係を理解でき,力学的エネルギー保存則を利用できる.
8週 中間試験 1~7に同じ
2ndQ
9週 保存力とポテンシャル 8.保存力とポテンシャルの関係を理解し,それらを利用して諸量を求めることができる.
10週 角運動量保存の法則 9.角運動量保存の法則を利用して諸量を求めることができる.
11週 運動量保存の法則 10.運動量保存の法則を利用して諸量を求めることができる.
12週 重心運動と相対運動 11.2体問題を解くことができる.
13週 剛体とそのつり合い,固定軸の周りの剛体の運動 12.剛体のつり合い式及び固定軸の周りの剛体の運動について運動方程式を立て,解くことができる.
14週 慣性モーメント,剛体の平面運動 13.慣性モーメントを求めることができる.
15週 滑りのある剛体の平面運動,撃力 14.剛体の平面運動について解くことができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理物理速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
運動の法則について説明できる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合70300000100
配点70300000100