応用数学Ⅰ

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 応用数学Ⅰ
科目番号 0175 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「高専の数学3」森北出版,「新応用数学」大日本図書
担当教員 奥田 一雄

到達目標

微分方程式・フーリエ級数・ラプラス変換の理論の基礎となる数学の知識を理解し,それに基づいて微分方程式・フーリエ級数・ラプラス変換の計算(解法)ができて,専門教科等に現れる問題を含めてこの分野の様々な問題を解決することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目11階線形微分方程式および2階線形微分方程式を解くことができる基本的な1階線形微分方程式および2階線形微分方程式を解くことができる基本的な1階線形微分方程式および2階線形微分方程式を解くことができない
評価項目2関数のラプラス変換を求めることができる基本的な関数のラプラス変換を求めることができる基本的な関数のラプラス変換を求めることができない
評価項目3関数のフーリエ級数を求めることができる基本的な関数のフーリエ級数を求めることができる基本的な関数のフーリエ級数を求めることができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
講義は微分方程式,ラプラス変換,フーリエ級数の理論からなる.これらの計算や理論は,工学にとって必須のものであるので,道具として自由に使いこなせるようになることが授業の目標である.いずれの理論もこれまでに学んできた微分積分学を始めとする数学全般の知識が要求されるので,確認しながら復習する.
授業の進め方・方法:
・この授業の内容は全て学習・教育到達目標(B)<基礎>に対応する.
・授業は講義形式で行う.
・「授業計画」における各種の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>習得の度合を中間試験,期末試験により評価する.達成度評価における各重みは概ね均等とし,試験問題のレベルは100点法により60点以上の得点で目標の達成を確認する.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期末,後期中間および学年末の3回の試験の平均点で評価する.ただし,学年末を除く各試験で60点に達していない者には再試験を課すことがある.このとき,再試験の成績が該当する試験の成績を上回った場合には,60点を上限として,それぞれの試験の成績を再試験の成績で置き換えるものとする.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>これまでの数学の授業で学んだ知識が必要となる.本授業科目は微分積分Ⅱ、線形代数Ⅱや数学講究の学習が基礎となる教科である.
<レポート等>理解を深めるため,必要に応じて,演習課題を与える.
<注意事項>微積分を始めとして数学の多くの知識を使うので,低学年次に学んだことの復習は必須である.本授業科目は後に学習する応用数学Ⅱの基礎となる教科である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスを用いた授業の概要説明,遠隔授業における授業のやり方の説明など
1.授業の概要,遠隔授業における授業のやり方などが分かる.
2週 微分方程式と解 2.放射性物質,運動方程式などの例を通して,モデル化と微分方程式との関係を理解し,積分だけで求められる簡単な1階微分方程式の解を計算できる.
3週 変数分離形 3.変数分離形微分方程式の標準形と解を求める方法を学修し,一般解を求めることができる.
4週 同次形 4.同次形微分方程式の標準形と解を求める方法を学修し,一般解を求めることができる.
5週 線形微分方程式
5.線形微分方程式の標準形と解を求める方法を学修し,一般解を求めることができる.
6週 線形微分方程式
6.上記4
7週 完全微分形 7.完全微分方程式の標準形と解を求める方法を学修し,一般解を求めることができる.
8週 第1週から第7週までの範囲のまとめと演習問題 8.これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
2ndQ
9週 2階微分方程式を1階微分方程式になおす方法 9.2階微分方程式を1階微分方程式に変換する方法を学修し,一般解を求めることができる.
10週 定数係数2階線形微分方程式 10.定数係数2階線形微分方程式の標準形と解を求める方法を学修し,一般解を求めることができる.
11週 定数係数2階線形微分方程式 11.上記10
12週 定数係数2階線形微分方程式 12.上記10
13週 線形微分方程式の特殊解 13.線形微分方程式の特殊解を求める方法を学修し,特殊解を求めることができる.
14週 初期値問題と境界値問題 14.線形微分方程式の初期値問題と境界値問題を解く方法を学修し,それらの解を求めることができる.
15週 第9週から第14週までの範囲のまとめと演習問題 15.これまでに学習した内容を説明することができる.
16週
後期
3rdQ
1週 ラプラス変換の定義 16.関数のラプラス変換と逆変換の考え方を学修し,定義式に基づき,簡単な関数のラプラス変換を求めることができる.
2週 相似性と移動法則 17.関数の相似性と移動法則の考え方を学修し,簡単な関数のラプラス変換を求めることができる.
3週 微分法則と積分法則 18.関数の微分法則と積分法則の考え方を学修し,微分・積分方程式のラプラス変換を求めることができる.
4週 逆ラプラス変換 19.ラプラス変換表を用いて,逆ラプラス変換を計算することができる.
5週 微分方程式への応用 20.ラプラス変換を用いて,微分方程式の一般解を求めることができる.
6週 微分方程式への応用 21.上記20
7週 第1週から第6週までの範囲のまとめと演習問題 22.これまでに学習した内容を説明することができる.
8週 後期中間試験 23.これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
4thQ
9週 後期中間試験の結果に基づく復習,直交性とフーリエ級数 24.三角関数の直交性の考え方を学修し,フーリエ級数の定義式とフーリエ係数の関係について説明できる.
10週 周期2πの関数のフーリエ級数 25.周期2πの関数のフーリエ級数を求めることができる.
11週 偶関数・奇関数のフーリエ級数 26.偶関数および奇関数のフーリエ級数を求めることができる.
12週 一般の周期関数のフーリエ級数 27.一般の周期関数のフーリエ級数を求めることができる.
13週 複素フーリエ級数 28.一般の周期関数の複素フーリエ級数を求めることができる.
14週 フーリエ変換 29.フーリエ変換の考え方を学修し,簡単な関数のフーリエ変換を求めることができる.
15週 第9週から第14週までの範囲のまとめと演習問題 30.これまでに学習した内容を説明することができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合10000000100
配点10000000100