情報通信工学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 情報通信工学
科目番号 0121 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:なし ,参考書:遠藤靖典著「改訂 情報通信ネットワーク」コロナ社 (2010),酒井・植松著「情報通信ネットワーク」昭晃堂(1999),滑川・奥井・衣斐著「通信方式【第2版】」森北出版(2012)など
担当教員 森 香津夫,生田 智敬

到達目標

情報通信ネットワークの基本的事項を理解し,各種の伝送方式,信号多重方式,誤り制御方式,交換方式,トラヒック理論などの専門知識を習得するとともに,実用の情報通信ネットワークの概要について理解することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1情報通信ネットワークの基本的事項を十分に理解し,詳細に説明できる.情報通信ネットワークの基本的事項を理解し,概略を説明できる.情報通信ネットワークの基本的事項の理解が不十分で,その説明ができない.
評価項目2各種伝送方式,信号多重方式,誤り制御方式,交換方式,トラヒック理論などの技術内容を十分に理解し,詳細に説明できる.各種伝送方式,信号多重方式,誤り制御方式,交換方式,トラヒック理論などの技術内容を理解し,概要の説明ができる.各種伝送方式,信号多重方式,誤り制御方式,交換方式,トラヒック理論などの技術内容の理解が不十分で,その説明ができない.
評価項目3情報通信ネットワークの実用例を十分に理解し,詳細に説明できる.情報通信ネットワークの実用例を理解し,その概要の説明ができる .情報通信ネットワークの実用例の理解が不十分で,その説明ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
情報通信技術は,近年,我々の日常生活に深く浸透し,情報通信ネットワークは我々にとって必要不可欠な社会インフラストラクチャ(社会基盤)となっている.情報通信ネットワークは多くの要素技術の協調作用によって成立しているシステムであり,個々の技術を理解することが情報通信ネットワークの開発・設計には重要となる.情報通信工学では,情報通信の歴史的背景,基本概念からはじめ,各種の伝送方式,信号多重方式,誤り制御方式,交換方式,トラヒック理論や通信プロトコルなどの情報通信ネットワークを支える基礎要素技術について学習する.さらに,LAN等の身近な通信システムを展望することにより,情報通信技術に関する理解を深め,興味を持てるようにする.
授業の進め方・方法:
・すべての授業内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>およびJABEE基準1.2(d)(2)a)に対応する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」の確認をレポート,中間試験および定期試験で行う.それぞれの「到達目標」に関する重みは同じである.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期中間・前期末・後期中間・学年末の試験結果を80%,レポートの結果を20%として,それぞれの期間毎に評価し,これらの平均値を最終評価とする.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>4年までに学習した基礎数学および情報関連分野の科目の知識を有していること.本教科は電気磁気学やディジタル回路の学習が基礎となる教科である.
<レポート等>理解を深めるため,必要に応じて,演習課題を与える..
<備考>情報通信ネットワークの各種構成要素,構成技術の基本的事項を網羅的に学習し,情報通信工学の基礎能力を身につける授業である.情報通信技術は,現代社会において必要不可欠な技術分野の1つであり,特に,電気電子工学分野での活躍を目指す学生にとっては是非とも習得しておく技術である.実用の情報通信ネットワークの構成,発展を技術的・社会的・経済的背景を考えながら理解することも重要である.本教科は後に学習する応用電子回路論(専攻科),情報通信工学特論(専攻科)の基礎となる教科である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 情報通信の歴史と基本概念 1. 電話やデータ通信などの情報通信の歴史的背景を概観した上で,その基本概念について理解できる.
2週 情報通信ネットワークの分類と構成条件 2. 情報通信ネットワークの種々の分類と,ネットワークに対する要求条件や構成条件について理解できる.
3週 情報通信ネットワークの構成要素(1) 3. 通信端末,伝送路,交換機等の情報通信ネットワークを構成する種々の要素とその機能について理解できる.
4週 情報通信ネットワークの構成要素(2) 上記3
5週 グラフ理論とネットワークトポロジー 4. グラフ理論の基礎を理解し,その応用としてのネットワークトポロジーについて理解できる.
6週 ベースバンド伝送 5. 種々のベースバンド伝送方式について理解できる.
7週 アナログ変調(振幅変調) 6. 種々のアナログ変調方式について理解できる.
8週 前期中間試験 これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
2ndQ
9週 アナログ変調(角度変調) 上記6
10週 アナログ変調(直交変調,パルス変調) 上記6
11週 ディジタル変調(ASK, FSK, PSK変調) 7. 種々のディジタル変調方式について理解できる.
12週 ディジタル変調(多値変調) 上記7
13週 パルス符号化変調(PCM) 8. パルス符号化変調(PCM)について理解できる.
14週 信号の多重化(FDM,TDM) 9. 信号の多重化の概念を理解し,その実現方式であるFDM,TDM,CDM方式等について理解できる.
15週 信号の多重化(CDM) 上記9
16週
後期
3rdQ
1週 誤り制御(基本概念) 10. 情報通信における誤り制御の基本概念を理解し,誤り検出方式と誤り回復方式の具体例について理解できる.
2週 誤り制御(誤り検出方式) 上記10
3週 誤り制御(誤り訂正方式) 上記10
4週 交換の役割,回線交換方式 11. 情報通信ネットワークにおける交換の役割を理解し,回線交換方式,蓄積交換方式等の具体例について理解できる.
5週 蓄積交換方式(パケット交換,FR交換,ATM交換) 上記11
6週 経路(ルーチング)制御と信号方式 12. 情報通信ネットワークの経路制御の概念とその制御信号方式について理解できる.
7週 トラヒック理論の基本概念,呼の統計的性質 13. トラヒック理論の基本概念や情報発生の統計的性質を理解し,トラヒック解析手法について理解できる.
8週 トラヒック解析 上記13
4thQ
9週 後期中間試験 これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
10週 プロトコルの基本概念 14. 階層型ネットワークプロトコルの基本概念を理解し,各層の機能を理解できる.
11週 OSI参照モデル(下位層) 上記14
12週 OSI参照モデル(上位層) 上記14
13週 LANのプロトコル(1) 15. LANなどの実用の情報通信ネットワークの構成技術を理解できる.
14週 LANのプロトコル(2) 上記15
15週 LANのプロトコル(3) 上記15
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
配点8020100