古典学習を通じて，当代の人間の考え方や生き方を知ることから始まり，加えて現代に生きる日本人として必要な「古典文学」の基礎知識の獲得と読解力の向上を果たすことができる．
概要:
本科目は，高等専門学校の国語の基礎能力を「古文・漢文」の分野を中心にして身につけさせる．まず，「古典」学習の意義（(1)当時の人々の考え方，生き方を知る．(2)古典を通じて現代の自分たちの生活，考え方，生き方を捉えなおす．）を再確認する．具体的には，中学校までの古典学習の総復習を含めながら，高専生としてそして現代に生きる日本人として，必要な古典文学の基礎知識の獲得と，読解力の向上をねらいとする．
授業の進め方・方法:
・すべての内容は学習・教育目標（Ａ）の＜視野＞＜意欲＞，及び（Ｃ）の＜発表＞に対応する．
・授業は講義・演習形式で行う．講義中は集中して聴講する．
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする．
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
下記授業計画の「到達目標」のすべてを網羅した問題を２回の中間考査，２回の定期考査とレポート等で出題し，目標の達成度を評価する．各「到達目標」の重みは概ね均等する．合計点の60％の得点で，目標の達成を確認できるレベルの試験を課す．
<学業成績の評価方法および評価基準>
前期中間・前期末・後期中間・学年末の4回の試験の平均点を60％, 課題提出, 小テスト，授業中の黒板での問題演習への取り組み等の結果を４０％として評価する．ただし，前期中間・前期末・後期中間・学年末試験の４回の試験ともに再試験を行わない．
<単位修得要件>
与えられた演習課題を提出し，学業成績で６０点以上を修得すること．
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
中学校卒業程度の国語能力，特に「古文・漢文」についての基礎学力を身につけていることを前提とする．
<レポートなど>
理解を深めるため，すべての教材に演習課題を与える．また，古典文法小テスト，古典名文の暗唱テスト，ノート提出等を課する．
<備考>授業中は学習に集中し，内容に対して積極的に取り組むこと．また，ノート，課題は期限厳守して提出すること．なお，本教科は後に学習する国語Ⅱ，日本文学．言語表現学Ⅰ・Ⅱ，文学概論Ⅰ・Ⅱの基礎になる科目である．
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
| 前期 |
| 1stQ |
| 1週 |
古文入門および学習方法について （「古典学習の意義」としての「温故知新」）
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１．「古典」の学習の目当て「温故知新」の意義を理解し，学習する意義を確認する．
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| 2週 |
古文入門 「児のそら寝」①（「宇治拾遺物語」）
古文チェックポイント１（古文の特徴）
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２．音読を通して現代文との違いに注意しながら，古文を読むための基礎(歴史的仮名遣い等)を理解している．
３．登場人物の心理に注目して，古文の世界を理解し，古文を読むための基礎(品詞等)を理解している．
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| 3週 |
古文入門 「児のそら寝」②（「宇治拾遺物語」）
古文チェックポイント２（古語・品詞）
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上記２・３に同じ．
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| 4週 |
古文入門 「検非違使忠明」①（「宇治拾遺物語」）
古文チェックポイント２（活用形）
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上記２・３に同じ．
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| 5週 |
古文入門 「検非違使忠明」②「宇治拾遺物語」）
古文チェックポイント３（用言）
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上記２・３に同じ．
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| 6週 |
古文入門 「検非違使忠明」③（「宇治拾遺物語」）
古文チェックポイント３（動詞）
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上記２・３に同じ．
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| 7週 |
古文チェックポイント４（係り結び等）
前期中間までの復習 |
４．古文を読むための基礎（係り結び等)を理解し，前期中間までの学習内容を理解している．
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| 8週 |
前期中間試験 |
上記１～４までの内容を理解し，説明することができる．
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| 2ndQ |
| 9週 |
前期中間試験の解説と総括
随筆 「つれづれなるままに」①（「徒然草」）
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５．前期中間試験の内容を理解した上で，三大随筆のそれぞれの文学的価値を理解している．
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| 10週 |
随筆 「つれづれなるままに」②（「徒然草」）
古文チェックポイント３（形容詞）
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６．兼好法師の人生観および「徒然草」の世界観を理解し，古典文法の基礎学習（形容詞）の学習内容を理解している．
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| 11週 |
随筆 「神無月のころ」①（「徒然草」）
古文チェックポイント３（形容動詞）
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７．音読を通して現代文との違いに注意しながら，古典文法の基礎学習（形容動詞）の学習内容を理解している．
８．作者の心理に注目して，古文随筆の世界を理解している．
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| 12週 |
随筆 「神無月のころ」②（「徒然草」）
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上記７・８に同じ．
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| 13週 |
随筆 「ある人、弓射ることを習ふに」①（「徒然草」）
古文チェックポイント５（助動詞①）
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９．音読を通して現代文との違いに注意しながら，古典文法の基礎学習（助動詞）の学習内容を理解している．
１０．登場人物の心理に注目して，古文随筆の世界を理解し，古典文法の基礎学習（助動詞）の学習内容を理解している．
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| 14週 |
随筆 「ある人、弓射ることを習ふに」②（「徒然草」）
古文チェックポイント５（助動詞②） |
上記９・１０に同じ．
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| 15週 |
古文チェックポイント５（助動詞②）
前期末までの復習 |
１１．古典文法の基礎学習（助動詞）の学習内容を理解し，前期末までの学習内容を理解している．
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| 16週 |
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| 後期 |
| 3rdQ |
| 1週 |
前期期末試験の解説と総括
漢文入門 入門一
漢文チェックポイント１（訓読の基礎） |
１２．前期期末試験の内容を理解した上で，漢文の特色を学んで，漢文訓読の基礎（訓点・書き下し文等）を理解している．
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| 2週 |
漢文入門 入門二①
漢文チェックポイント２（再読文字・助字） |
１３．漢文の特色を学び，漢文訓読の基礎（再読文字等）を理解している．
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| 3週 |
漢文入門 入門二②
漢文チェックポイント２（置き字） |
１４．演習などに出て来た格言を読み，漢文の世界を理解でき，漢文訓読の基礎（置き字等）を理解している．
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| 4週 |
故事 漁夫之利①
漢文チェックポイント３（否定・疑問の句法） |
１５．故事成語の学習を通して，戦国時代の諸国と遊説家の言行を理解し，漢文の句法（否定・疑問）を理解している．
１６．故事成語の学習を通して，文学史的価値を理解し，漢文の句法（反語・感嘆）を理解している．
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| 5週 |
故事 漁夫之利②
漢文チェックポイント３（反語・感嘆の句法） |
上記１５・１６に同じ．
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| 6週 |
故事 狐借虎威①
漢文チェックポイント４（使役・受身の句法） |
１７．故事成語の学習，戦国時代の諸国の情勢を理解し，漢文の句法（使役・受身）を理解している．
１８．故事成語の学習を通して，その文学史的価値を理解し，後期中間までの学習内容を理解している．
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| 7週 |
故事 狐借虎威②
後期中間までの復習 |
上記１７・１８に同じ．
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| 8週 |
後期中間試験 |
上記１２～１８までの内容を理解し，説明することができる．
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| 4thQ |
| 9週 |
後期中間試験の解説と総括
歌物語 「芥川」①（「伊勢物語」）
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１９．後期中間試験の内容を理解した上で，歌物語の展開をおさえながら，古典の内容を理解している．
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| 10週 |
歌物語 「芥川」②（「伊勢物語」）
古文チェックポイント８（和歌の修辞）①
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２０．音読を通して現代文との違いに注意しながら，和歌の修辞法の学習を通して，歌物語の特徴を理解する．
２１．登場人物の心理に注目して，古文の世界を理解し，文法（付属語）の応用学習内容を理解している．
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| 11週 |
歌物語 「芥川」③（「伊勢物語」）
文法の応用学習1（助動詞）
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上記２０・２１に同じ．
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| 12週 |
歌物語 「東下り」①（「伊勢物語」）
文法の応用学習２（助動詞）
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上記２０・２１に同じ．
２２．登場人物の心理に注目して，古文の世界を理解し，古典文法の基礎学習（助詞）の学習内容を理解している．
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| 13週 |
歌物語 「東下り」②（「伊勢物語」）
古文チェックポイント８（和歌の修辞）②
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上記２０．２１．２２に同じ．
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| 14週 |
歌物語 「東下り」③（「伊勢物語」）
古文チェックポイント６（助詞）①
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上記２０．２１．２２に同じ．
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| 15週 |
古文チェックポイント６（助詞）②
学年末までの復習
年間授業のまとめ（アンケート）
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２３．古典文法の基礎学習（助詞）の学習内容を理解し，学年末までの学習内容を理解している．
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| 16週 |
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