日本語教育ⅠA

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 日本語教育ⅠA
科目番号 0053 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:プリント学習および聴解教材 参考書:英和辞典,和英辞典,国語辞典,漢和辞典などを持参すること
担当教員 石谷 佳穂

到達目標

感じたこと,考えたことを日本語で正しく表現する能力を身につけるとともに,他者と円滑にコミュニケーションをとる能力を養う.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1日本語の文章の応用的な作成ができる.日本語の文章の基本的な作成ができる.日本語の文章の作成ができない.
評価項目2日本語の文章の応用的な読解ができる.日本語の文章の基本的な読解ができる.日本語の文章の読解ができない.
評価項目3日本語の応用的な会話・聞き取りができる.日本語の基本的な会話・聞き取りができる.日本語の会話・聞き取りができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業の受講生である外国人留学生は,すでに基本的な日常会話を習得している.しかし,実際の高専生活においては,まだまだ「言葉」や日本における生活習慣の違いに戸惑わざるを得ない状態である.社会生活及び高専生活の中では,自分の意思を伝達するために説得力のある表現技術が要求される.そこで本科目では,彼らが習得してきた内容を復習,定着させ,さらに日本語で「文章を書く」,「本を読む」,「話を聞く」,「自ら話す」能力を高めることを目的とする.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は学習・教育目標(A)の<視野>,(C)の<発表>に相当する.
・授業は主に演習形式で行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
〈到達目標の評価方法と基準〉この授業で習得する「知識・能力」を網羅した問題を2回の中間試験,2回の定期試験とレポートで出題し,目標の達成度を評価する.達成度評価における各「知識・能力」の重みは概ね均等とする.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
〈学業成績の評価方法および評価基準〉2回の中間試験・2回の定期試験により60%,レポート・発表等の結果を40%として評価する.
〈単位修得要件〉定期試験,レポート等により学業成績で60点以上を修得すること.
〈あらかじめ要求される基礎知識の範囲〉日本語に関心を持ち、積極的に学習すること.
〈レポート等〉理解を助けるために,随時課題を与え,提出させる.
〈備考〉学習の対象が日本語の全分野にわたるため,積極的な取り組みを期待する.授業中に疑問が生じたら直ちに質問すること.なお,本教科は,後に学習する「日本語教育ⅠB」「日本語教育Ⅱ」の基礎となる教科である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 「日本語教育ⅠA」授業の概要および学習方法 1.「日本語で表現する」:
感じたこと,考えたことを日本語で正しく表現することができる.
2週 初級段階の総復習(1) 2.「初級段階の総復習」:
「文章を書く」,「人と話す」,「本を読む」,「話を聞く」の初級段階のすべての項目について理解している.
3週 初級段階の総復習(2)「書く(表記)」 3.「正しい表記で書く」:
仮名づかいや文字の使い分けなどに留意しながら,日本語を正しい表記で書くことができる.
4週 初級段階の総復習(3)「書く(表記)」 上記3に同じ.
5週 初級段階の総復習(4)「話す・聞く」 4.「話す」「聞く」(1):
日本語らしい発音に留意しながら,自分の意志や意見を他者に伝達することができる.また,他者が話す内容を正確に聞きとることができる.
6週 初級段階の総復習(5)「読む(短文読解)」 5.「文章を読む」:
日本語のテキストの文章を読み,内容を正しく理解している.
7週 初級段階の総復習(6)「書く(文法)」 6.「文法の学習」:
接続語句や指示語の適切な使い方を理解し,活用できる.
8週 前期中間試験 上記1~6で学習した内容を正しく使うことができる.
2ndQ
9週 中級段階の学習(1)「書く(漢字・語彙)」 7.「漢字・語彙の学習」:
同音異義語や同訓異字に留意しながら、正しく書くことができる.
10週 中級段階の学習(2)「書く(表現)」 8.「日本語のさまざまな表現」:
慣用表現や敬語表現などを理解し,正しく使うことができる.
11週 中級段階の学習(3)「書く(表現)」 上記8に同じ.
12週 中級段階の学習(4)「書く(表現)」 上記8に同じ.
13週 中級段階の学習(5)「話す」 9.「行動別の言語表現」:
それぞれの言葉の特性を知り,実際に使う時や場合を理解している.
14週 中級段階の学習(6)「聞く」 10.「聴解力を養う」「会話の練習」:
音声教材や実際の話者による聴解練習を通し,日本語の通常速度の会話文を正確に把握する能力を身につけることができる.
15週 中級段階の学習(7)「読む(中文読解)」 上記5に同じ.
16週
後期
3rdQ
1週 「日本語を学ぶ意義」の再確認. 11.「日本語で表現する」:
感じたこと,考えたことを日本語で正しく表現することができる.
2週 中級段階の学習(8)「読む(長文読解)」 上記5に同じ.
3週 中級段階の学習(9)「読む(長文読解)」 上記5に同じ.
4週 中級段階の学習(10)「書く(表現)」 12.「作文の作成」(1):
読んだ人がわかりやすい文を書くことができる.
5週 中級段階の学習(11)「書く(表現)」 上記12に同じ.
6週 中級段階の学習(12)「書く(表現)」 上記12に同じ.
7週 中級段階の学習(13)「読む」「書く」 13.「文章を読む」「文章を書く」:
質問された内容に正しく答えることができる.論旨を捉え、まとめることができる.
8週 後期中間試験 上記5,11,12,13で学習した内容を正しく使うことができる.
4thQ
9週 実践(1)「書く(作文)」 14.「作文の作成」(2):
「作文」の作成技術の基本を学び,身近なテーマについて作文を書くことができる.
10週 実践(2)「書く(作文)」 上記14に同じ.
11週 実践(3)「話す」「聞く」 15.「話す」「聞く」(2):
身近なテーマについて発表し、相手の意見を尊重しながら議論をすることができる.
12週 実践(4)「話す」「聞く」 上記15に同じ.
13週 実践(5)「読む」「書く(作文)」 16.「作文の作成」(3):
本を読み、感じたことを文章で表現することができる.
14週 実践(6)「読む」「書く(作文)」 上記16に同じ.
15週 授業の年間のまとめ 上記1~16で学習した内容を正しく理解している.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。3
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。3
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。3
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。3
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。3
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。3
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。3
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合602000200100
配点602000200100