電子計測

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 電子計測
科目番号 0067 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書「ディジタル時代の電気電子計測基礎」松本佳宣(コロナ社)
担当教員 板谷 年也

到達目標

電子計測の基礎的項目を理解し,様々な物理量を計測するためのセンサとその利用,さらに電子計測機器および様々な媒体を用いた計測法の概念とその応用を理解して説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1計測技術の基礎・原理を計測に応用できる.計測技術の基礎・原理を説明できる.計測技術の基礎・原理を説明できない.
評価項目2計測法の分類を計測に応用できる.基本的な計測法の分類について説明できる.基本的な計測法の分類について説明できない.
評価項目3演算増幅器とフィルタを計測に適用できる.基本的な演算増幅器とフィルタについて説明できる.基本的な演算増幅器とフィルタについて説明できない.
評価項目4アナログ・ディジタル変換,ディジタル・アナログ変換を計測に適用できる.基本的なアナログ・ディジタル変換,ディジタル・アナログ変換について説明できる.基本的なアナログ・ディジタル変換,ディジタル・アナログ変換について説明できない.
評価項目5電圧測定、電流測定、抵抗測定、インピーダンス測定を適用できる.基本的な電圧測定、電流測定、抵抗測定、インピーダンス測定を計測について説明できる.基本的な電圧測定、電流測定、抵抗測定、インピーダンス測定を計測について説明できない.
評価項目6電力測定、周波数測定を適用できる.基本的な電力測定、周波数測定について説明できる.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
計測技術は様々な分野で基本となり,また重要で進展がめざましい技術である.ここでは高度なエレクトロニクスを用いた電子計測について学び,計測技術の高度な知識を身に付け,この技術を様々な分野で応用できるようになることをねらいとする. 
授業の進め方・方法:
すべての内容は,学習・教育到達目標の(B)<専門>およびJABEE基準1(2)(d)(2)a)に対応する.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
「到達目標」1~21の確認を,前期中間試験,前期末試験,後期中間試験および学年末試験とレポートで行う.1~4の重みは同じである.総合点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験と課題を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>
前期中間,前期末,後期中間,学年末の4回の試験の平均点を80%,レポートを20%として評価する.試験の成績不良者に対する再試験は行わない.
<単位修得要件>
学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
電気磁気学,電気電子回路,ディジタル回路などの知識をベースにアナログ信号,ディジタル信号の概念について理解している必要がある.
<自己学習>
授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験のための学習も含む)及びレポート作成に必要な標準的な学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である.
<備考>
電気磁気学,電子回路,ディジタル回路,電子工学は言うに及ばず,光電子工学,通信工学など様々な知識が基になってこの技術が達成されている.範囲が広汎となるので,できるだけ平易に講義を進めるので意欲を持って受講されたい.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子計測とは、SI単位系・計測標準 1. 計測技術の基礎・原理を理解する.SN比,国際単位系,電気単位の標準について説明できる.
2週 測定手法(直接測定・間接測定と偏位法・零位法) 2. 計測法の分類について説明できる.
3週 統計処理(有効数字と不確かさ) 3. 不確かさについて説明できる.
4週 統計処理(誤差) 4. 測定誤差,統計的処理法について説明できる.
5週 雑音 5. 雑音と測定限界について説明できる.
6週 演算増幅器とフィルタ 6. 演算増幅器とフィルタについて説明できる.
7週 同上 つづき 上記6
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 ディジタル計測とアナログ計測 7. アナログ量の変換,ディジタル量の伝送について説明できる.
10週 A‐D変換、D‐A変換の基礎 8. アナログ・ディジタル変換,ディジタル・アナログ変換について説明できる.
11週 逐次比較形A-D変換器 9. アナログ・ディジタル変換について説明できる.
12週 並列積分形A-D変換器 上記9
13週 二重積分比較形A-D変換器 上記9
14週 デルタ・シグマ形A-D変換器 上記9
15週 D-A変換器 10. ディジタル・アナログ変換について理解し,説明できる.
16週
後期
3rdQ
1週 電子計測機器 11. 電子計測機器の基本構成要素を説明できる.
2週 電圧測定 12. 電圧測定について説明できる.
3週 電圧型センサとマイコン計測 13. 電圧型センサとマイコン計測について説明できる.
4週 電流測定(直流電流・微小電流・交流) 14. 電流測定について説明できる.
5週 電流型センサを用いた光・放射線計測 15. 電流型センサを用いた光・放射線計測について説明できる.
6週 同上 つづき 上記15
7週 抵抗測定・インピーダンス測定 16. 抵抗測定・インピーダンス測定について説明できる.
8週 後期中間試験 上記16
4thQ
9週 抵抗・キャパシタンス型センサ 17. 抵抗・キャパシタンス型センサについて説明できる.
10週 同上 つづき 上記17
11週 電力測定(直流電力・交流電力) 18. 電力測定について説明できる.
12週 周波数(周波数カウンタ) 19. 周波数測定について説明できる.
13週 オシロスコープ・ロガー 20. オシロスコープ・ロガーについて説明できる.
14週 コンピュータ計測とセンサ無線 21. コンピュータ計測とセンサ無線について説明できる.
15週 同上 つづき 上記21
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。4
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。4
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。4
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。4
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。4
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4
電力量の測定原理を説明できる。4
オシロスコープの動作原理を説明できる。4

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合80200000100
配点80200000100