電気電子計測

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 電気電子計測
科目番号 0120 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「電磁気計測」 (改訂版) 西野 治 (電気学会),参考書:「電磁気計測」 岩崎 俊(コロナ社)
担当教員 西村 一寛

到達目標

 電気計測の測定法・単位系・電気標準器および測定の誤差と精密さ,正確さ,感度について理解し,各種指示計器の原理や構造・特徴・取り扱い方について理解し,各種電気電子計測の測定ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1計測に関する応用的な問題が解ける.計測に関する基本的な問題が解ける.計測に関する問題が解けない.
評価項目2各種指示計器に関する応用的な問題が解ける.各種指示計器に関する基本的な問題が解ける.各種指示計器に関する問題が解けない.
評価項目3各種測定に関する応用的な問題が解ける.各種測定に関する基本的な問題が解ける.各種測定に関する問題が解けない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気電子計測は電気・磁気・電子の基本計測技術と測定法に関する学問であり,その測定法の基礎事項について学習し,電気電子工学における基本的な測定技術と計測制御技術の概念および測定法の基礎を理解することを目標とする.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>およびJABEE基準1(2)(d)(2)a)に対応する.
・授業は講義形式で行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>授業計画の「到達目標」 1~10を網羅した問題を2回の中間試験,2回の定期試験で出題し,目標の達成度を評価する.達成度の評価における各「到達目標」の重みは1が5%,2が5%,3が15%,4と5が各10%,6が15%,7~9が各10%,10が10%である.評価結果が百点法で60点以上の場合に目標の達成とする.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期中間・前期末・後期中間・学年末試験の4回の平均点を60%,レポートを40%として,その合計点で評価する.なお,学年末試験を除く3回の試験のそれぞれについて60点に達していない者には再試験を課すことがある.このとき,再試験の成績は,単位修得のために最低限必要な範囲で考慮する.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>電気・電子工学序論,電気回路,電気磁気学および物理学の基本的事項は理解している必要がある.
<レポートなど>レポートの課題を与え提出させる.
<備考>電気電子工学における重要な基礎科目であるため,積極的な取り組みが必要である.疑問が生じたら直ちに質問し,理解するように心掛けること.本教科は後に学習する電磁気学,センサ工学(専攻科)の基礎となる教科である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 計測の目的、測定法の分類 1.電気計測の測定法について説明できる.
2週 誤差 3.測定の誤差と精密さ,正確さ,感度について説明できる.誤差を含んだ測定値の取扱いと誤差の計算ができる.
3週 精密さ,正確さ,感度,標準偏差 上記3
4週 最小2乗法,グラフでの取り扱い 上記3
5週 誤差の伝搬 上記3
6週 測定値の書き方 上記3
7週 単位系と標準器および計測標準とトレーサビリティの関係 2.単位系と標準について説明できる.
8週 総合演習問題
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 前期中間試験の確認,課題(身の回りの磁性材料)について,磁性体の種類と磁気モーメント 4. 磁気材料に関する基礎的事項を理解している.
11週 磁化曲線,磁化過程,BHmax 上記4
12週 磁気モーメントの合成と反磁界,磁気異方性磁化の温度変化,硬質磁性材料,軟質磁性材料,磁気を使った応用品の紹介 上記4および5.各種磁性材料の特徴などについて理解している.
13週 磁気力(磁極間,電流間,ローレンツ力) 6.指示計器に利用されている物理現象を説明できる
14週 磁気力の続き(電磁誘導と渦電流,アラゴの円盤) 上記6
15週 課題紹介と総合演習問題
16週
後期
3rdQ
1週 前期末試験の確認, どうやって測定すればよいか?静電気力 6.指示計器に利用されている物理現象を説明できる
2週 熱と指示計器の階級と記号 7.指示電気計器の特性が説明できる.
3週 クーロン力を利用した静電形計器,実効値指示の意味 8.静電形計器,可動コイル形計器,整流形計器,熱電形計器の原理と構造および取り扱い方について説明できる。
4週 永久磁石とコイルからなる可動コイル形計器,指示計器に必要な力,指針の時間応答 上記8
5週 電流・電圧測定について 10.電圧・電流・電力・電力量を直流・交流で測定する方法が説明できる.
6週 整流形計器と熱電形計器 上記8
7週 総合演習問題
8週 後期中間試験
4thQ
9週 後期中間試験の確認,磁化された鉄片の磁気力を利用した可動鉄片形計器 9.可動鉄片形計,電流力計形計器,誘導形計器の原理と構造および取扱い方について説明できる.
10週 2つのコイルからなる電流力型計器 上記9
11週 電磁誘導による渦電流を利用した誘導形計器 上記9
12週 携帯型計器のカタログを利用した分類 10.電圧・電流・電力・電力量を直流・交流で測定する方法が説明できる.
13週 各種指示計器の及ぼす影響と内部抵抗,電流,電圧,電力量の値について 上記10
14週 A/D変換を用いたディジタル計器の原理 上記10
15週 総合演習問題
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4
電力量の測定原理を説明できる。4

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合60400000100
配点60400000100