到達目標
発電所から電力需要場所までの電力の流れに沿って,配電設備や送電設備などの概要をつかみ,電力事業の特性を十分理解すると共に,配電特性や送電特性などの基本的な計算ができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 発電所から電力需要場所までの電力の流れが説明できて設計に応用できる. | 発電所から電力需要場所までの電力の流れが説明できる. | 発電所から電力需要場所までの電力の流れが説明できない. |
評価項目2 | 電力事業に関する計算ができて設計に応用できる. | 電力事業に関する基本的な計算ができる. | 電力事業に関する基本的な計算ができない. |
評価項目3 | 配電特性や送電特性などの計算ができて設計に応用できる. | 配電特性や送電特性などの基本的な計算ができる. | 配電特性や送電特性などの基本的な計算ができない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
最近の電力需要の驚異的発展は世界的な現象であって,これに見合う大電力を輸送するには,高度の技術水準が要求される.さらに,系統の構成や運用面においても,システム的な開発が望まれる.授業では,このような電力事業の特性を十分理解すると共に,配電特性や送電特性などの基本的な計算ができることを目的とする.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は、学習・教育到達目標(B)<専門>に対応する.
・授業は一部演習を含む講義形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>「授業計画」における各週の「到達目標」の確認を2回の中間試験と2回の期末試験で出題し,試験の実施が困難な場合などについては必要に応じて演習課題を課して,目標の達成度を評価する.達成度評価における各「到達目標」の重みは概ね均等とする.評価結果の平均点が100点法で60点以上の成績を取得したとき目標を達成したとする.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期中間,前期末,後期中間,学年末の4回の試験の平均点で評価する.演習課題を課した場合については,学業成績の20%を上限として評価に組み入れることがある.尚、4回の試験について60点を達成できない場合においては,必要に応じて,それを補う為の再試験を行う場合がある.このとき,再試験の成績が該当する試験の成績を上回った場合には,60点を上限としてそれぞれの試験の成績を再試験の成績で置き換えるものとする.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本授業科目は電気機器の学習が基礎となる授業科目である.また,発変電工学,電気法規,機械要素について理解していることが望ましい.なお,基本的な電気回路について十分理解しておくことが必要である.
<レポートなど>理解を深めるため,必要に応じて演習課題を与える.
<備考>本教科は後に学習する信頼性工学,流体力学特論,エネルギー移送論,制御機器工学の基礎となる教科である。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
電力システムの概要 |
1.発電所から電力需要場所までの電力の流れに沿って,電力システムの構成およびその構成要素について説明できる.
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2週 |
配電線路の電気方式 |
2.配電線路の構成およびその電気方式について説明ができる.
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3週 |
電力需要の想定と配電線路の計画 |
3.配電線の設備容量,需要率,不等率,負荷率および全日効率について計算できる.
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4週 |
交流電力の表し方:単相交流 |
4.電力システムにおける単相交流回路の諸量が計算ができる.
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5週 |
交流電力の表し方:三相交流 |
5.電力システムにおける三相交流回路の諸量が計算ができる.
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6週 |
交流電力の表し方:単位法 |
6.単位法について説明でき,PU値の計算ができる.
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7週 |
送電ネットワークの表示と単位法化 |
7.単位法を用いて変圧器バンクを含む送電ネットワークの諸量が計算できる.
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8週 |
第1週から第7週までの範囲のまとめと演習問題 |
8.これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
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2ndQ |
9週 |
送電線路の構造 |
9.送電線路の構成要素および構造が説明できる.
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10週 |
送電線の等価回路:抵抗,インダクタンス,静電容量 |
10.送電線の抵抗,インダクタンス,静電容量が計算できる.
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11週 |
送電線の等価回路:四端子パラメータの導出 |
11.送電線をT形回路,π形回路の等価回路で表すことができ,電気的特性が計算できる.
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12週 |
送電線の等価回路:π形回路 |
12.送電線をT形回路,π形回路の等価回路で表すことができ,電気的特性が計算できる.
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13週 |
送電線の等価回路:T形回路 |
13.送電線をT形回路,π形回路の等価回路で表すことができ,電気的特性が計算できる.
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14週 |
電力円線図:作図方法 |
14.電力円線図が作図でき,電力円線図から得られる情報を説明できる.
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15週 |
電力円線図:調相容量 |
15.送電線路の調相容量について説明できる.
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
電力システムの故障と対称座標法 |
16.電力システムの故障に関する概要について説明でき,対称座標法を用いた不平衡電流の計算について説明できる.
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2週 |
発電機の基本式 |
17.発電機の基本式について説明できる.
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3週 |
電力システムの故障解析 |
18.送電線路の故障計算ができる.
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4週 |
中性点接地方式 |
19.中性点接地方式の目的が説明でき,各種方式について説明できる.
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5週 |
電力システムの故障と絶縁協調
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20.絶縁協調に関連して過電圧の種類が説明できる.
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6週 |
過電圧からの保護 |
21.電力機器を過電圧から保護する方法について説明できる.
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7週 |
第1週から第6週までの範囲のまとめと演習問題 |
22.これまでに学習した内容を説明することができる.
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8週 |
後期中間試験 |
23.これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
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4thQ |
9週 |
電力システムの運用:有効電力と周波数制御Ⅰ |
24.周波数変動の問題について説明でき,有効電力と周波数の関係について説明できる.
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10週 |
電力システムの運用:有効電力と周波数制御Ⅱ |
25.負荷周波数制御について説明できる.
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11週 |
電力システムの運用:無効電力と電圧制御Ⅰ |
26.電圧変動の原因や障害について説明でき,無効電力と電圧制御の関係について説明できる.
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12週 |
電力システムの運用:無効電力と電圧制御Ⅱ |
27.無効電力の制御と力率改善について説明できる.
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13週 |
電力システムの運用:電圧降下と電力品質 |
28.電圧降下の簡易的計算ができ,力率の改善など電力品質の維持に必要な手段について説明できる.
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14週 |
電力システムの経済的運用 |
29.電力システムの経済的運用について説明できる.
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15週 |
直流送電 |
30.直流送電の特徴を理解し,交流送電との違いが説明できる.
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電力 | 電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。 | 4 | |
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。 | 4 | |
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。 | 4 | |
電力システムの経済的運用について説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 課題 | 相互評価 | 態度 | 発表 | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
配点 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |