パワーエレクトロニクス

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 パワーエレクトロニクス
科目番号 0103 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「新インターユニバーシティー パワーエレクトロニクス」掘孝正 編著オーム社,参考書:「パワーエレクトロニクス」カサキアン,他著,赤木,他訳 日刊工業新聞社
担当教員 橋本 良介

到達目標

パワーエレクトロニクスで用いられる数式,半導体の特性,パワーエレクトロニクス機器を用いた電力変換を行うために必要な専門知識を習得し,機器設計に応用することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1パワーエレクトロニクスで用いられる数式が計算できて機器設計に応用できる.パワーエレクトロニクスで用いられる基本的な数式が計算できる.パワーエレクトロニクスで用いられる基本的な数式が計算できない.
評価項目2パワー半導体の特性が説明できて機器設計に応用できる.パワー半導体の基本的な特性が説明できる.パワー半導体の基本的な特性が説明できない.
評価項目3パワーエレクトロニクス機器を用いた電力変換を機器設計に応用できる.パワーエレクトロニクス機器を用いた基本的な電力変換が計算できる.パワーエレクトロニクス機器を用いた基本的な電力変換が計算できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
パワーエレクトロニクスは現在では欠かすことのできない技術分野であり,電力(パワー)のスイッチングや変換などを,半導体を用いた電子回路(エレクトロニクス)で行うことを取り扱う.パワーエレクトロニクスの講義では,「半導体による電力変換」を理解・習得するための数学的な基礎知識,および電力変換の基礎について学習することが目的である.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>およびJABEE基準1(2)(d)(2)a)に対応する.
・授業は一部演習を含む講義形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>「授業計画」における各週の「到達目標」の確認をレポートおよび中間試験,期末試験で行う.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>中間・期末試験の2回の試験の平均点を80%,レポート等の結果を20%として評価する.ただし,60点を達成できない場合において,それを補う為の再試験を行う場合がある.このとき,再試験の成績が該当する試験の成績を上回った場合には,60点を上限として,それぞれの試験の成績を再試験の成績で置き換えるものとする.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>この授業は4年次までに学習した電気回路,電子回路,半導体工学,電気機器などを総合した科目であり,これらの科目を理解している必要がある.
<レポートなど>理解を深めるため,必要に応じて演習課題を与える.
<備考>他の科目との関わりの深い分野であるので,必要に応じてそれらの教科書などを参考にして知識を深めて欲しい.授業中に理解できるように心掛けるとともに,数学的知識確認のために常に多くの問題を解いていく姿勢が大切である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 序論,パワーエレクトロニクスの学び方,歴史,エレクトロニクス時代の幕開けについて 1.パワーエレクトロニクスでよく利用される用語や素子などを理解し,半導体デバイスが普及する前後の歴史が説明できる.
2週 パワーエレクトロニクスの意味,電力変換と制御の基本原理 2.パワーエレクトロニクスで取り扱う範囲やその働き,身の回りでの利用状況が説明できる.
3週 半導体の種類,電力変換回路 3.スイッチングによる電力変換に利用される半導体デバイスの種類,それらを利用した電力変換回路の原理について説明できる.
4週 ひずみ電圧・電流・電力の取り扱い 4.非正弦波に対するフーリエ変換を利用した計算ができ,高調波に対する影響と対策について説明できる.
5週 ダイオード,サイリスタ 5.ダイオードおよびサイリスタの構造と動作原理を理解し,その種類を含めて説明できる.
6週 パワートランジスタ,各種デバイスの比較 6.トランジスタの仕組みと動作原理,使い方を理解し,各種パワー半導体デバイスの特徴を説明できる.
7週 スイッチングによる電力変換・損失,デバイスの制御,デバイスを守る工夫 7.スイッチング動作による直流電圧の変換,損失および交流電圧への変換法について説明でき,デバイスを守る工夫を説明できる.
8週 後期中間試験 8.これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
4thQ
9週 サイリスタのオンオフ,デバイスの損失低減 9.サイリスタの実用的な利用方法について説明でき,パワー半導体デバイスの保護について説明できる.
10週 サイリスタによる整流回路,単相ブリッジ整流回路 10.サイリスタの転流方法,各種単相ブリッジ整流回路の動作・特徴を説明できる.
11週 三相ブリッジ整流回路,サイクロコンバータ 11.三相ブリッジ整流回路,サイクロコンバータについて動作・特徴を説明できる.
12週 DC-DCコンバータの原理と特徴(1) 直流チョッパの動作 12.直流チョッパ回路について説明できる.
13週 DC-DCコンバータの原理と特徴(2) 共振形コンバータの動作 13.直流チョッパ回路の応用としてスイッチングレギュレータについて説明できる.
14週 DC-DCコンバータの原理と特徴(3) スイッチングレギュレータの動作 14.直流チョッパ回路の応用として共振形コンバータについて説明できる.
15週 インバータの役割,動作原理,多相化,電力制御,交流電動機駆動 15.インバータ回路の特性について理解し,それを用いた電力制御法および電動機駆動法について説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合80200000100
配点80200000100