電気機器

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電気機器
科目番号 0149 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「電気機器工学」前田勉,新谷邦弘 著(コロナ社)参考書:「電気機械工学」 天野,常広(電気学会),series電気・電子・情報系「電気機器」 海老原大樹(共立出版)
担当教員 生田 智敬

到達目標

変圧器・電動機・発電機の基礎となる物理法則を理解し,物理法則に基づいて変圧器・誘導電動機・同期発電機・同期電動機の動作原理を理解し,これらの電気機器の等価回路から電圧・電流の関係をベクトル図に表して特性を求めることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電気機器の基礎となる物理法則から,種々の機器の動作原理を導くことができる.基礎となる物理法則と機器の動作原理を関連付けることができる.電気機器の基礎となる物理法則から機器の動作原理を導くことや,物理法則と動作原理とを関連付けることができない.
評価項目2変圧器における交流電圧・電流の変換や,回転機における磁束密度ベクトルの回転について,数式を用いて定量的に論ずることができる.変圧器における電圧・電流の変換や,回転機の回転磁界について理解している.変圧器における電圧・電流の変換や回転機の回転磁界について,定量的に論ずることや理解することができない.
評価項目3電気機器の動作を等価回路として表し,電圧・電流の関係をベクトル図に描いて特性を求めることができる.電気機器の等価回路とベクトル図を理解している.電気機器の動作を等価回路およびベクトル図に表すことや,理解することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
「電気機器」は電圧・電流を変換する変圧器,電力と機械的エネルギーを相互に変換する発電機,電動機(モータ)について,その原理や構造,特性,制御方法を学ぶ学問である.近年,電力用半導体素子を用いて電力変換や電動機の制御を行う「パワーエレクトロニクス」の分野が先端技術として発展してきているが,この分野については5年生の「パワーエレクトロニクス」で学ぶこととし,この授業では基本的な電気機器の原理や等価回路を用いた特性の評価方法に絞って授業を行う.3年生で学んだ直流機に続いて,まず交流電圧・電流の変換に用いる変圧器について学ぶ.その後,大規模な産業用電動機から家電用小型モータまで広い範囲で使用される誘導電動機と同期電動機について,また,発電機のほとんどを占める同期発電機について学ぶ.回路理論,電気磁気学の応用として位置づけ,原理の理解に重点を置く.等価回路についても物理的な考え方とベクトル図など基本的事項を中心とし,特性については簡単に触れるに止める.
授業の進め方と授業内容・方法:
・第1週~第3週の内容は学習・教育目標(B)<基礎>に相当し,第4週以降の内容は学習・教育目標(B)<専門>に相当する.
・授業は講義形式(同時双方向及びオンデマンドによる遠隔講義を含む)で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>上記の「知識・能力」1~15を網羅した問題を2回の中間試験,2回の定期試験で出題し,目標の達成度を評価する.達成度評価における各「知識・能力」の重みは概ね均等とするが,電動機・発電機の原理に関連して基礎となる物理法則を重ねて問うこともある.問題のレベルは第二種電気主任技術者一次試験「機械」と同等である.評価結果が100点法で60点以上の場合に目標の達成とする.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期中間(演習課題によって実施),前期末,後期中間,学年末の4回の試験の平均点で評価する.ただし,定期試験の実施が困難な事態となった場合は,試験と同等の演習課題の提出を持って試験結果と読み替えるものとする.また,前期中間,前期末,後期中間の3回の試験のそれぞれについて60点に達していない者には再試験を実施する場合がある.再試験の成績が再試験の対象となった試験の成績を上回った場合には,60点を上限としてそれぞれの試験の成績を再試験の成績で置き換えるものとする.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>3年生の「電気機器」の知識および「電気回路」「電気磁気学」の基礎知識.
<レポートなど>レポートの提出,小テスト等は課さないが,授業内容を理解するため授業中に適宜演習を行う.
<備考>電気主任技術者試験の主要科目のひとつである「機械」に関連した内容である.

授業計画

授業内容・方法 週ごとの到達目標
前期
1週 シラバスを用いた授業の概要説明,アンペールの法則,電流がつくる磁界
1. 透磁率,起磁力と磁束の関係,磁気抵抗,電磁力など基本的な磁気現象について理解している.
2週 起磁力と磁気回路,電磁力とトルク 上記1.
3週 運動する導体中に生ずる起電力,電磁誘導の法則 2 磁界中を運動する導体中に発生する起電力の大きさと向きを理解し,電磁誘導の法則と関連付けることができる.
4週 変圧器の原理,理想変圧器 3. 理想変圧器の原理を理解し,1次側と2次側の電圧・電流の関係を説明できる.
5週 1次側・2次側の電圧・電流,ベクトル図 上記3.
6週 理想変圧器と実際の変圧器,漏れインダクタンス 4. 実際の変圧器を等価回路に表し,電圧・電流をベクトル図に表すことができる.
7週 鉄損と銅損,励磁回路,実際の変圧器の等価回路 上記4.
8週 前期中間試験 これまでに学習した内容に基づき,変圧器の電圧・電流を求めることができる.
9週 中間試験の結果に基づく復習
10週 T型等価回路とベクトル図 上記4.
11週 変圧器の特性 上記4.
12週 三相交流と固定子巻線がつくる磁束 5. 3相固定子巻線が作る磁束密度ベクトルの時間変化から,回転磁界発生の原理が説明できる.
13週 回転磁界の発生 上記5.
14週 極数と同期速度,同期角速度 6. 極数と同期速度の関係を理解している.
15週 すべりと誘導起電力の発生 7. 回転磁界中に置かれた回転子に誘導される起電力に関して理解している.
16週
後期
1週 誘導電動機と変圧器との回路的類似と相違 上記7.
2週 すべり周波数と誘導電動機の等価回路 8. すべりの概念を把握し,すべりと誘導起電力の関係を理解している.
3週 2次側等価回路の周波数変換 上記8.
4週 エネルギーに関する考察と機械的出力 9. 誘導電動機の等価回路を理解し,電圧・電流の関係を理解している.
5週 1次変換とT形等価回路 上記9.
6週 簡易等価回路,回路定数の求め方 10. 無負荷試験,拘束試験の結果から等価回路のパラメータを求めることができる.
7週 トルク,誘導電動機の速度特性 11. トルクと出力の速度特性を理解している.
8週 後期中間試験 これまでに学習した内容に基づき,誘導電動機の電圧・電流を求めることができる.
9週 中間試験の結果に基づく復習
10週 同期機の原理と構造,電機子反作用 12. 同期発電機の発電原理を理解している.
11週 負荷角と同期発電機の等価回路 13. 同期発電機の等価回路に関して理解している.
12週 同期発電機の出力特性 上記13.
13週 同期電動機の原理,負荷角とトルクの発生 14. 同期電動機の回転原理を理解している.
14週 同期電動機の等価回路 15. 負荷角とトルクとの関係を理解し,等価回路から特性を求めることができる.
15週 同期電動機の特性 上記15.
16週

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合75250000100
配点75250000100